ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース10話感想
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梅雨入りで急に気温が戻ってきました。風邪引かないようにしないと……
ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース 第10話「皇帝と吊られた男 その1」
©荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険SC製作委員会

インドへやって来た承太郎達は、その独特の文化様式に圧倒される。しかし、そこで因縁のスタンド使いを見つけたポルナレフは単独行動を宣言し……



アヴドゥル「ね いい国でしょう これだからいいんですよこれが!」
新たな敵スタンド使いの登場と、突然の別れの第10話。原作では60ページ分よりちょい少なめといったところですね。
今回の旅情模様はインドですが、舞台が1980年台ということで大分変化もありそう。だいたいが今カルカッタじゃなくてコルカタに名前変わってるし。原作だと群衆の中に買春や大麻を勧める人なんかもいましたがこれはカット。またジョセフのイメージ語りも「こじきとか泥棒ばかりいて」という部分が省略されています。「バクシーシ」も「チップ」に変更されてるし。まあこっちは説明なしにバクシーシとだけ言われても訳わからんというのもあるか。色々デリケートだ。原作ではインド到着前の会話は背景なしでしたが、船内でのそれにしていたのは妥当で納得。



ポルナレフ「えっ!なにィ!するってーーとこのブタのエサはッ!そのためにいるのか」
ちなみに豚便所はインド全体であるものではなく、一方他の国にもある文化だそうで。寄生虫が人と豚をループしたりする衛生的な危険があり「おおらかだからできるエコ」では片付けられない代物です。しかしこれ、便器のデザインを洋風に近づけることでインパクトが強烈になってるのがすごいですよね。豚が顔を出さない(顔を出さなくとも食事ができる)トイレでは視覚的に地味だし、最初から豚が見えていても出オチで終わってしまう。割と普段僕らが利用しているものに近いトイレから豚が顔を出すからこそ唖然とし笑えもするわけで、考えてみるとこのあたりもよく加減されているものです。使いたいとは思わんが。




ちなみに今回のポルナレフ、トイレに行く時もハングドマンと遭遇して戻る時もわざわざ荷物袋を持ち歩いているように変更されています。1人旅ならともかく、承太郎達が一緒にいるなら盗まれる心配もないのでは?という気もしましたが、これって単独行動を宣言する時に即座に荷物袋が彼の手元にあるようにするためなのですね。
原作では「おれの妹を殺したドブ野郎~~~ッ」の所で回が変わっていて、それによる仕切り直しの間にポルナレフの手元に荷物袋が戻っていたのですが、アニメではこの部分をCMで分けているわけではないので、そのままだと「手ぶらで外に出たのに突然荷物袋を持っているポルナレフ」という奇妙な描写になってしまう。トイレに行く時に持ち歩かせることで、この問題が解決されているわけです。わざわざ持ち歩いていること自体に違和感もあるんだけどw つーか床が汚いわけでもなさそうだし、トイレの外に荷物袋置くなと。それこそ盗まれても知らんぞ。



ホル・ホース「おれのやり方はわかっているよな J・ガイルのだんなよ」
ホル・ホースついに登場。3部で1番お気に入りのキャラを挙げろ、と言われたら彼。したたかな性格が非常に好みなんですよね。手から拳銃を出現させて撃つ、という要素が単純に格好良いのも大きい。難波圭一(ドラマCD)、若本規夫(OVA)、安原義人(3部格ゲー)、大塚芳忠(ASB)とそうそうたる面々が声を当ててきたキャラですが、個人的には安原義人が1番印象深い。3部格ゲーをよく遊んだからというのも大きいですが、「相方いてこそのキャラ」という彼の立ち位置にもっとも合致しているのではないかなと思います。
で、このアニメで彼を演じたのは木内秀信。正直、僕のダメ絶対音感ではクレジット見るまで分からなかったwww いやだってDTBの黒とエウレカセブンAOのゲオルグくらいしか知らないし……先述した安原義人版を気に入っている理由と同じベクトルの演技がされてはいると思うので、今後のあんなシーンこんなシーンをどんな風に演じてくれるのか期待。

象「解せぬ」
いやほんとどうなったんだろうこの象www



ホテルでのポルナレフ・承太郎達や、雨の中ポルナレフがJ・ガイルを探すシーンはアニメオリジナルですが、原作ではちょっとだけ分かりづらかった時間経過が明示されている点に加え、暗い画面がポルナレフの焦燥を表しているのがいいですね。加えて、後のシーンで重要となった水たまりについてのロジカルな補完にもなっている。単一の意味しか持たないわけではない追加描写が相変わらず上手いなあ。



また、開戦の様子をまるで格ゲーのゲームスタート時のように描く構図も印象的。いやむしろホル・ホースだから西部劇の早撃ち勝負風と言った方が適当でしょうか。原作ではホル・ホース単独の台詞だった「てめーーっブッ殺すっ」を2人同時に言わせたり、アクションの合図に水滴を使ったりと「対峙」を感じさせる演出が光っていました。





加えて、アヴドゥルがマジシャンズレッドを発動した後、ハングドマンに刺されるまでに承太郎達が彼を探すシーンが挿入されているのは原作読者の感情を地味に揺さぶってくる場面ではないでしょうか。程よい長さで「嫌な予感」をじわじわ増幅してくれています。また原作ではアブドゥルの被弾する様子が正面から描かれている(=「突然の死」そのものが主体)のに対して、アニメでは彼がポルナレフの目の前で倒れる様子にスローモーションが使われている(=「ポルナレフの受ける衝撃」が主体)になっている点など、アニメでは驚きよりも悲しさに重点が置かれているように感じます。






ポルナレフ「自分の回りで死なれるのはスゲー迷惑だぜッ!このオレはッ!」
これはアヴドゥルの死に対するポルナレフの動きにも言える所で、原作では単につばを吐いて後ろを向き、さもなんでもないかのように語り出すだけだったのが、指や腕を使って非常にオーバーな動きが加えられています。視覚的に映えるというのもありますが、「そうでもしないと現実に耐えられない」というポルナレフの悲しみがよく伝わってくる。もちろん、小松史法の熱の入った演技もあってこそ。
直前の描写でアヴドゥルが「1人でポルナレフを探しに行った」という説明がされているのが彼の仲間思いの一面を強調してくれていることなども含め、分かっていた筈なのに悲しくなってしまう場面でした。さて、次回の反撃にも期待。
関連:
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【言及】
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