私の部屋!/ディメンションW3話感想
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むう、うっかりGoogle playストアのアプリ更新で今月の制限パケットに引っかかってしまったぞ……128kbpsだとダイヤルアップ接続時代を思い出す遅さだけど、それでもISDNの2倍なんだよなこの速度って。
ディメンションW 第3話「ナンバーズを追え」
©岩原裕二/スクウェアエニックス・DW製作委員会.



初仕事を終え報酬を手にしたミラは、キョーマの下で生活の基盤を整えることにする。そんな折、敷地内にいつものように子供達が忍び込んで来て……?
ミラの手にした日常、第3話。今回は原作約140ページ分話が進んでいますが、肉抜き穴を開けるようにして30分に概ね原作通りの展開を納めていた1,2話とは異なり、構成要素を半分だけ拾って別種の話に作り変えています。原作のこの話は子供を評価するスコアという設定やそれが生み出す闇を根っこに置いた上で事件(車の崩落)を発生させ、ミステリーやカーチェイスといった要素も加えたてんこ盛りの内容だったのですが、うん、さすがに30分でこの世界の管理社会がどうのトリックがどうの犯人の動機がどうのまで詰め込むのは無茶が過ぎる……!
というわけで今回はミラがキョーマにバトンタッチして日常を取り戻す話から、新たな日常に重点を置いたミラの物語に生まれ変わっているのですが、それにあたって必要になるのはやはりミラのかわいさ。シオラにキョーマとの仲をからかわれた際の反応など、アンドロイドとしての個性を保ちつつ様々な所作が彼女の魅力を伝えてくれます。特に見ているこちらがニマニマしてしまうのはトレーラーハウスの中を嬉しそうに触ったりゴロゴロしたりする様子。初めて部屋をもらった子供のようというか進学して1人暮らしの準備を始める子供のようというか……原作で中を知らずにドアを開けて何にもなさにびっくりしていた姿もコミカルでしたが、意図されたであろう通りかわいさという意味ではアニメが断然勝っている。
ではもう片方の主役であるキョーマは今回は単に出番を削られただけなのか……と言えばそんなこともなく、その出番の削り具合でミラのかわいさの援護射撃を行っています。原作ではミラと言い合ったり子供達に怒鳴ったり(それも彼の優しさゆえではあるが)、この物語ではコミカルな顔を見せることも多かったのですが、アニメではそうした面は見せずにぶっきらぼうなまま。ナンバーズに関する調べ物やクレア・スカイハートとの会話など、原作から逸脱しない形で彼が話の根幹部分のシリアスパートを担当する事で、ミラは今回存分にその柔らかな魅力を発揮できているわけです。もちろん、ミラの話を聞いて黙って道を変えてトレーラーハウスを買いに行ったり、子供達の所に行くのを戸惑ってしまうミラの背中を押す……もとい尻を蹴っ飛ばしたりとぶっきらぼうさの生きる形で優しさも描かれているので、キョーマとミラの描写が断絶しているわけでもない。というか原作ではミラは自分で会いに行っていたので、後押しする役割をもらえたのはさりげに美味しい。
また、セントラル47のCOO(最高執行責任者)であるクレア・スカイハートは本来は士堂博士の一件の直後に姿を見せていたのが今回遅ればせながらの登場となったわけですが、その見せ方も遅れたなりに秀逸。原作ではアルベルトとの会話こそが初登場時のシーンであり、それとは別に描かれた今回の「事件」への対応で凄みを見せる……といった内容だったのですが、アニメではシオラ関連で私人としての一面を先に見せ、その後のアルベルトとの会話では公人にシフトさせることで落差を作り、凄みは見せずとも深みを感じさせるようになっています。士堂博士の一件のおさらいや今後の展開への布石も含めているし、この辺りは再構成の仕方がうまいなあ。


強いて難点を挙げれば、士堂博士のところで「二重コイル」をあまり描かなかったことで会話に出されてもちょっとだけ思い至り難いことでしょうか。博士が暴走させた(?)コイルは通常コイルや不正コイルと異なりリングが二重になっており、だからこそ二重コイルの呼称が付けられているのです。
そんなわけで、コンセプトのある物語の作り方が印象的な第3話でした。さて、次回はSFホラー&ミステリー。そして今回のような手法が使える話でも分量でもない。いったいどんな内容になっているのか、次回が楽しみです。
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