同じレベルに落ちるつもりは/ドラゴンボール超35話感想
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リベンジ完了。
ドラゴンボール超 第35話「怒りを力に変えろ! ベジータの全開バトル」
© バードスタジオ/集英社・フジテレビ・東映アニメーション



フロストの失格処分を取り消しに、リングに戻らせたベジータ。フロストは卑怯な手段を遠慮無く使うと宣言するが……
炸裂する怒りと意外な苦戦と、第35話。シリアスとコミカルさの緩急のついた展開が楽しい。実力では超サイヤ人1にも敵わないフロストは本性を表す=底が割れると同義なので、ルールがどうの殺しがどうのとくどくど語るのがむしろ自分の活躍時間を削っているのは「バキ」でかませ役が盛り上がりそうな口上を吐いて瞬殺されるのに通じるおかしさがありました。引き伸ばしに定評のあるドラゴンボールでこんな展開が見られるとは思わなかったな、対するベジータも逆に短い台詞の中に格好良さが溢れていたし。もう完全に正義の味方である。
また面白いのは、フロストが誰からも嫌われてOKなキャラになったことでヒットのかませ役を務めていること。ヒットはセルを連想させるデザインやキービジュアルから本大会のラスボスと目される場所にいますが、サイヤ人や裏フリーザという明確な後ろ盾があるわけではないのでそのイメージには絶対性がありません(どうもそれを逆手に取っているのがモナカのようだが)。彼の強さを示すために第7宇宙側――例えばピッコロをかませ役にしても「まあ、そうなるな」としか思えないのですよね。でもフロストであればとりあえずボコられることは心理的に許容できるわけでwww そして強さの違いが分かりきっているベジータのようにワンパンKOするのではなく、正体不明の謎の能力を見せることで「ミステリアスな強さ」が視聴者に示される。もちろん本戦でも悟空との対決前にベジータ相手に強さを見せる機会があると思うのですが、その下準備として上手いものだったのではないかなと思います。
一方で、デザインや搦め手を使ったマゲッタの意外な強敵ぶりも今回の楽しいところです。生身の人間やそれに近い複雑な形状をしていないマゲッタのデザインは「ベジータがぶっ叩いても壊れない」ことに対する違和感を薄れさせる剛性があるし、表情がないことでフロストやボタモのように優勢劣勢を容易に判断させない。展開を予想させにくい、視聴者にとってこそ手強いキャラなのですねマゲッタは。ベジータにめり込まされた頭を更に叩いた跡で引っ張り出すシーンは特に、視聴者や悟空達の理解を超えたキャラであることが分かりやすい。
で、マゲッタは表情や言葉ではなくその異能でベジータとの実力の差を詰めてくる。高熱で疲弊する、というのはフロストの使った毒同様に鍛え上げた肉体でも抗えないステータス異常として非常に分かりやすいものです。地球が壊れるようなエネルギー波の撃ち合いとかやって今更、とツッコむこともできますが、毒やら熱やらは視聴者が身体感覚として理解できる苦しみなのだから搦め手としての説得力は実に高い。空中リングアウト防止という新ルールが熱を篭もらせるきっかけというのも1つのひねりになっている。
ゲスいフロストの本性を活用しつつ、雰囲気の変化に成功した回でした。さてさて、ベジータはこの事態をどう打開するのか。

ところで騒音に対して自分じゃなくパンの耳をふさぐビーデルさんが母親過ぎるので悟飯爆発しろ。
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