上手じゃなくて、好きなの/響け!ユーフォニアム11話感想
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先週の更新つぶやきに使った画像ですが、言った言葉まで分かるともう1度使わざるをえない。
響け!ユーフォニアム 第11話「おかえりオーディション」
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会


ホール練習の日、即ち再オーディションの日が近付く。しかし実際のところ、麗奈と香織の実力の差は歴然としており……駆け巡る思いと、向き合う強さ厳しさの第11話。
「音楽というのはいいですね。嘘をつけない。いい音はいいと言わざるをえない」……前回の松本先生の言葉が想像より遥かに複雑なものをさしていて愕然。嘘をつけない、いい音はいいと言わざるをえない。その上で「どちらが上手いと感じたかという心」と「ソロパートに相応しい人を選ぶ行動」の差異に対して「どうするの?」というのが今回の話。どちらに入れるか決められない人がいて、どちらにも入れないと決める人がいて、敗者に花を贈る人もいて。そして差異を最大限に重視する人がいて、逆に最小限に見る人もいる。この表情豊かなくせに静かな「拍手数:2対2」という拮抗に対して結論を出すのは、何よりも演奏した当人の「どうするの?」。それを問われた香織は、差異を最小限に見る。だって彼女は、トランペットが好きなのだから。
恐ろしく残酷で、それでいてどうしようもなく当人も周囲も納得させる結末。単純に部員全員が同じ答えを見出すのではなく、各人が各人のまま「納得」に至るというのが生々しさとドラマ性を両立させていた回でした。かつての目標決定多数決の際にどちらにも挙手できなかったことが、今回の久美子の行動を対比として鮮烈に描き出していたのも印象的。ただ、コンクールが近い時期にこの葛藤にここまで悩まされる部が全国に行けるのかなという気はしないではないかな(これまでの流れから不自然な心理とは思わないけど)。

今回は久美子と麗奈の語らいにおいて、導入や象徴的な言葉のシーンにだけ光の反射が嵌めこまれていたのがシーンをある種幻想的に仕上げていて強く記憶に残りました。瞳の輝きの描き方が印象的とされる本作ですが、同じように小さなこの輝きは並行して画面を盛り立ててくれますね。他にも優子と香織の会話では香織の方が「大丈夫」と言い、逆に久美子と麗奈の会話では麗奈が「大丈夫?」と問いかけられる部分など、台詞回しも細かく気を使われていた印象。
関連:
響け!ユーフォニアム 感想リスト
響け!ユーフォニアム 第1話「ようこそハイスクール」
響け!ユーフォニアム 第2話「よろしくユーフォニアム」
響け!ユーフォニアム 第3話「はじめてアンサンブル」
響け!ユーフォニアム 第4話「うたうよソルフェージュ」
響け!ユーフォニアム 第5話「ただいまフェスティバル」
響け!ユーフォニアム 第6話「きらきらチューバ」
響け!ユーフォニアム 第7話「なきむしサクソフォン」
響け!ユーフォニアム 第8話「おまつりトライアングル」
響け!ユーフォニアム 第9話「おねがいオーディション」
響け!ユーフォニアム 第10話「まっすぐトランペット」

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