こっちだって法に基いて/アクティヴレイド12話感想
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妹がボスと間違えられてたが、ボスが学生服着てる方がご褒美だと思います(お仕置きを期待しながら)。
アクティヴレイド -機動強襲室第八係- 第12話(最終回)「誰がための秩序」
©創通・フィールズ・フライングドッグ/ACTIVERAID PARTNERS



ダイハチの奮闘も間に合わず、「オロチ」を全て奪われてしまった日本。果たしてシステムを奪還し事態を収拾することはできるのか……?
少年の孤独の終わりと、大人の時と。第12話。バードこと生徒会長の裏切りぶりに最初は困惑したのだけど、それを念頭に置いて見返すと本名を呼ばれた瞬間に不快感を示しているのが分かり、その後の台詞もミュトスを踏み台にするつもりでいる事が読み取れて納得。
今回ポイントになっているのは、犯人を射殺するか否か……という状況。1話を思い返してみましょう。


花咲里「ということは、この後5号線に……!? 警視庁に連絡!至急狙撃犯を!」
はるか「却下」
花咲里「え?」
はるか「たった今判明しました。犯人は16歳の男、2人です。」
外環道に移り逃走を企てる強盗犯2人に花咲里は狙撃犯を要請しようとするわけですが、犯人が未成年ということが分かりその案が却下される、というワンシーン。これ、この12話の状況に非常に近いのですね。違いとしては射殺しようとする組織が警察ではなく統自であり、ダイハチには「犯人確保」の命令が降りたままということ。これにより黒騎が言うように、ミュトスをかばうことに対して法に則った正当性が発生しているわけです。また心情的には、ミュトスがこれまで人的犠牲を極力避けてきたことや「バード」に裏切られる……というよりほとんど捨てられるという状態によって、単純に殺していいものかと思わせるようになっている。
加えて、1話で瀬名は最終的に「会話が成り立たないと判断した」と未成年の犯人をバッサリ切って捨てたわけですが、ミュトスはそうではないんですよね。幼子の内に新興宗教組織の教祖として祭り上げられ人生を破綻させられ、ただ1人残った妹とも離れ離れになった(削除した情報を見るに、ミュトス自身は妹がその後自殺したと思っていたようだ)バックボーンが彼にはあり、そして黒騎には彼の奥の柔らかい部分をほんのわずかに共有する機会があった。だから彼とは話が通じると判断し説得を続けたわけです。
名前を何度も変え「バード」と良好な関係を築いていると思っていたミュトスが、バードを「司稀」として接することを拒絶され、一方で本名の「巴弥」の持つ最後の繋がりである妹の生存によって孤独からすくい上げられる。日替わり嘘家族の存在も、彼が繋がりを求め続けながらも妹の存在を忘却できなかった故の行動なのだと理解できるとなんとも切なく思えます。
そして孤独だと思っていた少年は残っていた繋がりに涙し、当初ダイハチへのスパイのつもりで「仲間なんていらない」と思っていた花咲里はそれに共感し、大人になったことを皆に告げる。なんとも比喩的です。(実際やってなかったけど)スパイだったのを告白するのは、彼女が「まともな大人」になるための第1歩だったんだなあ……
というわけで、これまでの話のふんわりとした繋がりが水面下で、染み入るように繋がった最終話でした。うん、やっぱりこういう奥行きのある忍ばせ方が本作の神経の通っているところだよなあ。バードは超法規的に逃亡しつつも事件自体はきれいに解決したわけですが、さてさて、分割2クール後半はどんな話になるのでしょう。7月を楽しみに待ちたいと思います。スタッフの皆様、ひとまずお疲れ様でした。
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