あなたのお名前は/ディメンションW7話感想
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コリン隊長の声に聞き覚えあると思ったら、コンレボで秋田課長を演じた金尾哲夫氏だったのに気付いて納得の興奮。
ディメンションW 第7話「過去からの呼び声」
©岩原裕二/スクウェアエニックス・DW製作委員会.



雨が呼び起こす過去の記憶。キョーマがコイルを嫌悪するようになったきっかけとは……
救えなかった想い人と、因縁の地への挑戦。第7話。今回の進行はおよそ130ページ分ですが、1話分30ページがほぼまるっとカットされてたり。回収屋達の紹介エピソードだから、ぶっちゃけ飛ばしてもOKよねというのがこうして見ると分かりやすい……登場人物自体もちょっとだけ削られており、この辺りは物語の影響度を鑑みてのものかな。
前回はサルバ王子の策謀とキョーマの描写を分けて描くことでそれぞれの要素を印象づけていたわけですが、今回も再構成の手法は同様。前回の引きを使って前半はキョーマの過去と感情、後半はイースター島探索に向けた事態の進行とはっきり内容が区分されています。前半はことさらに映像化の恩恵が大きく、現在とは異なるキョーマの優しい口調や、雅の病を暗示するカメラの破壊音、意識を取り戻したキョーマの心電図音や喪服を足元だけ見せることを利用した死の暗示など、アニメならではの演出が光っていました。
特に回想でイチャイチャするシーンのBGMに鐘の音が使われているのがもう反則。結婚式の祝福のようなそれをバックにすることでキョーマにとってどれだけ幸せな時間だったのかが分かるし、同時に結婚式でもないのにそんな幸せの絶頂のような曲が使われることが、けして幸せが続かなかったことも予感させてしまう。奈落に落ちる前フリの輝きがこれでもかとばかりに強調されていました。
難点を挙げるなら、キョーマがグレンデルに入ることを決めたのとイースター島の作戦が切れ目なく回想の中にあるのでその間の時間経過がちょっと分かりづらいことでしょうか。コリン隊長がキョーマを誘った時点ではグレンデルは未結成だったこと、作戦後にアルベルトが「結成されて3年」と語っていることからけして分からないわけではないのですが、合間に現在を挟むことで入隊とイースター島での作戦がはっきり分かれていた原作に比べるとちょっと伝わりづらかったかな。
ちなみに原作ではキョーマがアルベルトの飛行機に乗せてもらったのは、イースター島へ向かうのに心の整理が必要だった(ここで回想を挟んだ)ために単純に遅刻した……というのが理由だったのですが、アニメでは心の整理は前回で済んでおり、車の整備とその積み込みが理由に変わっています。
原作5巻巻頭の作者コメで語られていますが、コイル全盛でこの世界からはガソリンスタンドがほぼなくなっており、給油も早々できません。キョーマは自宅であるガソリンスタンドにガソリンを保管していますが、逆に言うと自宅まで帰る分の燃料を残しておかなければならないという困難を背負っています(切れたらレッカー移動w)。この辺りを考えると、遅刻ではなく最初からアルベルトに頼んだというのは燃料の節約という意味でも理に適っていますね。
他にもOP前の百合崎士堂博士の講演が八十神湖編でカットされたものに変わり、「電力以外を引き出すコイルのすごさ」を語ることでイースター島の次元障害の下敷きになっていることなど、よくよく原作を咀嚼しているのがまた感じられる回でした。
さてさて、このイースター島編の登場人物として名乗りを挙げたステレオタイプ外国人な回収屋の面々、声色や1話でミラが水を買った場所=今回キョーマが雅を助けた後会話した場所と言った類似性などなど、物語を盛り上げる要素も出揃ってきました。次回は一体どんな風に表現されるのかな。楽しみです。
関連:
ディメンションW 感想リスト
ディメンションW 第1話「回収屋」
ディメンションW 第2話「ルーザー」
ディメンションW 第3話「ナンバーズを追え」
ディメンションW 第4話「八十神湖に潜む謎」
ディメンションW 第5話「亡者の可能性」
ディメンションW 第6話「アフリカの風」
漫画感想(「となりの関くん」3巻、「Dimension W」2巻)
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