人が人を信じるのは/ 機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096 2話感想
- CATEGORY: Wisp-Blog
- TAG: アニメ_2016年春アニメ

リゼル、安価なメタスとジェガンを配合して可変MSを量産するって合理的よね。
機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096 第2話「最初の血」
©創通・サンライズ



戦争を止めるという少女は、自らをオードリーと名乗った。追跡をくぐり抜けビスト財団へとたどり着いたバナージは、不思議な既視感に襲われ……流れる血、第2話。 あー、そうかOVA1話が50分ならTV版は3週分になるのか、と改めて先週冒頭でユニコーンガンダムの起動を描いた意味を理解して得心。
序盤の正に「ローマの休日(見たことないけど)」的なバナージとオードリーの触れ合いが微笑ましさを交えつつある程度気軽に見られる分、その後のカーディアスとジンネマンのやりとりと戦闘シーンの重なりの情報量の多さに頭が痛くなる。特にここで語られているのは説明というよりニュータイプという概念だからなおさら。もっともニュータイプの歴史は正に宇宙での戦争の歴史と同じ時を歩んできたものだし、それが撃墜王と混同されてゆくという意味で会話と戦闘が重なることには意味があるし、ニュータイプへの誤解と同様にカーディアスとジンネマンの会談が誤解で流血に終わる(人が人を信じるのは本当に難しい)というのは歴史の再演でもあるわけですね。そもそもギラ・ズールがリゼルに仕掛けたのも見つかったと「誤解」したからのようだし。
同時にこの意思疎通の難しさというのは、バナージとオードリーのやりとりから連続しているものでもあります。バナージは彼女に今まで自分が感じていたズレを元に戻してくれる何かを感じて、だから彼女を手伝おうとする。実の親の顔を知らず、友人とも違いを感じながら生きてきた彼が「俺と同じだ」と言う。そこにこれまでにない期待が込められていたのは想像に難くないし、カーディアスに退去を促された時のバナージの「必要だって言ってくれ」という言葉に至ってはほとんど決め台詞になってもいいものです。でも、それはオードリーには届かない。彼女はあくまでバナージの安全を考えて「必要ない」と言い放つ。人が人を信じるのは本当に難しい。
宇宙世紀の、ガンダムの歴史の中でニュータイプは高い戦闘能力を持つ人間という「レプリカ(作中で2回もこの単語を出すのが示唆的だ)」に置き換えられてきたわけだけど、そうではないオリジナルを取り戻すことができるのか。バナージはオードリーと本当の意思疎通をすることができるのか。マクロとミクロでテーマの重なりが見えてきたようにも思えた第2話でした。次回が楽しみです。
関連:
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 感想リスト
機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096 感想リスト
機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096 第1話「96年目の出発」

にほんブログ村
【言及】
http://magi111p04.blog59.fc2.com/blog-entry-2553.html
http://natusola.blog105.fc2.com/blog-entry-4862.html
http://grhm2307.blog.fc2.com/blog-entry-212.html
http://animegane1216.blog.fc2.com/blog-entry-3799.html
http://riksblog.fool.jp/public_html/mt5/anime/now/2016/04/guctv-2.html