ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース13話感想
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原作通りのこのポーズになるまでの動きすら格好いい、恐ろしい。
ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース 第13話「運命の車輪」
©荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険SC製作委員会

自動車でインドからパキスタンへ向かう承太郎達。途中、追手とも異常者ともつかぬ奇妙な車と遭遇するのだが……



今回は原作約80ページ分。エンヤ婆の「正義」の回までちょっとはみ出ている分、消化量は他の約80ページ分の回よりも多目。このためアニメオリジナルでの増量はほとんどなく、カットされた部分などもあります。分かりやすいのは下のシーン、また一緒に連れて行ってほしいとせがむアンと、危険に巻き込むのを避けたいジョセフ達との喧々諤々のやりとりに対する承太郎の反応。

承太郎「やかましいッ!うっおとしいぜッ!!おまえらッ!」
……ニコニコ大百科にも記事が作られる有名な誤植だったようなのですが、今回初めてその存在を知りました。敵を撃破した後の承太郎のやたらいい笑顔も見逃していたし、いやホント今になっても新たな発見があるものなんだなこの作品……


もう1つは街道の茶屋でのインド事情紹介。車から降りたポルナレフがなんじゃこりゃと壁に貼り付けられた円いものを見ていますが、これが何なのかと言えばぶっちゃけ牛糞。乾かして燃料として使用する旨が原作ではオマケ文として紹介されていたのですが、上述したポルナレフの所作に残滓を残すのみとなっています。乾燥すれば臭くないらしい。
ちなみにこの牛糞燃料、燃料効率は必ずしも良くなかったり燃焼時の煙が健康に良くない物質を含んでいたりもするとのことで、近年は家庭用バイオガスプラントの普及が進んでいるのだとか。要するに穴掘って突っ込んだ糞を発酵させてガスを利用するわけです。
一方日本では畜糞と言えば肥料というイメージが一般的ですが、最近は牛糞ペレットを燃料にしたりそれでタービンを回して発電に使う動きもあるそうで。技術が進んだら他所の国の伝統的燃料に近づくというのも面白いですね。実際にインドで壁で牛糞を感想させている写真も見つけたのでリンクを張っておきます。
燃料としての牛の糞(フェイサル・シャーのパキスタン便り)
アニメと原作が遥かに及ばないみっちりぶりだ!


ジョセフ「ひょっとするとわしは 聖地ベナレスでの医者殺しの容疑で警察に指名手配されとるかもしれんのだからのォ~~~~~っ」
ジョセフ「ベナレスの一件で追われる身だからのう」
*上は原作での台詞、下はアニメでの台詞
なお、先週「アニメだとエンプレスにやられた医者は死んでないのでは?」と書きましたが、今週の台詞を見るにそのへんボカしてはいる模様。単純に台詞のダイエットという気もしますが。


承太郎「運転していたヤツの顔は見たか?」
ポルナレフ「いや……窓がホコリまみれのせいか見えなかったぜ」
ポルナレフ「ば…ばかなッ!行き止まりだッ!」
原作片手に見ると面白いのは、今回「背景に登場人物の顔を重ねる」という演出が使われている点。「運転手の顔が見えないことを確認する承太郎」「行き止まりになっているのに気付いて愕然とするポルナレフ」の2シーンで用いられていますが、語られている内容が同時に視覚で理解できるようになっています。考えてみるとこの方法、漫画では難しくてもアニメでは非常にやりやすい演出なんですね。前者では「見えない」という事実、後者では「このままだと落ちて死ぬ」という驚きの方がメインになるように見せ方が変わっているのも面白い。



ポルナレフ「みんなッ!車をすてて脱出しろッ」
花京院「ポルナレフッ! ドライバーがみんなより先に運転席をはなれるか普通は……………!?誰がふんばるんだ?」
シートベルトはちゃんと締めましょう(戒め) 原作ではポルナレフも花京院もシートベルトを描写されていなかったのですが、アニメではきちんと追加されていたり。このあたりは表現の自主規制というよりキャプ画のシーンで活かされていて、シートベルトを外す動作を描くことで花京院の長台詞に対する間を持たせる効果を発揮しています。動作の丁寧さが余計滑稽に見えるというのもプラスポイントw




また、原作では落下するあたりからの社内の人物配置は乗車時のそれを半ば無視したものになっていたのですが、アニメではきっちり元のまま。会話時の花京院と承太郎の位置が自然なものになっています。ただこの構図、話しかけられる前から承太郎の方を向いている花京院の表情がドヤ顔に見えて仕方ないwww



承太郎「やつはここに登り上がる時…車のハラをみせる そこでひとつやつとパワー比べをしてやるぜ」
原作にない構図ながら非常にかっこいいのが、岩カベを昇ってくるホウィール・オブ・フォーチュンを待ち受ける承太郎。台詞もそうですが、背面から映す姿や右手の位置などが早撃ち勝負のガンマンか何かのようで、迫り来る瞬間への緊迫感を作り上げてくれています(僕に画像を繋ぐ技術があればなあ)。ちなみに飛び道具の種明かしの際は原作では被弾の様子はなかったのですが、3枚目のキャプ画は本来その前のシーンで被弾したコマの流用だったり。原作では本当に種明かしで攻撃になっていなかったのが、火花で引火を防げなかった理由としても機能しているのが○。






ズィー・ズィー「勝ったッ!第3部完!」
承太郎「ほーお それでだれがこの空条承太郎のかわりをつとめるんだ?」
このエピソードで1番記憶に残っているシーンは?と言われれば多くの人がこれを挙げるはずw 指を振り下ろす動きを加える事で原作通りの効果線が自然かつダイナミックになっているのもポイントですが、ズィー・ズィーを演じる岩崎征実の演技も負けていない。表情が終盤まで描かれないので様々な演じ方が考えられたと思うのですが、このズィー・ズィーは全体的にテンションが高いですね。原作で見られた高笑いがクローズアップされており、このシーンの調子に乗っている感じがよく出ていると思います。



さて、次回は中ボスとも言えるエンヤ婆戦。鈴木れい子の演技力はこれまでで実証済みですし、素晴らしい1話が期待できそうです。
関連:
2013年冬アニメ 視聴予定リスト(1部2部感想リスト)
ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース 感想リスト
ジョジョの奇妙な冒険 第1話「悪霊にとりつかれた男」
ジョジョの奇妙な冒険 第2話「裁くのは誰だ!?」
ジョジョの奇妙な冒険 第3話「DIOの呪縛」
ジョジョの奇妙な冒険 第4話「灰の塔」
ジョジョの奇妙な冒険 第5話「銀の戦車」
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ジョジョの奇妙な冒険 第9話「黄の節制」
ジョジョの奇妙な冒険 第10話「皇帝と吊られた男 その1」
ジョジョの奇妙な冒険 第11話「皇帝と吊られた男 その2」
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