その呼び方やめて/無彩限のファントム・ワールド5話感想
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彼女にとっての親しきものとは。
無彩限のファントム・ワールド 第5話「得意能力が使えない!」
©秦野宗一郎・京都アニメーション/無彩限の製作委員会



チームに加わることなく1人戦い続ける少女・水無瀬小糸。姫野は彼女に、学校の飼育小屋を襲うファントムの退治を依頼するのだが……
意地と錯誤の第5話。これまで触りの登場に留まっていた小糸を主役とした回ですが、今回は陰に日向に「友達」というキーワードを埋め込んでいるのが特徴的。小糸は特異能力に目覚めたことで小学校の友人や家庭を失ったわけですが、そんな彼女にとっての支え、即ち「友達」が何だったのかはズバリ、冒頭の解説でルルが語っています。「歌は人間の友達なんだね」――そう、信頼できる人間を失った彼女にとっての代替品は正に歌声の特異能力だったのでした。
その点を考えれば、この5話で彼女が歌声を失ったのは当然の展開だと言えます。「友達」である歌声があれば水無瀬小糸という存在はそれで成立し、他の人が入り込む余地はないわけですから。実際、彼女が歌声を失った間は必ず晴彦が行動を共にし、次第に回復していった歌声を披露する際はいつも晴彦ははぐれたり遠ざけられたりしている。晴彦とのファントム探しは彼女の空虚を補填する時間であり、言わば久しぶりの「友達との帰り道」。
晴彦に「小糸さん」と呼ばれることでそれに気付いた彼女は歌声だけを友達とした自分に戻ろうとするけれど、今度は晴彦どころか舞達にまで助けられてしまう。おまけに、今回のファントムがかつて自分が封印したそれだという認識は勘違いで、実際は小糸が意固地になる必要なんてなかった。まるで、自分が心を閉ざした壁ですらファントム=幻影であったかのように。
実際、ファントム退治のクラブがなかった小学校の時と異なり、ホセア学院では特異能力の持ち主はけして珍しいものではありません。チームEだけでなく、小学生の久瑠美ですら特異能力を持っています(だから今回のファントムとの決着は全員が特異能力を披露する)。序盤で彼女が語った「自分が異質である」という自覚。今回はその幻影をぶちk……もとい打ち払うのがテーマの回だったように思います。人から歌に変わってしまった友達は、それによって再び人へと戻るのです。
そんなわけで噛みしめてみると味の出る5話だったと思うのですが、うーん、深層にたどり着くのがやっかいな作品だな……
関連:
無彩限のファントム・ワールド 感想リスト
無彩限のファントム・ワールド 第1話「ファントムの時代」
無彩限のファントム・ワールド 第2話「迷惑UFOをやっつけろ!」
無彩限のファントム・ワールド 第3話「記憶コピペ作戦」
無彩限のファントム・ワールド 第4話「模造家族」

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