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漫画感想「GA-芸術科アートデザインクラス-」7巻(完)

GA-芸術科アートデザインクラス- (7) (まんがタイムKRコミックス)
 きゆづきさとこの「GA-芸術科アートデザインクラス-」7巻を読了。はー……終わった、終わってしまった。読み終わってしまった。基本的に1話完結のスタイルを通しながらも時間は少しずつ進行していって、そしてあーさん達の卒業と主人公である如月達の進級で本作は完結しています。
 主人公達が卒業して終わる物語は、「可能性」(進路)が選択されて「未来」に変化し、僕達から断絶される物語です。卒業した先にこそ可能性が広がっているはずではあるんですが、どうしても僕達は「それまでの時間」に目を向けてしまう。鮮やかであればあるだけ、その物語は僕達の目に焼き付いてその先を見せてくれない。
 けれど本作終了時の如月達は、未だ卒業の時にない。だから彼女達の「可能性」は「可能性」のまま僕達から断絶されています。「可能性」が「可能性」のままであること自体はいわゆるサザエさん時空の作品で珍しくないように思えますが、実際の所そうではありません。終わらない日常を過ごす作品では、「遠い未来」への「可能性」は停止されているのですから。

 本作の時間が前に向かって進行していることはあーさん達の卒業によって明示されていて、彼女達は「可能性」を「未来」に変えてGAを巣立ってゆく。だから僕達は、如月達が卒業しないまま物語が終わってもそれがずっと続くと思うことはできない。やがて彼女達にも選択の時が訪れることを認識してしまうからです。そして完結時点で2年生になったばかりの彼女達は、まだ具体的に進路を考える段階にも達していない。僕らは「如月はきっとこんな進路を歩むんだろうな」というような予断も許されない。それはまさしく、有限の時間の中で無限に広がる「可能性」です。
 進路やら恋やらがみな定まって「終わる」美しさと、まだ何も定まらない「終わっていない」輝きを同時に。そういう「結末」を描いた本作は、稀有な作品だったのだなと、読み終えて改めてそれに触れられた幸せを感じました。


 それにしても、本作のアニメってもう7年も前なのですね。このブログ始めてから1年経った頃の放送なんだからそれくらいにもなるか。本作は初めてアニメのDVDを買った、個人史としても印象深い作品でもあります。ガンダムにエヴァに熱中しながらも「アニメは恥ずかしい物」という認識を捨てきれなかった僕が「アニメを好きな自分」を認められるようになった第1歩は、きっとこの時から始まった。
 ここで1つ、この7巻に収録された笹本先生の言葉を引用してみましょう。

「描くことが競争になり作業(ノルマ)になり進路になれば いずれどこかで現実と理想の壁に挫折や諦めが過る瞬間は必ず来る」
「そうなった時に何が根底の支えになるかって言うとさ」
「やっぱり純粋に好きだった頃の"気持ち"なんだと思うんだよね」


 僕にとってアニメは視聴対象であり、作ったり批評したりすることを生業にするような覚悟を必要とするものではありません。そんな程度でも、毎週見た作品の感想を必ず書くという一種の「作業」は、より優れた感想を書きたいと願う「競争」は、時に心をポッキリ折りそうになります。それでも感想を書き続けられるのは、「アニメが好き」だから……というより「アニメが好きな自分を認められる」ようになったから。あくまで趣味なのだからとても甘っちょろい話なのですが、それでも、僕がブログを続けることができているのはこの作品があったからなのだと。そう、思います。
 きゆづきさとこ先生、アニメ「GA-芸術科アートデザインクラス-」を作ってくださった皆様。本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。

関連:
漫画感想(「GA 芸術科アートデザインクラス」5巻)
漫画感想(「GAー芸術科アートデザインクラスー」6巻)

漫画感想(「棺担ぎのクロ。~懐中旅話~」4巻)


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【言及】
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2 Comments

tara  

闇鍋はにわさんにとっても特別な作品だったのですね~
本当に素敵な作品でした♪

最終巻はエンディングへ一直線な構成でありながら、ノダちゃんの入試黒歴史とか「殿」の由来とか細かいところで掘り下げもあって、最後まで楽しませてもらいました(^^)

非の打ちどころが見当たらない完結。でも、再アニメ化はまだまだ諦められませんw(もちろん前作と同じスタッフで!)

2016/05/09 (Mon) 02:06 | EDIT | REPLY |   

闇鍋はにわ  

>taraさん

 色々印象深い作品ですねー。BD-BOX買ってますし見返したいなと思ってはいるんですが、どうにも時間は取れそうにありません(´・ω・`)

>最終巻はエンディングへ一直線な構成でありながら、ノダちゃんの入試黒歴史とか「殿」の由来とか細かいところで掘り下げもあって、最後まで楽しませてもらいました(^^)
 そういった細かいところもきちんと物語に絡めてましたもんね。最後まで1話1話の完成度が素晴らしい作品でした。動くキサラギ達、また新たに見てみたいものです。
 taraさんにとっても良い作品だったということでとても嬉しかったです。コメントありがとうございました。

2016/05/11 (Wed) 21:01 | EDIT | REPLY |   

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