一緒に遊ぼっか/無彩限のファントム・ワールド11話感想 


 初見後に頭のなかでこねくり回してる時はは後述の「実から出た嘘」の部分だけ解釈して切ない話だと思ったのだが、帰宅して2回目を見てもっと幸せな方向に捉えていいなと考え直し。



無彩限のファントム・ワールド 第11話「ちびっ子晴彦くん」
©秦野宗一郎・京都アニメーション/無彩限の製作委員会
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 ある日小学校の頃の作文を見付けた晴彦は、翌朝になると小学生になっていた。記憶も失われている晴彦の面倒を、やむなく舞が見ることになるのだが……
 嘘の思い出、第11話。今回は冒頭の語りがないという変則構成だったわけですが、ポイントは逆にラストに固まって「嘘」、そして「実(まこと)」であったように思います。

 今回舞は子供になった晴彦と生活を共にし図らずも作文に書かれた願望を叶えてあげたわけですが、果たして作文は本当になったのかと言えば、否。だって晴彦は、自分が子供に戻った時の事を全く覚えていないのですから。作文は彼にとってはあくまで嘘のまま。舞から渡された、覚えのない子供向け雑誌は、晴彦にとって「実から生まれた嘘」の象徴だと言えます。

 逆に本当から嘘になったようでいて、やっぱり本当になるのが舞の「ちびっ子晴彦」との思い出。晴彦が子供だった時の出来事って、舞以外にはほとんど共有されていません。彼の世話は持ち回りではなく舞が1人でしていたし、晴彦自身は全然覚えていないのですから。だからちびっ子晴彦がいなくなってしまうと、彼と生活を共にした記憶はまるで幻(嘘)のようになってしまう。舞は晴彦が元に戻る瞬間を見ていないのですから、なおさらです。
 けれど小学生の晴彦がかつて残した嘘の作文はちびっ子晴彦とあまりにリンクしていて、その嘘は彼にとって舞との思い出がどれだけ嬉しかったのかを教えてくれる。どうして晴彦がちびっ子になったのかを教えてくれる。作文が嘘であるからこそ、「ちびっ子晴彦」はその実在が信じられる。作文は舞にとって「嘘から出た実」の象徴です。

 そうして最後に、晴彦の机の上で「実から生まれた嘘」である子供向け雑誌と「嘘から出た実」である作文は重なり合う。小学生の晴彦と高校生の舞が家族として過ごした奇跡のように。幻影が年齢と虚実を超える、とても優しい30分でした。「先生向けの外面」「生意気なツッコミぶり」「養育者の心配と遠慮をする子供」そして「家族として接したがる素直な甘えぶり」と、小学生の晴彦の嘘が舞との生活の中で解けていくのもコミカルながら丁寧だったなあ……

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無彩限のファントム・ワールド 感想リスト

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無彩限のファントム・ワールド 第4話「模造家族」
無彩限のファントム・ワールド 第5話「得意能力が使えない!」
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無彩限のファントム・ワールド 第7話「シュレーディンガーの猫屋敷」
無彩限のファントム・ワールド 第8話「猿温泉を突破せよ!」
無彩限のファントム・ワールド 第9話「幕末ファントム異聞」
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