漫画感想「モンテ・クリスト」4巻 



<漫画感想「モンテ・クリスト」4巻>
モンテ・クリスト 4 (ヤングジャンプコミックス)
 「アレクサンドル・デュマ」の「モンテ・クリスト伯」を原作としたコミック、熊谷カズヒロの「モンテ・クリスト」 4巻を読了。復讐劇の顛末でありそれは果たされるのですが、終わり方は爽快ではなくそれでいて暗くもなく、切ないのにほんのりと温かい。前巻(正確には決着が着くのはこの4巻だけど)の敵であるヴィルフォール編が劇場的な要素に富んでいたために1,2巻で積み上げられていた要素が頭からすっ飛んでしまっていたのですが、最初から読み返してみるとこのフェルナン編は見事にこれまでの伏線が見事に回収されているのですねえ。自動オルガンだの「アルベール」を構成する複雑怪奇な機械のパーツだの。
 エロスという「汚らわしい」行為を介さず人間を作る、という永劫協会の趣旨を利用してフェルナンが作り出したのが、エドモン・ダンテス(モンテ・クリスト)から寝取ったメルセデスとの間に生まれそして死んでしまった息子アルベールの代わり……という点に切なさがありながら、それでいてやっぱりどうしようもないゲスには変わりない。それを表現するにあたって、瓦礫に埋もれて死にかけでモンテ・クリストと語る彼が永劫協会の覆面を被っているというのがとても面白いです。本来フェルナンは既に老いさらばえた姿になっているのですが、これによってその変化は隠され、かつてと変わらない悪態をつく姿は同時に描かれる回想とあいまってまるでかつてエドモンを陥れた時と何も変わっていないようにすら思える。いや、おそらく本性は変わっていないのです。
 複雑なテーマとエロティックな描写が必然として絡みあう作劇は熊谷カズヒロの特徴ですが、諸々の事情あってきちんと終われないばかりだったのが今回、美しい結末に辿り着いたのは素直に嬉しい。いや、打ち切りなのかもしれないけど物語はきっちりまとまっている。お疲れ様でした。次の作品を読める機会があることを願っています。

<参考>
熊谷カズヒロ『モンテ・クリスト』第4巻 待ち、しかし希望した末にあったもの主水血笑録

関連:
漫画感想(「モンテ・クリスト」1巻)
漫画感想(「モンテ・クリスト」2巻)
漫画感想(「モンテ・クリスト」3巻)
漫画感想(「モンテ・クリスト」4巻(完))


にほんブログ村 アニメブログ アニメ感想へ
にほんブログ村
  このエントリーをはてなブックマークに追加

Posted on 2015/11/04 Wed. 22:09 [edit]

CM: 0
TB: 0

top △

« ハグしてあげなさい/アクエリオンロゴス19話感想  |  怒られちゃうかな/コメット・ルシファー5話感想 »

コメント

top △

コメントの投稿

Secret

top △

トラックバック

トラックバックURL
→http://craft89.blog105.fc2.com/tb.php/1546-c9382c82
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

top △

2017-08