この扉を見つけなかったら/うしおととら30話感想
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帰らずの旅、それは未知との出会いの旅。
うしおととら 第30話「不帰の旅」
©藤田和日郎・小学館/うしおととら製作委員会



対妖怪組織の指揮官となっていた厚沢を、ジエメイを名乗る女性が訪ねる。一方、うしおの所にも面会を求める者がいると自衛官が現れ……
終わりの始まりの時、第30話。今回のクライマックスは言うまでもなくうしおととらの再演なわけですが、再演されたのってそれだけではないのですよね。突然トラック、というのはHAMMR登場回に重なるし、流のトラック切断は彼が伝承者候補としてうしおと相対した時の出来事だし。この共通点はシチュエーションに限った話ではなく、彼らのうしおに対する記憶にも適用されています。
敵に回った流はうしおの事を忘れていない。かつての杜綱悟のように操られているのなら、記憶を奪われているのなら良かったのにうしおの事を覚えている。理由は明かされていないけれど覚えているからこそ敵になり、それがうしおを打ちのめす。
かつてうしおを利用しようとした博士達もうしおの事を忘れていない。うしおもあの事件による大きな被害を覚えているからこそ彼らへのわだかまりを消せないまま接する。でもあの事件があったからこそ博士達の心には変化があり、彼らはうしおに的確な助言と協力を与えられる。それがうしおを勇気づける。
単純に差し引きできるものではありませんが、こうした真逆の結果をもたらした積み重ねを起点を意識させる形で描くことで擬似的に時間を巻き戻し、うしおととらの出会いを見つめ直させるシーンに結実するというのは力強かったなあ。彼らのまとう鎧も、これまでの出来事で得た経験や考え方の変化、手にした力の具現としてとても分かりやすかった感。……とらの鎧のデザインはまあ、その、なんだけど(目逸らし)
うしおの家は壊れてしまったけれど、彼の宝物やとらと出会った蔵はまだ残っている。扉を開いた先の非日常の中にも、彼の得たものは確かにある。「不帰の旅」という副題に違わない内容でありながら、悲壮さよりも気持ちよさの勝る回でした。
関連:
うしおととら リスト
うしおととら 第1話「うしおとらとであうの縁」
うしおととら 第2話「石喰い」
うしおととら 第3話「絵に棲む鬼」
うしおととら 第4話「とら街へゆく」
うしおととら 第5話「符咒師 鏢」
うしおととら 第6話「あやかしの海」
うしおととら 第7話「伝承」
うしおととら 第8話「ヤツは空にいる」
うしおととら 第9話「風狂い」
うしおととら 第10話「童のいる家」
うしおととら 第11話「一撃の鏡」
うしおととら 第12話「遠野妖怪戦道行~其の壱~」
うしおととら 第13話「遠野妖怪戦道行~其の弐~」
うしおととら 第14話「婢妖追跡~伝承者」
うしおととら 第15話「追撃の交差~伝承者」
うしおととら 第16話「変貌」
うしおととら 第17話「カムイコタンへ」
うしおととら 第18話「復活~そしてついに」
うしおととら 第19話「時逆の妖」
うしおととら 第20話「妖、帰還す」
うしおととら 第21話「四人目のキリオ」
うしおととら 第22話「激召~獣の槍破壊のこと」
うしおととら 第23話「永劫の孤独」
うしおととら 第24話「愚か者は宴に集う」
うしおととら 第25話「H・A・M・M・R~ハマー機関~」
うしおととら 第26話(最終回)「TATARI BREAKER」
うしおととら 第27話「風が吹く」
うしおととら 第28話「もうこぼさない」
うしおととら 第29話「三日月の夜」

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