fc2ブログ
Welcome to my blog

Wisp-Blogは移転しました

ARTICLE PAGE

俺の家族は/機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ12話感想


 進んだから届かない、手。



機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第12話「暗礁」
©創通・サンライズ・MBS
151220_14.jpg
151220_15.jpg
151220_16.jpg
 ブルワーズの待ち伏せを予想し、暗礁宙域で策を仕掛けることにした鉄華団とタービンズ。果たして、昭弘は弟の昌弘を救うことができるのか。
 デブリの海で散る命、第12話。予告で副題を見た際は展開の方向性を示すものなのかな、と思ったのだけど、実際は暗礁はデブリであり、デブリとはすなわちヒューマン・デブリであるというネーミングでした。褒め言葉だが、酷いな。テーマと舞台が絡み、そして昌弘の言葉をバックにブルワーズのヒューマン・デブリは命を落としていき、鉄華団のようにその死を顧みられることも無い(クダル曰く「どいつもこいつも使えねぇ!」)。
 こうした鉄華団とブルワーズの境遇の違いは戦闘に入る前から描かれており、視聴者にイメージの断片を植え付けていっています。鉄華団はCGS時代の食事だって一応は汁椀の体裁を持っていたのが、ブルワーズの食事はカロリーメイト的な栄養調整食品。今回の三日月に至っては出撃前に手作り弁当を渡してもらえる。昌弘は今度の出撃でヘマしたら仲間ごと宇宙に放り出すと脅しつけられ、死どころか死の先にまで希望を見出せないほど服従させられている。一方の三日月はクーデリアに教わった文字の練習を出撃中にもこなし、未来へと向かっている。もちろんそれは三日月達が勝ち取ったものなのだけど、「いい目」なのは間違いない。昭弘はヒューマン・デブリである自己から脱却しようとしているが故に、それを受け入れてしまっている昌弘の心に寄り添うことが出来ない。でもその一方で、昌弘は肉親の情というどうしようもなく「人間的な感情」で昭弘を助けずにはおられない。そして更に一方で、その死に様は「どうせすぐ分かるんだ、ヒューマン・デブリがどうやって死んでいくか」という直前の言葉を裏打ちするものにもなっている。この様々な感情が混淆しているであろう「助ける」という行為がなんとも暗く悲しい。
 今回の戦闘はラストの引きも含めて「快」の少ないものであったように感じますが、事実それでいいのだと思います。オルガ達の作戦を事前に説明し筋書き通り成功させるのも、逆転のカタルシスを視聴者に味わわせないためなのではないかしらん。

関連:
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 感想リスト

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第1話「鉄と血と」
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ第2話「バルバトス」
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ第3話「散華」
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ第4話「命の値段」
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ第5話「赤い空の向こう」
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ第6話「彼等について」
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ第7話「いさなとり」
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ第8話「寄り添うかたち」
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ第9話「盃」
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ第10話「明日からの手紙」
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ第11話「ヒューマン・デブリ」


にほんブログ村 アニメブログ アニメ感想へ
にほんブログ村

【言及】
http://animegane1216.blog.fc2.com/blog-entry-3403.html
http://blog.livedoor.jp/rx_78g/archives/52142299.html
http://takotakotakoyaki.blog52.fc2.com/blog-entry-5581.html
http://nextsociety.blog102.fc2.com/blog-entry-2460.html
http://magi111p04.blog59.fc2.com/blog-entry-2452.html
http://izan499.blog.fc2.com/blog-entry-1348.html
http://grhm2307.blog.fc2.com/blog-entry-190.html
http://nijiirosekai.blog55.fc2.com/blog-entry-5397.html
http://luvnail.blog46.fc2.com/blog-entry-4191.html
このエントリーをはてなブックマークに追加

2 Comments

ロゴ  

昭弘「昌弘を鉄華団に連れて行けば万事めでたし。
そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。」の第12話。
昭弘がぶん殴られるOPもあと1回ですかね。

「組織がでかくなりゃあな。目が届かないところも出てくるさ。」
具体的にはフm…おや(パーンパーンパーン
いい意味で期待を裏切ってもらいたいものですが、最悪の場面で事実が明かされるんだろうなぁ。

「艦内の重力を作っているのもエイハブリアクターですよ。」
なに、この超テクノロジー。
25世紀すげえ!(作品が違う
そりゃ高値が付きますわな。

「目閉じとくから優しくするんだよ。」
その隠された意味をオルガはきっと気付いてない!

「迎えに来たぞ!」
その言葉の前後でプチプチ潰されていく昌弘の仲間達。
グレイズに乗っているのが誰なのか分かっていても、長い間生死を共にした仲間を殺した奴の一味だと分かっているせいか、昭弘の必死の説得も空回りして結局昌弘の心は変わらない。
言葉による説得で彼の心を変えるにはあまりにも時間が経ちすぎ、そして(そうする他なかったとは言え)初手から歯車がずれるを通り越して完全にぶっ壊れてしまっている。
ここまで「家族」という集団の心地よさを描いておきながら、その心地よさが逆に徒になろうとは、予定調和としてもあまりにも悲しい。
予告の名瀬の「個人の情は仕事に持ち込んじゃならねえ。」というのはなんという皮肉か。

2015/12/20 (Sun) 22:08 | EDIT | REPLY |   

闇鍋はにわ  

>ロゴさん

>昭弘がぶん殴られるOPもあと1回ですかね。
 そういえば2クール目に入りますから曲の変更どきですね。どっちもかなり作品にハマっているのでそれを超えてくれるか。

>いい意味で期待を裏切ってもらいたいものですが、最悪の場面で事実が明かされるんだろうなぁ。
 フミタンの動向は確実にクーデリアの心を折ってくるでしょうが、一体どんなタイミングで((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

>25世紀すげえ!(作品が違う
 ミノ粉やGN粒子の先例があるので、ガンダムは万能エネルギーを意外と受け入れやすいですねw
火星のテラフォーミングが成功しているくらいですから、25世紀でもおかしくないかもしれません。

>その隠された意味をオルガはきっと気付いてない!
 アミダさんいちいち色っぽい。そしてこの時舵をとっているのはユージンだから悶々とするのもきっと彼w

>ここまで「家族」という集団の心地よさを描いておきながら、その心地よさが逆に徒になろうとは、予定調和としてもあまりにも悲しい。
 スパロボでの救済展開を想像しにくい回でしたねー……
 鉄華団の最初の蹉跌を内側の大切な誰かではなく外側の鏡であるブルワーズで、そしてそれを昭弘と昌弘の兄弟で繋いで描くというのがなんともえげつない。強烈なカウンターをくらった気分になる回でした。

2015/12/21 (Mon) 22:00 | EDIT | REPLY |   

Leave a comment

8 Trackbacks

Click to send a trackback(FC2 User)
この記事へのトラックバック
この記事へのトラックバック
  •  機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ・第12話
  • 「暗礁」 海賊・ブルワーズからの宣戦布告に応じることにした鉄華団。しかし、いくら哨戒をかけても、ブルワーズの母船は見つけられない。どこかで情報が漏れている、という疑惑を抱えたまま航路を進むのだが…… 情報がどこで漏れているのかわからない。 その中で、待ち受けている可能性が高いのは、デブリが集中した暗礁地帯。勿論、待ち受けていない可能性もある。 そこで、鉄華団が取ったのは、三日...
  • 2015.12.20 (Sun) 20:55 | 新・たこの感想文
この記事へのトラックバック
この記事へのトラックバック
  •  機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ #12「暗礁」
  • 機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズの第12話を見ました。 #12 暗礁 「ブルワーズの船はまだ見つからねえのか?」 「うちで一番足の長い百里で何度も哨戒してるけど、影も形も見えないね」 「一方的に捕捉されているってことですか?」 ブルワーズのMSパイロットの中に昭弘の生き別れの弟・昌弘がいることを知った三日月とオルガは 昌弘を取り戻すべく、ブルワーズに立ち向かう...
  • 2015.12.20 (Sun) 21:00 | MAGI☆の日記
この記事へのトラックバック
  •  機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第12話「暗礁」
  • ダメだった。あの様子だと昭弘を押さなくても昌弘は昭弘ごと潰されて死んでた。オカマはそのつもりだったし、どう転んでも昌弘は死ぬようにできていた。本作は鉄華団サイド以外のキャラに本当に容赦ない。まあ、他の子供達がガンガン死んでるのに昌宏だけ助かったなどと生温い事やったら視聴切りしてたけど。 けど、昌弘が何で昭弘を助けたのかは正直分からないな。やはり家族だからか、過去に自分を助けず笑ってた昭...
  • 2015.12.20 (Sun) 21:28 | 悠遊自適
この記事へのトラックバック
  •  機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ 第12話 『暗礁』感想
  • 機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 1 (特装限定版) [Blu-ray]posted with amazlet at 15.11.15バンダイビジュアル (2015-12-24)売り上げランキング: 85Amazon.co.jpで詳細を見る  (ノД`)・゜・。(ノД`)・゜・。(ノД`)・゜・。  もう今週は、これ(↑)に尽きる、ただそれだけです(涙)  それに伴い鉄血の...
  • 2015.12.21 (Mon) 18:59 | 新・00をひとりごつ
この記事へのトラックバック
  •  機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第12話
  • 機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第12話 『暗礁』 ≪あらすじ≫ ブルワーズのMSパイロットの中に生き別れた昭弘の弟がいることを知った三日月とオルガ。昭弘の弟を取り戻すべく、鉄華団はブルワーズに挑む。 (公式HP あらすじ より抜粋) ≪感想≫ 今まで上手いこと事が運んできた鉄華団。その彼らを一つの舟とするならば、この回は正しく「暗礁(に乗り上げた)」と言っても...
  • 2015.12.21 (Mon) 21:12 | 刹那的虹色世界
この記事へのトラックバック