言葉を知らんな/クロムクロ4話感想
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笑顔を崩さない店員の鑑。
クロムクロ 第4話「異国の味に己が境遇を知る」
©クロムクロ製作委員会



白羽家の世話になることになった剣之介だが、何から何まで自分の生きた時代と違う様子に戸惑う。一方の由希奈も剣之介に振り回され……戸惑いと接点の第4話。
現代日本へとやってきた剣之介にとっては見るもの聞くもの全てがカレーのように刺激的なのですが、彼がそれに慣れるのが今回の主題というわけではないように思います。序盤こそカレーの見た目≒田畑の傍らにあるアレの見た目に始まりギャグが中心になるものの、落下した他の大型ジオフレームの動静や由希奈の過去が折に触れては差し挟まれ、終わり方もほっこりする形ではないからです。折に触れて描かれ最後を飾るもの、それはもちろん「鬼」。
そしてこの鬼、剣之介と由希奈を繋ぐ唯一の明確な接点でもあります(視聴者目線では由希奈が鷲羽の傍系の子孫なんだろうなと推測してしまいますが、作中では現状、他人の空似なので)。戦乱の世に生きた剣之介は鬼との戦いで姫を失った。平和な世の中で育った由希奈は鬼伝説に関連して父が消息を絶ち、自らも嘘つき呼ばわりされた。現代へやってきて全てが嘘のようにすら思える剣之介にとっては鬼だけが唯一過去と明確に繋がる事実であり、逆に現代を生きてきた由希奈にとってはこれまで鬼の存在だけが明確な嘘だった。2人にとっては、大切なものの喪失も事実も嘘も、全ては「鬼」に繋がっている。そういう、違う世界を生きてきた2人の共通点を炙りだしたのが今回だったように僕は思ったのでした。
もちろん、今回はテンプレ侍の現代とのギャップあるある劇としても非常に面白い。歴史考証をものすごくまじめにやると今回ドラマの殺陣に憤慨していた剣之介どころでは済まない気もしますが、そんなのやってるといくら時間があっても足りないだろうしなあ……サラブレッドの足の長さをどう思うかとか酒飲みたいと思ったりしないんだろうかとか、想像するとそれだけでコミカルではある。テレビドラマによって「箱の中に人が入っている」という誤解を解いてクロムクロの移送を剣之介に理解させたり、現代の建物などを分からせたりと、さりげに今後の進行に支障をきたさない説明もなされていました。
さてさて、異国のように考え方の違う2人の関係性は「同い年」という共通点でまず変わったわけですが、鬼というもう1つの共通点がどのように影響を及ぼしていくのか。今後がとても楽しみです。
関連:
クロムクロ 感想リスト
クロムクロ 第1話「鬼の降る空」
クロムクロ 第2話「黒き骸は目覚めた」
クロムクロ 第3話「城跡に時は還らず」

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