悪いとは思っている/クロムクロ3話感想
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来週後半より、帰省のため感想に遅延が発生する見込みです。すみません。
クロムクロ 第3話「城跡に時は還らず」
©クロムクロ製作委員会



ひとまず敵を退け終わった戦闘。改めて見る世界は剣之介にとって筆舌に尽くし難いもので……
受け入れる時の流れ、第3話。剣之介が人々を、人々が剣之介を信じる過程を丁寧に描いているのが好感。和尚は同じ人間として自分達を信じてほしい……と説諭するわけですが、剣之介の方も自分を信じてほしいと言っているのですよね、小春の救出の助力を由希奈に乞う時に。Aパートでは人質と告げていたのが、この時は拘束具のスイッチを自ら渡して。自分を信じてほしいと語れるのは、自分が相手を信じようとしているからに他ならない。
もちろんこの関係を作るにはクッションが必要なわけで、そこに様々なアイテムを用いているのも面白いところ。
黒部ダム付近と違って姿そのものは残している富山城は、武士という概念の消失を剣之介に伝える強烈な遺構です。見覚えのないものが新しく居座っているのでもなく、朽ちて打ち捨てられているわけでもない。それは自分が生まれた時代の価値観が無用のものになっているということなのですから。言わばアイデンティティが崩壊してしまっているわけで、だから剣之介は混乱する。
そんな彼にとって彼の知る服を着て(由希奈の服装だって剣之介には疑念の素となるものだ)、説教臭いことを言う薬師和尚はもっとも「昔との繋がりがある者」です。だから耳も傾ける。
そして自らの意義を失っている剣之介に、小春は「侍」というアイデンティティを付加する。姫を守れず、自分を武士でもなく「武弁」と呼んでいた彼の自己認識と視聴者の彼に対する認識がここで一致を始めます。いや、小春の言う侍は時代劇で脚色されたものではあるのですが、言語としては一致しますし、何より小春が見ていた一対多の時代劇は先週のバトルにそっくりなのですから。当初は剣之介を「サムライボーイ」と呼んでいたトムが、共闘の際は「サムライ」と呼び方を変えていたのは、剣之介に対する認識の変化が見える地味に気の利いた台詞回しでした。頑固さと言うよりは照れの方が感じられる由希奈の制服への言及、小春への接し方など剣之介のこれまでと違った一面の見れる回でもあったなあ。
しかし300トンとか城並みとか改めてデカイな重いなクロムクロ。この「城と比べる」というのはなんとも日本的なスケール感で楽しい。
関連:
クロムクロ 感想リスト
クロムクロ 第1話「鬼の降る空」
クロムクロ 第2話「黒き骸は目覚めた」

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