映画感想「ガールズ&パンツァー 劇場版」

「ガールズ&パンツァー 劇場版」をTOHOシネマズ海老名で視聴。公開から4週目にしてようやくの視聴( ´Д`)=3 仕事と2週間限定公開のたまゆらと艦これ秋イベと仕事が立て込むんだもの……諸々が済んでついに見に行くことができました。と言ってもTOHOシネマズ海老名は既に1日の上映回数は1回となっており、、そのくせ今週は特典でフィルムが配布されるということであっさり満席。木曜の内に予約しておかなければ見られないところだった……パンフが残っているか心配だったのですが無事確保。良かった良かった。
<映画感想 「ガールズ&パンツァー 劇場版」>
・カロリーたっぷり、視聴に消費するエネルギーもたっぷりの構成
視聴してみての感想は「楽しいけどすごく疲れる映画」だなということ。なにせTV版のあらすじを3分でやったらいきなり大洗と聖グロリアーナのエキシビジョンマッチが始まってるんだもの。しかも初登場の知波単学園が参加してるわ既存の学園にも見覚えのないキャラがいるわ。まるでコース料理のレストランで水飲んだらいきなりステーキを口に突っ込まれたような感覚に襲われました。更にエキシビジョンマッチ後は廃校決定、学園艦からの退艦という怒涛の展開、そしてその後はがっつり大洗と大学選抜の戦車戦。120分という長い時間の中で「静」の時間がほとんどありません。肉、肉、肉!更に肉!みたいなハイカロリーぶり。
でも、メインの「大洗+高校オールスターズvs大学選抜チーム」という大バトルを中心にすると、こうでもしなければ前半の構成は収まらないのですね。先述したように知波単学園(や継続高校)のような大洗との対戦経験のないチームを紹介し、スピード狂のローズヒップやロシア語で喋るクラーラといった新キャラを既存の学園に組み込み、特典OVAで出ていたらしいキャラを再登場させ、オールスターズではなく大洗の8チームだけの戦闘(正確には知波単学園という添え物はあるが)を描き、そしてみほ達の日常を廃校が決まってからの部分で描く、という。他にも大学選抜チームの存在感を極力名のあるキャラではなく戦車で出す、勝負の後の様子もEDに収めるなどして、120分の映画が破綻しないギリギリの範囲でストーリーが詰め込まれています。どれだけ戦車戦に入れ込んでるのよ、いやそれが正しいんだけどw
・ドラマを補填するための新味方キャラ
また、面白いのは新キャラの重み付けの仕方。戦車戦については30輌vs30輌という大所帯を描くだけでも大変なところで、それを捌くのに先述したように大学選抜チームをキャラよりも戦車の性能で個性付けるという手法が効果を発揮しているわけですが、これはTV版でも使われていたものでもあります。プラウダ校の「街道上の怪物」KV-2や、黒森峰のマウスなど。TV版では参加車輌が少ない故に「戦車だけ」を出しても各校の主要キャラでその学校の「顔」はカバーできていたわけですが、30輌ともなるとさすがに主要キャラ、今回で言えば愛里寿達だけではチームの個性を埋め切ることはできない。今回の大学選抜チームの場合、どこかの国を誇張したような属性を持っていないから尚更です。
で、それがどこで補填されているか……と言えば、それは大学選抜チームではなく、むしろ彼らの外側で行われています。そう、今回新登場(正式登場)した継続学園と知波単学園ですね。前者はフィンランド、後者は日本をそれぞれムーミン&突撃精神という形で誇張しており、大混戦の中で彼女たちが動くことで「知った顔vs顔のない相手」ではなく「初めて知る顔vs顔のない相手」というシーンが生み出され、劇中の戦闘からキャラクター的な新鮮味を失わせずにいてくれているのです。加えて、2校の個性付けがTV版に出なかったのを不思議に思わせないものなのが秀逸。カンテレやミカの不思議な語り、履帯なしのドラテクといった活躍で強烈な印象を残す継続高校はあくまで「単騎の強さ」しか描かれていないので、集団では敵わなかったのかも……と思わせてくれるし、逆に数のある知波単学園は無駄な突撃精神で足を引っ張ることで弱さは納得ずくで(そういや乗っているチハタンの時点で無理ゲーだのなんだのTV版で言われてたっけなあ)、継続高校とは逆に成長することで魅力を感じさせてくれる。大洗と直接戦った面々に比べれば存在感の小さい彼女たちですが、ドラマを見せるにあたって寄与するところはとても大きかったように思います。
・アンツィオの活躍を見よ
さて、最初のエキシビジョンマッチで大洗を活躍させた分、メインの大学選抜チーム戦では加勢に駆けつけた強敵(とも)達の活躍が諸所で見られるわけですが、個人的には嬉しかったのはアンツィオ高校が参加してしかもちゃんと活躍してくれたこと。見落としかもしれませんが、応援を呼びかけるシーンでは彼女たちの姿は描かれていないように受け取れたので「せっかくOVAで目立てたのにここで外されちゃうのか!?」と大いに焦ってしまい、彼女たちが姿を見せた時は安堵することしきりでした。またCV33に強引に3人乗っているという状況がいいんですよねー。アンチョビ、カルパッチョ、ペパロニの掛け合いがタイムラグなしで楽しめるし、2回戦の虎の子だったP40ではなく目に見えて火力が低くてはしっこいCV33に乗っていることで偵察役にGPS役、スピーディーでコミカルなアクションと他校の戦車ではできない活躍を獲得しています。完全に中略されてしまったTV版の扱いから、よくここまで出世できたものだ。アンチョビかわいいよアンチョビ。ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!(∩´∀`)∩
120分の中にぎゅう詰めにされた戦車戦、これまでにない規模ということもあり理解が追いつかなかったのも正直なところですが、個々の活躍シーンだけでも十分に楽しめるものでした。戦車に造詣の深い方、何度も見に行く方ならなおさら面白く感じられる作品であると思います。ガルパンならではの集大成と言えるでしょう。
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