はい、博士!/アクティヴレイド6話感想
- CATEGORY: Wisp-Blog
- TAG: アニメ_2016年冬アニメ

老兵は去る。
アクティヴレイド -機動強襲室第八係- 第6話「夢は、彼方の黄昏」
©創通・フィールズ・フライングドッグ/ACTIVERAID PARTNERS



休日に船坂に遭遇した花咲里は、彼に連れられとある所に。そこに現れたのはなんと巨大ロボットで……?
かつて憧れた未来への挽歌、第6話。ロボットアニメというジャンルをコミカルに、それでいて冷笑することなく哀愁をもって見送る物語が印象的。
まずもって、おっさん達がプール(?)を囲んで座っているという状況から始まるのが酷い(褒め言葉)。 競艇場かな?と思ってしまったのですが、多分それ自体が罠なんですよね。(マジンガーZの)パロディですよ、というある種の言い訳を船坂がしても、競艇という錯覚は中高年向けのイメージを拭ってくれない。もうアバンだけで視聴者は「ファンの高齢化」というロボットアニメの抱える悩みを連想せずにはいられないわけです。
この現実的な目線はドリュー号とモーガン号の描写にも現れていて、2機のバトルはEDクレジットいわく「船坂主観作画」によって正にフルアクションで手描きされるわけですが、激突する直前の描写で分かるように実際のこの2機は肘関節は曲がらないし足はキャタピラ式です。まるで子供の頃に買ってもらった戦隊物のロボットのようだ( ;∀;) 曲がりなりにも重機に区分されるなら肘関節くらいはあるのでは……とも思うのですが、あまり滑らかに動いてしまうと画面に「ロボットアニメ的説得力」が生まれてしまって逆に作品と合わなくなってしまうのですね。燃費悪かろうがこれだけできるなら作品世界で通用するんじゃね?という。ウィルウェアとの対決は特殊装備でかわし、直接的な攻撃は妄想で脚色したロボットバトルまで温存していたのは上手いやり方だったと思います。
一方で優しいのは、今回船坂の相方を務めたのが花咲里だったこと。船坂と同じ男性である黒騎達だと、ロボットとの距離感の取り方が難しいのです。巨大ロボットが現実に存在しつつも懐古対象となったこの世界で、彼らがロボットに入れ込んでいたりするとウィルウェアが活躍するこの作品にそぐわなくなってしまうし、かといってバカにする風だとロボットアニメ好きの視聴者からひんしゅくを買ってしまうわけで。
けれど、一般にロボットアニメからは縁遠い(プリキュアの1番のターゲットが女児なのと同じように受け取っていただけると助かる)女性である花咲里ならばロボットに興味を示さなくとも違和感はないし、加えて彼女はジェネレーションギャップで「巨大ロボットが好きなこと」に子供っぽさすら感じない。彼女は現実に近いようでいて、ロボットアニメに対する冷たい見方を排除した形で接してくれる存在なのです。
そして船坂の駆るドリュー号はモーガン号の起こした事件解決に多大な功績を挙げつつ、最後のトドメは刺さない。時代は巨大ロボットではなくウィルウェアにあるから。そして、その生みの親である霞ヶ関博士は満足気な顔で天へと昇る。時代遅れの存在に無理に一花咲かせるのではなく、時代遅れは時代遅れのまま、できることをやって去っていく。町工場や職人といった要素も詰め込んで、いわゆる「古き良き日本」のイメージを見送る回だったように思います。もちろん最後の写真や博士の死に顔が示すように、それらは否定されるものではないのですが。
ノスタルジックには作られていないが故に、時の移り変わりを強く感じて泣きたくなってしまった回でした。ロゴスが舞台装置に徹していることもあり、今回はテーマ性が強く前に出ていたなあ……
関連:
アクティヴレイド -機動強襲室第八係- 感想リスト
アクティヴレイド -機動強襲室第八係- 第1話 「コード No.538」
アクティヴレイド -機動強襲室第八係- 第2話「学園崩壊」
アクティヴレイド -機動強襲室第八係- 第3話「アリーナからの挑戦」
アクティヴレイド -機動強襲室第八係- 第4話「旋回空域」
アクティヴレイド -機動強襲室第八係- 第5話「消失のポーカーフェイス」

にほんブログ村
【言及】
http://natusola.blog105.fc2.com/blog-entry-4642.html
http://riksblog.fool.jp/public_html/mt5/anime/now/2016/02/act-6.html
http://seeing04.blog39.fc2.com/blog-entry-5945.html
http://guutaranikki.blog4.fc2.com/blog-entry-12734.html
http://tiwaha.cocolog-nifty.com/blog/2016/02/--tokyomx21106-.html
http://luvnail.blog46.fc2.com/blog-entry-4294.html
http://renpounasu.blog.fc2.com/blog-entry-1963.html
http://kira47.blog58.fc2.com/blog-entry-3797.html
http://animegane1216.blog.fc2.com/blog-entry-3619.html