2人で1つ/ブブキ・ブランキ12話感想
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今回の話は回想で1話分やるべき、具体的にはこの若ママンがどうやって父親に落とされたかを半パートヽ(@◇@)ノ
ブブキ・ブランキ 第12話(最終回)「宝島の少年」
©Quadrangle / BBKBRNK Partners



怒りもあらわに汀を殺そうとする礼央子。過去、2人の間に起きた出来事とは……
汀と礼央子の過去と、託されてゆくものと。第12話。うーんうーん、なんだろうなこのギリギリ理解できるが感情の喚起にまで繋がってくれない圧縮ぶりは。礼央子が炎帝を現出させたのはアバンの「私の生きた証を残そうと思った」=「世界の影に潜んでいたブブキ使いが堂々と暮らせる世界にしたい」ということだと思うのだけど、かつて汀との関係が良好であった頃の描写が合間に挟まることや、その頃までのブブキ使いの世界での扱いが分からないことが邪魔して彼女の「生きた証」への思いが伝わってこない。もちろん重要なのは「なぜ礼央子の心臓が炎帝の心臓と同期しているか」「どうして礼央子は汀を憎むようになったか」の方なのだけど、この起点が分からないとそこから繋がる全部の歯車が軋んでしまう。
特にブランキの心臓が止まった後に政府がブブキ使いの排除を試みた一幕など、ブブキ使いへの扱いが礼央子配下のブブキ警察しか分からないため、途中まで「礼央子がブブキ使いの虐殺を指示してるんじゃないの?」と首を傾げてしまいました。実際のところ彼女はそれに憤る側だったわけですが、そうすると彼女が影の支配者になった現在のブブキ警察って何のために動いてるんでしょうね。王舞サイドをあぶり出すために他も巻き込んでるのか、周作よろしくブブキを取り上げて普通の人間として生きるようにさせているのか、あるいは両方か。
そして更にもどかしいのは、今回描かれる回想は本当に回想であって東達には一切伝わっていないこと。もちろん東は汀や礼央子との会話で両者の意図や秘密をちょっとだけ理解して「それじゃ礼央子がかわいそうだ」と涙まで浮かべるわけですが(東くんマジ優しい)、感情の過程を視聴者と共有できているとは言いがたいのですよねえ。もっと真っ向から礼央子の積もり積もった思いを受け止めてくれんのか。本来東の感性を噛み砕くクッションになってくれる筈の柊達も今回はオマケ程度の出番しかないし。
この東達への伝達の不十分さは徹底していて、四天王においても彼らの思いを王舞サイドが知ることはありません。周作は先週の状態から死亡確認なしでフェードアウトして彼なりに考えていた黄金の幸せは本人に伝わらないし、宗也は木乃亜のブブキに助けられた時の幻影を見ながら1人落下するし、秋人は静流の兄弟弟子であるリュドミラ達と一瞬の再会を果すだけで散るし、絶美の東達への賞賛の言葉も届くことはない。それぞれ親愛の情を持ちつつも何かしらの意図で東達を誘導していた彼らがそのまま死んでいくのは因果応報と言えなくはないのですが、ぶっちゃけ心地よさを感じられないマイナスの方が強く感じられたのが正直なところ。今回の場合、24年前の四天王が出てきてより彼らに親しみを感じられただけになおさら。
ついでに言えば、この「心地よさを感じられない」というのは結局宝島の落下を止められない辺りにも共通して思ったことです。まあ止めるのは無理にしても海に浮かぶ状態くらいにはできるんじゃないかと思っていたのですが、沈んじゃうんだもの。いや東と薫子、その状況なら故郷がなくなることに何かリアクションしろよ。
そんなわけで、これまでの割り振りの悪さのツケが回ったような最終回でした。前回前々回のように、今より面白くなるポテンシャルは持ってる筈なんだけどなあ……続編、よくよく問題点を考え直したものになっていることを期待します。スタッフの皆様、ひとまずお疲れ様でした。
関連:
ブブキ・ブランキ 感想リスト
ブブキ・ブランキ 第1話「魔女の息子」
ブブキ・ブランキ 第2話「炎の巨人」
ブブキ・ブランキ 第3話「心臓と手足」
ブブキ・ブランキ 第4話「右手と拳銃」
ブブキ・ブランキ 第5話「剣と指輪」
ブブキ・ブランキ 第6話「灰色の宝石」
ブブキ・ブランキ 第7話「首なし巨人」
ブブキ・ブランキ 第8話「止まった心臓」
ブブキ・ブランキ 第9話「拳と拳」
ブブキ・ブランキ 第10話「砕かれる心臓」
ブブキ・ブランキ 第11話「不死の少女」

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