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人が人を信じるのは/ 機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096 2話感想


 リゼル、安価なメタスとジェガンを配合して可変MSを量産するって合理的よね。



機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096 第2話「最初の血」
©創通・サンライズ
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 戦争を止めるという少女は、自らをオードリーと名乗った。追跡をくぐり抜けビスト財団へとたどり着いたバナージは、不思議な既視感に襲われ……流れる血、第2話。 あー、そうかOVA1話が50分ならTV版は3週分になるのか、と改めて先週冒頭でユニコーンガンダムの起動を描いた意味を理解して得心。
 序盤の正に「ローマの休日(見たことないけど)」的なバナージとオードリーの触れ合いが微笑ましさを交えつつある程度気軽に見られる分、その後のカーディアスとジンネマンのやりとりと戦闘シーンの重なりの情報量の多さに頭が痛くなる。特にここで語られているのは説明というよりニュータイプという概念だからなおさら。もっともニュータイプの歴史は正に宇宙での戦争の歴史と同じ時を歩んできたものだし、それが撃墜王と混同されてゆくという意味で会話と戦闘が重なることには意味があるし、ニュータイプへの誤解と同様にカーディアスとジンネマンの会談が誤解で流血に終わる(人が人を信じるのは本当に難しい)というのは歴史の再演でもあるわけですね。そもそもギラ・ズールがリゼルに仕掛けたのも見つかったと「誤解」したからのようだし。

 同時にこの意思疎通の難しさというのは、バナージとオードリーのやりとりから連続しているものでもあります。バナージは彼女に今まで自分が感じていたズレを元に戻してくれる何かを感じて、だから彼女を手伝おうとする。実の親の顔を知らず、友人とも違いを感じながら生きてきた彼が「俺と同じだ」と言う。そこにこれまでにない期待が込められていたのは想像に難くないし、カーディアスに退去を促された時のバナージの「必要だって言ってくれ」という言葉に至ってはほとんど決め台詞になってもいいものです。でも、それはオードリーには届かない。彼女はあくまでバナージの安全を考えて「必要ない」と言い放つ。人が人を信じるのは本当に難しい。

 宇宙世紀の、ガンダムの歴史の中でニュータイプは高い戦闘能力を持つ人間という「レプリカ(作中で2回もこの単語を出すのが示唆的だ)」に置き換えられてきたわけだけど、そうではないオリジナルを取り戻すことができるのか。バナージはオードリーと本当の意思疎通をすることができるのか。マクロとミクロでテーマの重なりが見えてきたようにも思えた第2話でした。次回が楽しみです。

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2 Comments

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リゼルって強かったんだなぁ…。(遠い目)

メタスってZだとヤラレメカ的な扱いだったけど、MSV世界では割とエポックメイキングな機体で、ZIIなんて機体があったり、本作でもリゼルがあったり。
量産考えたら変形が複雑なZってどう考えても無理なんですよね。(とかなんとか言いつつZplusなんてとんでもないモノがいたりしますが、たぶん総数は多くはないかと)
結果背負い式のオプション付けたり、構造の簡単なメタス式が採用されたり。
資源の豊富な連邦にはこちらの方がやはり合ってるのでしょう。
だいたいUC0086辺りだと周りのMSの進化度合いが凄まじすぎて、メタスは出た時代が悪かったとしか言い様がないです。
これにカミーユやアムロが乗ったらどれくらいの戦果を上げたんだろうか。

OVA1本が3話分ですが、待ち時間の短さは半端ねえぞ。
OVAもコンスタントに出てくれればいいですが、後半に進むにつれて公開まで長くなるのが結構多くて困る。
UCはマシな方だったけど。

2016/04/11 (Mon) 23:50 | EDIT | REPLY |   

闇鍋はにわ  

>ロゴさん

ヤラレメカと言うかサポートメカと言うか。この機体にビームサーベル何本も積む意味が分からないw 確かにMSVでの開発系統図的な活躍の方が目立ちますね。メタス・マリナーだのガンキャノン・ディテクターだの発展性・拡張性有り過ぎ。ゼータプラスはバリエーション豊かですし、連邦系の高級量産機としてはかなり大盤振る舞いという印象を受けます。
メタスは他の機体が進化の袋小路に入る中、独自の道を確保できた機体なのじゃないでしょうか。

公開・発売時期が確定されていない作品はどうにも製作が遅れがちですね。まあその代わりのクオリティの高さもあるわけですし痛し痒し。

2016/04/12 (Tue) 23:37 | EDIT | REPLY |   

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  • 2016.04.10 (Sun) 19:48 | 新・00をひとりごつ
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