ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース26話感想
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久方ぶりのオフ会に参加。初めてお会いした方も含め、色々普段は会話にしない趣味のことを話せるのは楽しい。お誘いありがとうございました!
ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース 第26話「「愚者」(ザ・フール)のイギーと「ゲブ神」のンドゥール その2」
©荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険SC製作委員会

砂漠で敵に襲われ、窮地に陥る承太郎達。果たして、遠方から自在に攻撃してくるンドゥールのスタンドを打ち破る方法はあるのか。
ンドゥール戦後半の26話。今回は原作3話分半、70ページほどと普段より多めになっています。サブタイからすると次のエピソードを1話で終わらせるようなので、その分だけ詰め込んであるようですね。



アヴドゥル(さあこれで歩いたように聞こえたろう……)
ンドゥール「フーーーッ なかなか小細工を考えるじゃあないか…」
このンドゥール戦は「敵の能力の謎解き」に加えて「双方の駆け引き」が重要な要素となっているわけですが、2話構成となったこのアニメでは前者が25話、後者がこの26話というようにきれいに分かれています。原作ではバギーが水に引き込まれ出すところで話の切れ目となっていたのですが、そのちょっと先のバギー転倒まで前回話を進めておいたおかげで、今回はアヴドゥルの策がアバンに収まるようになっている。腕輪を足音に見せかける、という頭脳戦が1番最初に描かれることで、駆け引きと中心とした30分の流れがスムーズに始まるわけです。ンドゥールとアヴドゥルが「聞こえる聞こえる」と「チッ!チッ」の時点で汗をかいていることで、互いに神経を使っているのが感じられるのも緊迫感を高めてくれています。


承太郎が拾ったものが何なのか考えるンドゥールが左手を振る動作もさりげにアニメオリジナル。顔のアップに台詞を重ねるだけでなく、動きとして頭脳戦が感じられる工夫が上手い。






承太郎「どこから襲ってくる…教えろ!イギー てめーも死ぬぜ! ガムはやらねーがなあ」
承太郎に脅されたイギーがザ・フールで飛行する部分も、描写の補完に加えてより動的なものに。「砂中を走る水」というのがアニメではスピード感を持って描けるため、それに怯えるイギーの様子に説得力が増していますし、その眼前で砂が動く様子も「すわ攻撃か」というミスリードとしての緊張感と共にザ・フールの発動を派手なものとしてくれています。
よくできているのはこの巻き起こる砂が承太郎を囲むことで彼からのイギーの脱出方法をあいまいながら補完していること(原作では掴まれたイギーが叫んだら次のコマでは既に承太郎から逃げてた)。また承太郎の手元に残されたイギーの砂人形(アニメオリジナル)も変わり身だけでなく、「ンドゥールの攻撃に破壊される」という、一歩遅かったら承太郎がやられていたであろうことを示す役割も担っていたりと、この一連のシーンは原作との比較が非常に楽しいものとなっています。


あと砂漠がタイミングよく凹んでいるのも、足が着きそうになってからの間を持たせるフォローとして地味に効いているwww




ジョセフ「もはやこの戦い、任せるしかない……承太郎に!」
いつものこととツッコミもあろうかと思いますが、アヴドゥルの介抱に向かっているだけマシ。原作だと倒れたアヴドゥルがいつの間にかジョセフ達の近くに移動していて、上の台詞も1コマで済まされてるからね!






承太郎「イギーだぜ ほれほれイギーも敵も自分のスタンドを使って防御しないとお互いの体がぶつかるぜ」
イギーが承太郎を敵に差し出そうとしてからの一連の流れは、純粋に演出がパワーアップしていて実に見栄えします。ンドゥールの手とゲブ神の腕型を重ねるところもそうですが、特にイギーの投擲が素晴らしい。この場面で1度ザ・フールが消えるのは自然なことではあるのですが、「砂でできているので消える時は砂が崩れる」「翼を含めるとかなり横幅がある」ということを利用して、画面いっぱいスタープラチナの背後に何本も砂柱を立てて投擲の勢いだけに任せないリッチな視覚効果を作っているのは恐れ入りました。




ンドゥール「もはや このつえで音を探知する必要は……… なくなったようだがこのつえは帰るときに…………必要」
しかしこのイギー投擲から決着までって、短い時間に転換が詰め込まれていて本当に見応えありますね。ピンチからの意想外の防御策、と思われたイギーの投擲がンドゥールの探知を逃れるためのもので、と思ったらそれどころかンドゥールに近づくための積極策。そしてそこまで理詰めだったのが最後は互いの速度だけがものを言うガンマンの撃ち合いに変わる。背後まで迫りながらもゲブ神に阻まれて攻撃できなかった承太郎にとって、ンドゥールがゲブ神を攻撃に使う=自分のガードを解く瞬間だけが勝利のチャンスだったわけですが、その合図に杖が倒れゆく瞬間を使うという視覚的緊張感の出し方も素晴らしい。今回はこうした元の良さに加え、「音で作られた視覚イメージ」といった演出が遠く離れた承太郎達とンドゥールをスムーズに繋げ、確かな満足感のある回となっていました。



ンドゥール「「死ぬのはこわくない しかしあの人に 見捨てられ殺されるのだけはいやだ」 悪には悪の救世主が必要なんだよ フフフフ」
頭撃ち抜いといてよくそれだけ喋られるな、というのは原作の時点でツッコミの対象www 画面が回想に切り替わるのがその違和感をほんのわずかに緩和していますが、この切替を意識してみると回想場面ではンドゥールのしゃべり方が末期のものではなくなっているのが分かります。画面に合わせた演技の変え方、というのが感じられて興味深い。




承太郎「ガ…ガム………だ こ…このくそ犬……ただモンじゃねー……」
そして帽子ガムのシーンはBGM、イギー初めてのデレ鳴き声(?)、彼の顔をアップにしてニンマリさせての種明かし……と全力で感情を多方向に揺さぶってくるのが先ほどまでの緊迫感から視聴者を解放してくれてとても心地いい。オチが分かってたのにまさかここで一瞬でもイギーに萌えてしまうとは不覚……!



わざわざアニメオリジナルの台詞追加である。確かにアニメでやるなら色付きの方が見やすいけどwww ちなみにこの漫画家は原作ではタバコ吸いながらボインゴの漫画を読んでいましたが、このあたりは単に手間の省略かしらん。なお、原作ではなぜか前輪の修復されたバギー(花京院達を病院に連れて行くより先に直したことになる)に乗ったジョセフ達が事故現場に遭遇していましたが、アニメでは後続のバスに乗ったオインゴ&ボインゴに事故現場を通り過ぎさせることでその因果関係を連想させる締め方となっています。漫画家が乗ったバスの後続は4時間後、というバス会社職員の台詞がなくなっているのはこのためか。さて、次回はいったいどんな強敵との戦いになるのかな!
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