ジョジョの奇妙な冒険4部 アニメ・原作比較感想第1話
- CATEGORY: Wisp-Blog
- TAG: アニメ_2016年春アニメお気に入り_ジョジョ(アニメ)

信頼と実績のアニメ化。
ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第1話「空城丈太郎!東方杖助に会う」
©LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険DU製作委員会

杜王町に済む少年、広瀬康一は高校入学の日2人の奇妙な男に出会った。1人はワイルドでありながらクールで知的な風貌の男・空条承太郎。そしてもう1人は……
再会と出会いの第1話。1番好きな第4部が!ついに! 今回は原作3話分、約70ページ半ばほどのアニメ化となっています。整理しつつファンサービスも加え……と、原作をカツカツに詰めたというよりは割と余裕のある構成。



冒頭の片腕だけ見える日常……からの切断された片腕というシーンは完全なアニメオリジナル。本作のストーリーラインとして「日常にひそむ非日常」というのがありますが、これが端的に示されていて切れ味抜群。アニオリだから原作既読の人もその感覚を思い出せますしね。しかしこれものを保持したり細かい動作をするのは無理だと思うのですが、犯人がスタンドで補助してるんでしょうかね。あるいは血の滴りから見て「この描写の最中に殺された」のか。杜王町ラジオを一旦停止させて「奇妙」を描き、これまたアニオリで承太郎の乗ったタクシーが鉄塔を過ぎてからラジオが再開、道路に「Part4」……というのが、日常と非日常の隣接性の物語が始まりますよという意思表示を感じさせて実にいい。

康一「1999年4月。高校入学の日、僕は2人の奇妙な男に出会った」
康一の冒頭の「1999年」という年に関する語りはバッサリとカット。連載開始された1992年はこの1999年に人類が滅亡する……という解釈のできるノストラダムス の予言的なものが話題を呼んでいた時期であり、この年はある種のXデーだったわけですが、今となってはもうMMRのネタにしかなりませんしね。うーんこの時間の過ぎることの残酷さよ。

康一「ぼくの名前は――(まー…おぼえてもらう必要はないですけど)」
嘘つけこの副主人公www

康一(なんか、ワイルドで迫力あるのに知的って言うか……かっこいい)
原作では康一が承太郎に抱いた印象は地の文として描かれ、そのまま仗助に対するものに続いていったのですが、アニメでは承太郎の前に康一の顔を映し「かっこいい」という感覚的な言葉を言わせることでこれを切断。だってその後続くのが「仗助には恐怖を感じた」というたぐいのものだったのですが、実際の所すぐ仲良しになってますしw


不良「仗に助か……」
不良「仗助!今日からてめーをジョジョって呼んでやるぜ!」
その後誰にも呼ばれることはないwのですがまあ、これは主人公としての物語上の主張と見るべきでしょうね。誰が4部における「ジョジョ」なのかという。ちなみにアニメは漫画と違って「仗助」を吹き出しで描けないので、生徒手帳を見せるという形で表記を伝えています。とはいえ大写しされるわけではないのですが「仗(じょう)に助(じょ)」であるとだけ分かればOK。


ちなみに亀の治療や仗助と承太郎の見えないスタンド戦に混乱したり、ジョースター不動産に反応したりと康一のリアクションは増加傾向。「一般人に近い目線」で物事を見るのが役目の彼、しっかり役割を強化されている。同時にこれによって今回彼の最後の出番での「この町で何かが起きている」というのが視聴者の時間としても感じられるわけですね。



承太郎「なんつーか血縁上はおまえの「甥」ってやつになるのかな…奇妙だが…」
長らくボーッと読み飛ばしてしまっていたのですが、原作単行本だとここ「叔父」表記で間違ってたんですね。関係性として誤植の方がしっくりきちゃうんだもの。気付くと改めて奇妙だな、この血縁関係。



承太郎「歩きながら話そう」
ここは原作だとページをめくったら場面が変わって遺産がどうのという話になっており、バスから降りたという感じだったのですが、アニメでは歩きながら会話したことに。確かにバスに乗りながらする話でもないしなあ。ただ、この時点で入学式どうするんだというツッコミも正直してしまうんですがw

仗助「えーとさ、今ちょっと立て込んだ話しててよ……」
この仗助のリアクションとそれでも絡む女生徒はアニメオリジナルの増量。確かに追っ払えと言うのも分からないでもない!


仗助「この自慢の頭をけなされるとムカッ腹が立つぜ!」
原作ではなぜ頭に来るのか分からない、と語っていたのがカット、まあここは整合性から見て当然か。それにしてもこの一連のシーン、承太郎がスタンドを出す時は3部の曲、仗助がスタンドを出す時は新曲というのが主人公同士の応酬という感があっていいなあ。


また、原作では仗助の攻撃を回避した直後に承太郎が「10年ぶりに時を止めた」「殴ったものが別の形に直っている」ことに対して思考していたのですが、アニメではそれらは殴ってはっ倒した後に変更。スピード感を維持するにはこの順番にするのが自然。


ただこの女生徒をどなりつける承太郎、漫画と違って吹き出しほど上手く帽子を隠せてないので微妙に締まらんなw




康一「あ、入学式!」
仗助「あ!うわ、もうこんな時間」
この辺りの会話の切り上げはアニメオリジナル。スタンドという非日常から入学式という日常に戻る転調に本作の味わいがよく出ています。ついでに言えば、原作では回をまたいだ結果ほったからしになっていた「康一が仗助に抱いた印象」のアンサー的な補完も直後にアニメオリジナルで行われています。




良平「おお、村上のおばあちゃん大丈夫か。ほら荷物持って」
仗助の母・朋子のキレっぷりに関しては、ナンパしていたにいちゃんの車の排ガスがおばあちゃんに迷惑だったというフォローを追加。まあちょっと「お互い様」とするには割が合わなかったからなあ(これでもまだどうか)。ついでに老婆への名前を覚えている対応で仗助の祖父・良平の人となりも伝わるようになっています。




で、その親子の日常が描かれる道路一つ向こうでは(ロクでもなさそーだけど)カップルの日常が破壊されるという辺りはこれまた日常と非日常の隣接性。このスタンドに体を乗っ取られた男、原作ではいきなり強盗に走っていたのですがアニメではその前の描写がこうして追加されています。ロクでもなさそーな奴だけど、スタンドから解放されたら彼女が死んでて自分はコンビニ強盗になってるんだから悲惨なんてものではない。
またそこをフックに片桐安十郎、アンジェロの紹介に移っていくわけですが、最後の事件についての詳細は伏せられてますね。自主規制と見るべきか時間短縮と見るべきか。少なくとも承太郎が語る彼の犯罪経歴にアニメでちゃんと絵を乗っけるだけでイカれた男なのは伝わるので十分ではある。



店員「え!? な…なんともないッ!」
このシーン、店員の服こんなに簡素だったっけ?と思ったのですが、見返してみると「原作通り」仗助が助けだした時に前掛けが取れてますね。前掛け越しだと「腹に穴が空いてない」ことが分かりづらいから外してるのか。アニメみるまで気付かなかったぞこの心遣い……




康一「承太郎さんの言ってたことは本当だ、この町には何かがある」
こちらの康一の台詞もアニメオリジナルですが、群衆の中に今後の登場人物が忍ばされているというのがあいまって非常に暗示的。あいつも!こいつも!あの物体も!出るのだ!

アンジェロ「おめーの人生と心と生命を破滅させてやるぜ」
最後はアンジェロが仗助への敵意をむき出しにし、今後の明確な波乱を感じさせて終了。果たしてこの格好に関する部分はカットされるのかどうなのか。彼のくだりを始めとして時間的な整理を行いつつ、今後のためのファンサービスも小出しに追加し……と期待通りの第1話でした。来週も楽しみです。
関連:
2013年冬アニメ 視聴予定リスト(1部2部感想リスト)
ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース 感想リスト
ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない感想 リスト

にほんブログ村
【言及】
http://natusola.blog105.fc2.com/blog-entry-4833.html
http://blog.livedoor.jp/bobu_mono/archives/47239162.html
http://tiwaha.cocolog-nifty.com/blog/2016/04/tokyomx40101-5c.html
http://seeing04.blog39.fc2.com/blog-entry-6089.html
http://izan499.blog.fc2.com/blog-entry-1516.html
http://animegane1216.blog.fc2.com/blog-entry-3769.html
http://tarasite.blog.fc2.com/blog-entry-1524.html