fc2ブログ
Welcome to my blog

Wisp-Blogは移転しました

ARTICLE PAGE

1人じゃ無理だ/機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096 1話感想


 可能性の獣、地上波に立つ。

>拍手返信:雪光さん(オルフェンズ25話)
 「死んでも生き延びやがれ」……この台詞が本当に良かったですよね。命を金に変えて生きてきて、そして仲間を失い、破滅へと突っ走ってきたからこその重み。切実な言葉でした。
 ガエリオは当初からガルマポジを予想されていたわけですが、そのことを込みで多くの視聴者に惜しまれる存在になったのは本作のキャラ立ての上手さの証左の1つだと思います。敵キャラも魅力的な作品ですよね。
 こちらこそ、たびたびの拍手コメありがとうございました。励みになりました。



機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096 第1話「96年目の出発」
©創通・サンライズ
160403_03.jpg
160403_04.jpg
160403_05.jpg
 宇宙世紀0096年、第二次ネオ・ジオン抗争から既に3年の月日が流れていた。アナハイム工専に通う学生、バナージ・リンクスは、往還シャトルの故障で実習施設への居残りを余儀なくされていたのだが……。大ヒット作品の地上波再編集版第1話。OVAの方は未視聴です。
 1話50分のものをほぼそのまま真ん中でぶった切っているらしく、正にAパート相当の部分で終わるのに初見時は困惑したのだけど、見返してみるとバナージが「普通と違う」人間なのが進行の中に織り込まれていてミステリアスながらも印象的。
 「何をしていても、その時を本当には過ごせていないような」という台詞に象徴されるように、彼は終始他の人とは違うものを見ているんですよね。プチモビで宇宙のゴミ掃除だか何かをしている時にムサイの残骸を見たり(その視線は友人に塞がれる。彼らにとってはムサイなんてどうでもいい)、「僕ら」的MSオタクなのであろうタクヤがザクを見てワクワクしてもバナージはそこに空いた穴の方を見たり、ひいては先述した台詞へのミコットの共感すら実際には共感できていなかったり。こうした静かに彼を主張する描写からは、自己と周囲のズレをやや諦観をもって認識している姿勢と、戦争あるいは人死への繊細な感覚を読み取ることができます。
 一方で彼はそこにうずくまっているだけの少年というわけでもなく、その戦争あるいは人死への敏感さを行動に変える力も持っている。他の人にはコロニー内の空洞にしか見えない遠景に落下するオードリーの姿を見つけ、プチモビに搭乗して強引に借用、救助に向かった一幕は、彼の繊細さと行動力が同時に発揮された出来事と言えるでしょう。

 この「普通と違う」という部分はまだ彼が乗っていない主役機・ユニコーンガンダムにも言えることで、テストパイロットはその速度に困惑する有様が示されています。「想定できる実戦状況を全てやる」のがテストですからけしてパイロットも腕が悪いわけではないのでしょうが、操縦するだけで彼は白い息を吐いている(その前に描写されたジェガンとクシャトリヤの実戦ですらそんなことはないのにだ)。テストを目撃された可能性がありながらも同乗者のカーディアスが「一瞬の幻にしか見えんだろうさ」と動じないところ、開発終了にあたっての秘匿ぶりや謎めいたシステムキーワードなど、ユニコーンガンダムが他とは違う機体なんだ、という前フリは確かに感じられました。
 もちろん「普通と違うMS」であることを示すには「普通のMS」が必要なわけで。ジェガン隊とクシャトリヤの戦闘は早々にファンネルを飛ばしてその反則ぶりを示したり、スタークジェガンが歴戦の経験を感じさせる技量で抵抗したりと、この戦闘は「従来のMS戦の延長」としての性質に溢れています。もちろん、ハイクオリティであればこそ「普通」が輝くわけではあるのですが。何か本当に玄人な戦闘をしているらしいのですが、その辺りの詳説は他の方にお願いしますw

 さて、普通の人間とのズレを感じながらもおとなしく過ごしてきたのであろう彼は、戸惑いながらも明らかに普通と違う少女、オードリーに向かって手を伸ばした。そのズレをどうにかするのは「1人じゃ無理だ」だったわけだけど、この出会いはどんな可能性をもたらすのでしょう。次週を楽しみにしたいと思います。

関連:
機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096 感想リスト

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 感想リスト


にほんブログ村 アニメブログ アニメ感想へ
にほんブログ村

【言及】
http://natusola.blog105.fc2.com/blog-entry-4839.html
http://magi111p04.blog59.fc2.com/blog-entry-2547.html
http://riksblog.fool.jp/public_html/mt5/anime/now/2016/04/guctv-1.html
http://animegane1216.blog.fc2.com/blog-entry-3771.html
http://grhm2307.blog.fc2.com/blog-entry-211.html
このエントリーをはてなブックマークに追加

5 Comments

MITSUKI  

UC始まりましたね。
闇鍋はにわさんはUCの視聴は始めてとのことですが
キャラやMSは公式の紹介などを見れば分かるでしょうけど

他の宇宙世紀ガンダム、1stやZ、逆襲のシャアとかは視聴済みなのですか?
いえ、自分も昔の宇宙世紀系は最初はスパロボでプレイして知って後でDVDで見た作品もそこそこあり(苦笑)

あと、UCはオルフェンズが初見ガンダムだった人は、UCも見てみたら
いきなりビームやらファンネル出てきて「なんだこれ!?」ってなったでしょうね(笑)

2016/04/03 (Sun) 13:18 | EDIT | REPLY |   

闇鍋はにわ  

>MITSUKIさん

>キャラやMSは公式の紹介などを見れば分かるでしょうけど
 キャラ名は放送だけじゃさっぱり分からないので助かってますw

>他の宇宙世紀ガンダム、1stやZ、逆襲のシャアとかは視聴済みなのですか?
1st:映画のみ
Ζ、ΖΖ:小さい頃に再放送をw 劇場版Ζも見ましたね
逆シャア:初めてガンダムを知った作品ですね。視聴したのは↑と同時期くらいか
ポケ戦:メモリアル作品
V:マイファーストリアルタイムガンダム

……という感じです。昔見たものが多いので、今見ると違った感覚になりそうですね。
意外とスパロボが先というガンダムは少ないかな、SEEDは結局未だに見てませんし。

>あと、UCはオルフェンズが初見ガンダムだった人は、UCも見てみたら
>いきなりビームやらファンネル出てきて「なんだこれ!?」ってなったでしょうね(笑)
 そういう点も大きく違う作品ですねーw 元がOVAということもあり、その辺りの知識は前提という印象を受けました。時間帯的に、お父さんが子供に説明してあげる感じになるのかしらん。



2016/04/03 (Sun) 13:28 | EDIT | REPLY |   

-  

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

2016/04/03 (Sun) 22:07 | EDIT | REPLY |   

ロゴ  

いきなり1話見逃したのかと思った。
あ、自分OVAで視聴済みです。

ビームの出ないガンダムからビーム主体のガンダムへ。
元がOVAですから書き込みが半端ないのは分かっている事ですが、改めて見ても美しい。
これ、結構細かい書き直しやってるそうで、スタッフの意気込みも窺えますね。

ファンネルの発したビームが点ではなく線でMSを切り裂くのを当時初めて見たときは結構衝撃を受けました。

今後結構おっさんホイホイな展開もありますのでお楽しみに。
しかし、OPは開き直り過ぎじゃないかと思いました。
それ出しちゃいますか。
まあ、リアルタイムでもデザインとかは結構先に出てたし問題ないと言えばないのか。(静岡でスカートの中を撮影したのも遠い思い出)
おもちゃ売り場行けばあるものだし。

2016/04/03 (Sun) 22:08 | EDIT | REPLY |   

闇鍋はにわ  

>ロゴさん

>いきなり1話見逃したのかと思った。
皆びっくりすると思います、あの始まりはw

>これ、結構細かい書き直しやってるそうで、スタッフの意気込みも窺えますね。
公式twitterでバナージの手の描き直しを紹介してましたね。OVA以上のクオリティを地上波で味わえるんだから贅沢なものです。

>ファンネルの発したビームが点ではなく線でMSを切り裂くのを当時初めて見たときは結構衝撃を受けました。
ファンネルはなるほど、確かに線になってるのは珍しいのか。点よりも無理ゲー感強いですよね。

>今後結構おっさんホイホイな展開もありますのでお楽しみに。
TV版のΖなどを見たのはかなり前なのでどれだけ気付けるか分かりませんが、視聴後の他の方の反応を頼りにしときますw
スカート……あー、あのOPで正面を捉えにくいように映ってる機体ですね。名前だけは聞き及んでます。むしろEDで登場前から死亡確定しているキャラの方がショックw

2016/04/04 (Mon) 22:24 | EDIT | REPLY |   

Leave a comment

4 Trackbacks

Click to send a trackback(FC2 User)
この記事へのトラックバック
  •  機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096 第1話「96年目の出発」
  • 機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096の第1話を見ました。 第1話 96年目の出発 西暦から宇宙世紀への改暦セレモニーが行われた日、地球連邦政府首相官邸のある宇宙ステーション・ラプラスが爆破テロで破壊され、テロに加わった青年サイアム・ビストは爆発に巻き込まれるが辛くも生き延び、後に『ラプラスの箱』と呼ばれることになる禁忌の箱を手に入れる。 それから、100年近くが経...
  • 2016.04.03 (Sun) 13:15 | MAGI☆の日記
この記事へのトラックバック
  •  【機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096】第1話『96年目の出発』キャプ付感想
  • 機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096 第1話『96年目の出発』 感想(画像付) OVAガンダムユニコーンを再編集したTVシリーズ。 元が劇場版フォーマットで制作されてるので、戦闘シーンの作画がすごい密度ですね! 内容的には、宇宙世紀のガンダムシリーズの設定を引き継いでますが、知らなくても楽しめそうかな? 1話の見所は、マリーダのクシャトリヤとスタークジェガンの戦闘!...
  • 2016.04.03 (Sun) 13:55 | 空 と 夏 の 間 ...
この記事へのトラックバック
この記事へのトラックバック
  •  機動戦士ガンダムUC:RE0096 第1話『96年目の出発(たびだち)』感想
  • 機動戦士ガンダムUC 1(ガンダム 35thアニバーサリー アンコール版) [Blu-ray]posted with amazlet at 16.04.03バンダイビジュアル (2014-06-06)売り上げランキング: 5,579Amazon.co.jpで詳細を見る  私はガンダムUCのOVA、全て視聴済みで且つ小説版も読了している人間です。  そんな私が、TV放送を見て感想を書こうと...
  • 2016.04.03 (Sun) 20:56 | 新・00をひとりごつ