記憶の中に/ディメンションW4話感想
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遅れましたが4話感想の更新です。今回の脚本、原作をいったいどれだけ読み返したんだろう……?
ディメンションW 第4話「八十神湖に潜む謎」
©岩原裕二/スクウェアエニックス・DW製作委員会.



信州八十神湖で起きた殺人事件の調査を行うことになったキョーマ。その不自然な手口から、事件には「ナンバーズ」が絡んでいる可能性が大きく……
SF科学ホラー開幕、第4話。今回は単行本3巻まるまる一冊+αが消化されているのですが、いやすごいなこれ! 徹底的にこの八十神編の要素を分解し、カットに飽きたらず時系列を前後させたり結合させることで30分にまとめ直しています。原作を片手に比較するとあっちを読みこっちを読み……と単行本内を行ったり来たりすることになるため、かえって話がよく分からなくなってしまうほど。この再構成を詳説するのは正直\(^o^)/オテアゲ!
単行本1巻を30分にまとめてしまうだけでも驚きなのですが、更に素晴らしいのはこれが「30分アニメとしてより魅せる内容」になっていること。原作では榊四十郎の書斎近辺の間取りや犯行時の状況を確認したり、禿山がもっと早期に第2の犠牲者になったり、それで再度警察が来たり……と推理小説的な話の広げ方をしています。単行本1冊使っているので、ミステリーとしての雰囲気を時間をかけて作っているのですね。丁寧な一方、ジャンルが変わるので面白さにたどり着くには時間がかかるあり方です。
一方でアニメはナンバーズを早々に八十神編の舞台に上げ、また乱暴な遊びとも言えるアルベルトとのアクションをきちんと描くことによってキョーマが主役の物語であることを動かさずにいる。これは逆に3話までとの連続性を保った物語のあり方で、視聴者が安心して見ることのできる作りになっているのです。終盤に怪しい3人組とのやり合いを盛り込んでいるのも本作のジャンル性を一貫させ、かつ絵的に分かりやすい「話の動き」を出したものだと言えます。
またもう1人の主役であるミラも、「人間に限りなく近いロボット」であるが故にお化けを怖がったり、非常に具体的なイメージとして小説を取り込んだり、それ故に「21年前」とリンクしたり……と個性を発揮するし、お色気サービスも欠かさない。原作のさりげないポーズをこんなに扇情的に(キャプ画2枚目)取り上げるとは思わなんだw
1話で終わらない構成で風呂敷を広げながら、これまでの3話で視聴者を魅せたどの要素も取りこぼしていない。それがこの4話の30分としての完成度を非常に高いものにしているのです。
ちなみにキョーマとアルベルトの格闘シーン、本を読みふけるキョーマ、ミラとの寝床の話といった要素は単に話の進行に欠かせない要素というだけでなく、同時にキョーマ達の宿泊する部屋を長く視聴者の目に留めることにもなっています。この事がミラに「部屋も違う」と語らせる時に視聴者の感覚を追随させてくれるのですね。見た人は最低でも「あれ?ソファと椅子の色が違う?」くらいの違和感はミラと一緒に感じることができたかと思います。
そんなわけで、前編にして静にあらず、再構成にして改変にあらずと唸らされることしきりの第4話でした。次回が楽しみです。
関連:
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ディメンションW 第2話「ルーザー」
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