1人じゃ無理だ/機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096 1話感想
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可能性の獣、地上波に立つ。
>拍手返信:雪光さん(オルフェンズ25話)
「死んでも生き延びやがれ」……この台詞が本当に良かったですよね。命を金に変えて生きてきて、そして仲間を失い、破滅へと突っ走ってきたからこその重み。切実な言葉でした。
ガエリオは当初からガルマポジを予想されていたわけですが、そのことを込みで多くの視聴者に惜しまれる存在になったのは本作のキャラ立ての上手さの証左の1つだと思います。敵キャラも魅力的な作品ですよね。
こちらこそ、たびたびの拍手コメありがとうございました。励みになりました。
機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096 第1話「96年目の出発」
©創通・サンライズ



宇宙世紀0096年、第二次ネオ・ジオン抗争から既に3年の月日が流れていた。アナハイム工専に通う学生、バナージ・リンクスは、往還シャトルの故障で実習施設への居残りを余儀なくされていたのだが……。大ヒット作品の地上波再編集版第1話。OVAの方は未視聴です。
1話50分のものをほぼそのまま真ん中でぶった切っているらしく、正にAパート相当の部分で終わるのに初見時は困惑したのだけど、見返してみるとバナージが「普通と違う」人間なのが進行の中に織り込まれていてミステリアスながらも印象的。
「何をしていても、その時を本当には過ごせていないような」という台詞に象徴されるように、彼は終始他の人とは違うものを見ているんですよね。プチモビで宇宙のゴミ掃除だか何かをしている時にムサイの残骸を見たり(その視線は友人に塞がれる。彼らにとってはムサイなんてどうでもいい)、「僕ら」的MSオタクなのであろうタクヤがザクを見てワクワクしてもバナージはそこに空いた穴の方を見たり、ひいては先述した台詞へのミコットの共感すら実際には共感できていなかったり。こうした静かに彼を主張する描写からは、自己と周囲のズレをやや諦観をもって認識している姿勢と、戦争あるいは人死への繊細な感覚を読み取ることができます。
一方で彼はそこにうずくまっているだけの少年というわけでもなく、その戦争あるいは人死への敏感さを行動に変える力も持っている。他の人にはコロニー内の空洞にしか見えない遠景に落下するオードリーの姿を見つけ、プチモビに搭乗して強引に借用、救助に向かった一幕は、彼の繊細さと行動力が同時に発揮された出来事と言えるでしょう。
この「普通と違う」という部分はまだ彼が乗っていない主役機・ユニコーンガンダムにも言えることで、テストパイロットはその速度に困惑する有様が示されています。「想定できる実戦状況を全てやる」のがテストですからけしてパイロットも腕が悪いわけではないのでしょうが、操縦するだけで彼は白い息を吐いている(その前に描写されたジェガンとクシャトリヤの実戦ですらそんなことはないのにだ)。テストを目撃された可能性がありながらも同乗者のカーディアスが「一瞬の幻にしか見えんだろうさ」と動じないところ、開発終了にあたっての秘匿ぶりや謎めいたシステムキーワードなど、ユニコーンガンダムが他とは違う機体なんだ、という前フリは確かに感じられました。
もちろん「普通と違うMS」であることを示すには「普通のMS」が必要なわけで。ジェガン隊とクシャトリヤの戦闘は早々にファンネルを飛ばしてその反則ぶりを示したり、スタークジェガンが歴戦の経験を感じさせる技量で抵抗したりと、この戦闘は「従来のMS戦の延長」としての性質に溢れています。もちろん、ハイクオリティであればこそ「普通」が輝くわけではあるのですが。何か本当に玄人な戦闘をしているらしいのですが、その辺りの詳説は他の方にお願いしますw
さて、普通の人間とのズレを感じながらもおとなしく過ごしてきたのであろう彼は、戸惑いながらも明らかに普通と違う少女、オードリーに向かって手を伸ばした。そのズレをどうにかするのは「1人じゃ無理だ」だったわけだけど、この出会いはどんな可能性をもたらすのでしょう。次週を楽しみにしたいと思います。
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