忘れないでね/艦隊これくしょん -艦これ- 3話感想
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画像枚数3枚制限とは何だったのか(白目)
>拍手返信:雪光さん
細かく読んでくださっていて恐縮です。「駆逐艦」って、単独で聞いても大きさのイメージわかないですよね。僕も艦これ始めるまで分かってませんでしたw 単純な強さだけならある程度編成は決まってしまうのですが、海域ごとに有利に進められる編成パターンがありますので、それを探したり条件下でどれだけ効率的に、あるいはロマンを求めた編成にできるかというのもこのゲームの楽しみの1つです。
艦隊これくしょん -艦これ- 第3話「W島攻略作戦」
©2014 「艦これ」連合艦隊司令部

反攻に向け、W島の攻略作戦に参加することとなった吹雪達第三水雷戦隊。睦月は共に参加することになった艦娘の中に姉妹艦・如月の姿を見つけ喜ぶのだが……
成長と喪失の第3話。視聴者が艦これについてどう触れているかという立場によって印象が大きく変わるため、単純なシナリオ以上に大きな意味合いを持つ回でした。ミックのヘカテーは真に宇宙戦用か、もとい艦これのアニメは真に提督用か。
「艦これ」は漫画、小説など様々な媒体で複数の作品が展開されており、それぞれが独自の世界観を持って描かれているのですが、その中で基本的に避けられてきた描写こそが艦娘の死、即ち「轟沈」でした(もちろん二次創作は別)。どの艦娘も轟沈の危険はあるが、提督=プレイヤーの過ちさえなければけして沈めずに済む。それが「艦これ」というゲームのシステムです。だからこそ、死ぬことを前提としたキャラ作りは誰もされていない。それをあえて轟沈させれば、漫画版や小説版の作者は針の筵になっていたことでしょう。どんなに美しい話であろうと「作者の勝手で○○に酷いことをした」と指弾されていたはずです。逆に言えば「ゲーム以外の公式展開では艦娘は沈まない」というのがなんとなくファンの間に漂っていた空気とでも言えるものでした。その一線を越えたのが、このアニメ「艦これ」3話だったわけです。
アニメは漫画や小説よりもずっと多くの人が関わるものですから、漫画や小説で轟沈を描いた場合ほど誰か1人に非難が集中することはありません。シリーズ構成やこの回の脚本担当が文句を言われていますが、漫画や小説に比べれば遥かに軽いものでしょう。「轟沈」を描ける唯一の媒体こそはアニメであったのだと、この3話を見た今は思います。


単純に作品として見た場合、「3話で死人を出して緊張感を出す」というある種オーソドックスとなりつつある展開をこの大人数に落としこむため、吹雪と睦月をそのまま睦月と如月に映し込む、という手法が取られているのが印象的でした。如月個人のキャラ、というよりは「想い合い励ましてくれる友」という関係性の方に重点が置かれているのですね。1,2話で吹雪が睦月から受けた優しさはみんな、かつて睦月が如月から受けたもの。そんな如月に対して「伝えたい言葉」があり、吹雪達には「絶対、ぜったいに一緒におうちに帰りましょう!」という睦月は、そこだけ見れば彼女の方が死亡フラグが立っているとも見える。実際、彼女は敵の艦載機で危うく死ぬところだったわけですし。その死亡フラグをへし折ることで吹雪の成長を描きつつ、全く別の場所で、彼女達の頑張りとは関係なく「守れなかった者」が生まれる。「急にキャラを立てて死なせる」手法とは、むしろ逆と言っていいのではないかと思います。
また、赤城が1話の圧倒的な強さ、2話の親しみを経て「正射必中」と「仲間への思い」という道を示す様は先輩としてとても丁寧なステップを踏んでおり、吹雪の憧れの感情が彼女だけに留まらず、自然と視聴者にも共感できる作りになっているように感じました。アニメにおける「赤城」というキャラは、今回をもって1つの完成を迎えたのではないかと思います。
さて、今回轟沈した駆逐艦・如月。太平洋戦争における彼女の戦歴は……

開戦から「3」日後、「ウェーク島(Wake Island)」攻略作戦でアメリカ軍と戦闘。

所属していたのは軽巡洋艦「夕張(メロンみてぇな髪色しやがって)」を旗艦とする第六水雷戦隊。

僚艦は第三十駆逐隊を編成する「睦月、望月、弥生」。

最終的に「敵戦闘機から投下された1発の爆弾」が自艦の武装に誘爆し、轟沈。
物語的には睦月に死亡フラグが立っているのですが、その裏で史実再現としては着実に如月の死亡フラグが立っている、という構成であることが分かります。ひどくあっさりした最後も、先述した吹雪の成長とそれだけで事が済まない非情さを示すのに如月の史実が適役であった、と見ることもできるでしょう。

艦これでは耐久(HP)が0になり沈んだ艦娘は、どうやっても復活させることはできません。このゲームはイベント報酬艦などもあくまで「先行実装」であり、根気強く「建造」したり、敵艦隊を撃破して「ドロップ」すれば、いつかは同じ性能を持つ艦娘を加入させることができます。でも、それはレベル1のまっさらな艦娘です。かつて提督が彼女を育てた日々をそこに重ねていいのか?それは同じ艦娘と呼べるのか?と言えば、それはもう、提督の受け止め方によるとしか言えません。少なくとも葛藤を生んでおかしくないものであることは、未プレイの方にも伝わるでしょうか。
ですから、脚本に考えがあったとしても。沈み方が史実通りであったとしても。アニメ「艦これ」は提督(=プレイヤー)が指揮を執る鎮守府とは別世界であるとしても。それでもやはり多くの提督にとって「轟沈」を見るのは辛いものです。アニメではわずか数分登場しただけの如月も、(放置している方を除いて)提督にとっては長い時間苦楽を共にしてきた大切な鎮守府のメンバーなのですから。まして如月をレベル99にしてシステム的な嫁艦「ケッコンカッコカリ」の相手とした提督の受けたショックに至っては、想像だに恐ろしいものがあります。僕ももし今回沈んだのが嫁艦の時雨ちゃんだったら、きっと1日何もできません。
アニメだから越えられた一線の先に何があるのか、1人の提督としてはもがきたくなるほどに苦しい思いになる3話でした。

なお、アニメでは如月はあくまで睦月の友人でしたが、ゲームでは提督にダイレクトに好意を表現する通称「提督LOVE勢」の1人としても知られています。先述したように史実では太平洋戦争の始まりから3日で沈んだためにエピソードが少なく、その印象の薄さを補うためにそんな振る舞いに出ている……のかどうかは、これから提督になる方は、どうぞ自分の目で見て決めてください。そして、彼女の最後の言葉をもう1度聞くことがないことを願います。
ゲームでは「大破状態(HP25%以下)で進軍」さえしなければ、紙装甲な駆逐艦を含めどの艦娘もけして沈むことはありません。アニメの提督の過ちは、あなたが注意を失うことさえなければ防ぐことができます。操作ミスで伊19を沈めてしまった経験のある僕が言うのもちゃんちゃらおかしい話ですが……
さて、今回も余話としてアニメに登場したもののゲーム的解説を。

<1.川内と神通が腕から飛ばした「零式水偵」とは?>
正式名称は「零式水上偵察機」。名前の通り偵察を目的とした水上機で、この「水上機」とはフロート(翼の下の「足」)などによって水上へ浮くことができる飛行機を指します。軽巡である川内達は赤城のような高い攻撃力を持つ飛行機を装備することはできませんが、この水偵によって偵察を行い、命中や回避の上昇に寄与することができます。水上機を用いて特定条件下で2回攻撃などを行う「弾着観測射撃」というシステムが実装されたことなどにより、ゲーム内でも非常に有効な装備です。


<2.敵の艦載機を一蹴した「三式弾」とは?>
多数の小型の弾丸を収納した「榴散弾」と呼ばれる砲弾の一種です。空中で炸裂し広範囲に弾を広げることで対空兵装として利用されます。また地上施設攻撃への有効性が認められた史実から「特定の敵」に対して高い攻撃力を発揮する仕様となっており、どちらかというとイベントで出番のある装備となっています。
関連:
艦隊これくしょん -艦これ- 感想リスト
艦隊これくしょん -艦これ- 第1話「初めまして!司令官!」
艦隊これくしょん -艦これ- 第2話「悖らず、恥じず、憾まず!」

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