寝てられやしねえ/ディメンションW10話感想
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寝たいです。
ディメンションW 第10話「蘇る悪夢」
©岩原裕二/スクウェアエニックス・DW製作委員会.


キョーマを守るべく奮闘するミラ。敵対兵器の撃退に成功したものの、虚無の方へ飛ばされてしまい……
明かされる回収屋達の立場、そしてルーの秘密。第10話。今回は原作約220ページ、実に単行本1冊+1話という驚異的な進行なのだけど、バッサリ削る箇所の多くはこれまでの延長線上(削られた人物の関わる話)にあるので本筋の勢いを殺いでいないのがよくできている。コンセプトを持った再構成というような大回転的なものではなく、これまでの積み重ねの結果であるのが本アニメの脚本陣の実直な作りを証明しているというか。
もちろんこの10話、馬鹿正直に削ってあるだけではありません、アメリカNo.1の回収屋であるジェイソン・クライスラーは原作では依頼を受けるエピソードが描かれていたのですが、これをカットする一方、本来ルーザーにナンバーズやジェネシスについて語りかけていた「存在ごと抹消されたキャラ」の台詞をジェイソン肩代わりさせることで彼の立場を簡潔に伝えたりとテクニカルな手腕も目立ちます。
また、1巻分以上の話を30分に収めたことでいくつものバトルシーンが飛び交い、視覚的な満足度を高めてくれているのも今回の面白さから外せない部分。このスピード感はルーの「亡骸」を見て豹変するキョーマのシーンに特に顕著で、原作では彼の姿に怯えて自分がやったのではないと言い訳するK・Kを通じてその怒りをゆっくり大きく描いていたのですが、アニメではそれを省くことでむしろキョーマの怒りの程を伝えています。同じセイラ・スタイルのボディを持つことでルーとミラが繋がり、そしてミラを通じてルーと雅が繋がるわけですが、ルー初登場の6話でミラの相似が提示されていたおかげでこの辺りは原作以上に分かりやすかったなあ……「体が1つじゃない」という、驚きと更なる雅との重なりを感じさせる引きもまた良し。

なお、原作ではキョーマはK・Kに1度逃げられた後、今やるべきことを思い定めて走り出し旧友のダグを一瞥する……という流れだったのですが、アニメではダグの亡骸を見てやるべきことを思い定め、彼の目を閉じてやる……という展開に変更になっています。感情の流れが一方向なので時短になり、かつダグにより優しい。1話で中ボスとして成立するK・Kと言い、キャラの立て方がよくできているなあ。
さてさて、アニメは現行最新刊である9巻の初めまで進み、10巻の発売は再来週の金曜となっています。果たして次週、9巻をはみ出るのか否か。色んな意味でドキドキですw
関連:
ディメンションW 感想リスト
ディメンションW 第1話「回収屋」
ディメンションW 第2話「ルーザー」
ディメンションW 第3話「ナンバーズを追え」
ディメンションW 第4話「八十神湖に潜む謎」
ディメンションW 第5話「亡者の可能性」
ディメンションW 第6話「アフリカの風」
ディメンションW 第7話「過去からの呼び声」
ディメンションW 第8話「虚無に落ちた島」
ディメンションW 第9話「アドラステアの鍵」
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