僕からの宣戦布告だ/ディメンションW9話感想
- CATEGORY: Wisp-Blog
- TAG: アニメ_2016年冬アニメ

どう見ても朝です本当に(白目) 水曜休み取ったから良かったというか弛んでしまったと言うべきか。とにかく寝ますorz
ディメンションW 第9話「アドラステアの鍵」
©岩原裕二/スクウェアエニックス・DW製作委員会.



キョーマの前に現れたルーザーは、事故に最も近い場所にいたはずの彼が何も覚えていないことに憤りを見せる。立ちふさがるルーザーに続き、キョーマの前に謎の球体が現れ……
繋がる記憶のありか、第9話。今回は原作約150ページ分の進行、これで原作7巻までの話がほぼ終了したことになります。今回カットの主な対象となっているのは、過去に起きた事件の社会的な意義。サルバ王子の「コイルの自由化を叫ぶ民衆」という台詞にその残滓が見られます。
サルバが看破したようにイスラでの反乱は仕組まれたものでしたが、コイルの特許製造をニューテスラエナジーが独占していることには反発も強く、そのことが諍い以上の事態となっていました。事故を起こす可能性もある粗悪品が製造される危険を冒してもコイルを自由化すべきか否か、というのが戦争の一因であり、それによる世界の破滅を防いだのがキョーマの所属していたグレンデルというわけです。
ただその戦争の原因に対してキョーマが何か意見を持っているわけではないし、現時点で明かされているものだけでも、戦争を煽っていたハルカ・シーマイヤーの狙いはコイル製造の自由化というよりは研究の自由化にある。「コイルの特許製造の自由化」という社会的な問題やそれに伴う企業の利得と言った要素は、ぶっちゃけ舞台装置の更に外縁に過ぎないのですね。だからバッサリと省略されている。
一方でドラマパートの集中化は今回も行われており、冷徹に見えたサルバの過去とルワイへの真情、ルーザーの正体、キョーマの再起、次元Wの真髄と言った要素が小刻みになることなく描かれています。特に巧みなのは本来回想の合間に描かれていた「グラウンド・ゼロに入るルーザー」という「現在」を原作よりも後回しにしていることで、これによってイスラでの暗躍やジュリアン達の監禁といったハルカ・シーマイヤーの行動がひとつなぎに描写され、今回初めて登場した彼が本作における重要人物であると同時に危険な存在であることを分かりやすく視聴者に感じさせるようになっています。
で、キョーマ、(ルーザー、)サルバの過去をそれぞれ回想させつつそれら「記憶」が次元Wの中で繋がっているというSF的ギミックと、彼らの過去の全てに絡んでいるハルカ・シーマイヤーの再登場というドラマ性が同時に重ね合わせられることで発現するダイナミズムも魅力的ですが、そこに現実世界でミラ達に襲い来る新手の敵対兵器というシチュエーションを重ねているのが更に上手い。前者はもちろん興奮する内容ではあるのですが、言ってみればあくまで精神世界のもので、現実世界の動きではない。そこにキョーマを守ろうとするミラという具体的な状況が付加されることで言わば「時が動き出す」のですね。ミラの体が本来雅を救うために使われる筈だった、という事実も実際はミラはイースター島に来る前に知っていた事実なわけですが、視聴者に初めて明かされる事で彼女がキョーマを守ろうとする新たな原動力として十分な説得力を持つ。
さてさて、重なりゆく線の行き着く先はどうなることか。ややこしくはあるんですが実直な進行の第9話でした。
関連:
ディメンションW 感想リスト
ディメンションW 第1話「回収屋」
ディメンションW 第2話「ルーザー」
ディメンションW 第3話「ナンバーズを追え」
ディメンションW 第4話「八十神湖に潜む謎」
ディメンションW 第5話「亡者の可能性」
ディメンションW 第6話「アフリカの風」
ディメンションW 第7話「過去からの呼び声」
ディメンションW 第8話「虚無に落ちた島」
漫画感想(「となりの関くん」3巻、「Dimension W」2巻)
漫画感想(「スイーツどんぶり」1巻、「Dimension W」3巻)
漫画感想(「ディメンションW」4巻)
漫画感想(「ディメンションW」5巻)
漫画感想(「ディメンションW」6巻)
漫画感想(「ディメンションW」7~9巻)

にほんブログ村
【言及】
http://natusola.blog105.fc2.com/blog-entry-4739.html
http://tiwaha.cocolog-nifty.com/blog/2016/03/dimension-wtoky.html
http://guutaranikki.blog4.fc2.com/blog-entry-12835.html
http://ai-mugi.blog.eonet.jp/aimugi/2016/03/dimension-w-fil-ed91.html