進め、前へ!!/ディメンションW8話感想
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10巻発売が待ち遠しい。
ディメンションW 第8話「虚無に落ちた島」
©岩原裕二/スクウェアエニックス・DW製作委員会.



突如現れた謎の球体によって沈むグロディアから、命からがら脱出する回収屋達。一方、キョーマ達もイースター島に到着し……
蠢く者達、第8話。今回は原作約200ページ、換算して単行本1冊分という八十神湖編後編の5話ばりの猛烈な進行ペースとなっていますが、原作未読の方はそれほど不自然に感じる所はなかったのではないかと思います。それくらいよくまとまった回でした。
今回の脚本の整理の仕方は「使わない骨の抜き取り」と「ペース配分の変更」。前者は7話の感想で触れた削られた登場人物の事で、回収屋の1人がこのイースター島にゆかりのある人物としてイースター島編の序盤を哀しく彩っていたのですが、彼の削除によりその辺りがバッサリとカットされています。あくまで序盤のためのキャラなので削除対象になったのは妥当なのですが、存在が消えても舞台の推移は全く変わっていないのはよくできているな……
後者は1話の分量によるもので、原作では単行本1冊、8話かけて同じだけ話を進めるためかアクションシーンや謎といった要素がある程度小分けにされているのですが、それを30分で1まとめに見られるアニメでは律儀に順番を守る必要はないのですね。回想は回想、アクションはアクション、サスペンスはサスペンスで盛り上がりが塊になるようにまとめればいい。もちろんずっとキョーマ達を描いているのであればこうした変更はしにくいのですが、このイースター島編はキョーマ&ミラ、ルワイ組、ルーザー父子、イーストリヴァー兄妹と多彩な人物が各個に動いているので組み換えは柔軟に行うことができます。もちろん、話自体の構成が崩れない制御は必要なのですが。
もちろんその辺りの手腕は安定していて、サルバの出自とルワイとの関係性が描かれる回想、事態を切迫させるグロディア墜落のてん末、キョーマ&ミラの卓抜した実力が発揮されるアクション、そんな2人をもってなお窮地に陥れる「虚無」の恐怖、トラウマから抜けだそうとするキョーマに立ち塞がるルーザーという引き。各パートが明快な意味合いをもって整理されており、事態が複雑に動いても難しさを感じることなく視聴することができました。絵的にも、イーストリヴァー兄妹がコミカルにキョーマ&ミラの引き立て役をしているのが原作以上に分かりやすかったなあ。ロボットであるミラの怪力も、路上の石を拾うシーンと合わせて無造作にできてしまうことが強調されていて印象的でした。
さてさて、キョーマの前に立ちはだかったルーザーの意図とは。彼がアリスに「重ねてみたもの」とは。2話以来の対峙となる2人の関係の一端が明かされる次回が楽しみです。
関連:
ディメンションW 感想リスト
ディメンションW 第1話「回収屋」
ディメンションW 第2話「ルーザー」
ディメンションW 第3話「ナンバーズを追え」
ディメンションW 第4話「八十神湖に潜む謎」
ディメンションW 第5話「亡者の可能性」
ディメンションW 第6話「アフリカの風」
ディメンションW 第7話「過去からの呼び声」
ディメンションW 第8話「虚無に落ちた島」
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