見込み違いだったようね/無彩限のファントム・ワールド2話感想

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無彩限のファントム・ワールド 第2話「迷惑UFOをやっつけろ!」
©秦野宗一郎・京都アニメーション/無彩限の製作委員会



　玲奈を加えパワーアップしたチームEだが、彼女に異能の役割の片方を譲ることになった晴彦は別の方法で役に立たねばと考えていた。そんな折、姫野先生から転校生の水無瀬小糸への加勢の依頼があり……
　ロボットもUFOもファントム、第2話。先週に引き続き、ストーリー作りが常道から外れていて独特。今回の要素としては

・先週はすれ違うに留まった水無瀬小糸の本格登場
・晴彦の使い魔であるマルコシアスの初登場

　の2点が挙げられ、それぞれがABパートに分かれることであたかも2回分の話を1回に収めたような構成になっているのですが、これ別個にしなくても話は作れる筈なのですよね。ファントム対策局なる組織の候補生という有能な小糸と、最低の成績を誇るチームEで更に下っ端状態の晴彦（の操るペットレベルの使い魔のマルコシアス）はとても対照的で、本来ならドラマを用意するのにうってつけの関係です。ハーレムものなら意地を見せる晴彦に小糸がチョロイン化する展開まである。でもこの2話と言えばそうした要素は全く見られない。
　小糸は最初から最後まで晴彦にノーコメントだし、晴彦は意地を見せる場面でマルコシアスを出してしまって汚名返上できないし、マルコシアスはあくまでペット然として振る舞うし、そして先述したように水無瀬小糸の話とマルコシアスの話は相手が別のファントムで話が分断されてしまっておりさっぱり絡まない。Bパート終盤で忘れた頃に描かれる小糸の再登場も、心配でやってきたにしては誰もその可能性を考慮することもしない。この「ドラマを作ろうとして失敗している」というより「最初からドラマを作っていない」ようにすら見える展開は何を意図しているんだろう……

　一方で妙なところで上手さはあって、歌声ファントムと戦う小糸のいわゆる「詠唱」はぶっちゃけクドいのだけど、そのくどさは否応なしに「詠唱」、即ちパロールを視聴者に意識させるのでその後の説明にスムーズに繋がっています。また盗撮ファントムがUFOの形をしているのはマルコシアスが「フリスビーみたいに」くわえるのに非常に適している。でもなんでUFOのファントムが盗撮するんだよわけが分からないよ。

　というわけで困惑深まる第2話でした。しかしせっかくの本格登場なのだから、小糸は舞とは違ったフェチポイントを披露するべきだったと思うの。どう見ても希少価値だろ！ステータスだろ！

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