決まりなんてない/コンクリート・レボルティオ17話感想 


 久方ぶりの辻真先脚本回ですが、9話「果てしなき家族の果て」と言いなんでこんな脚本が書けるんだこのお方は(;´Д`)



コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜THE LAST SONG 第17話「デビラとデビロ」
©BONES・會川 昇/コンクリートレボルティオ製作委員会
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 北陸で起きた寝台急行の火災事故に関連がないか、自分と同格の妖怪「デビラ」を確認しに行く笑美。そんな折、新宿にはデビラの弟のデビロが現れ……? どこまでも自由な者、第17話。
 今回はほぼ全編を通して登場人物や視聴者が誤解を繰り返す作りになっているのが印象的。冒頭の寝台急行の火災事故が超人の仕業だと世間が「誤解」していることが示されるわけですが、かと言って超人課が真実を知っているというわけでもない。その事がよく示されているのがデビラに言及するシーンで、笑美の「あの人は私みたいに人間と仲良くするつもりないから」という説明が直後に孫竹によって上書きされています。「デビラという女は人間嫌いだ」と。でも、当のデビラは人間に危害を加えるどころか旅立ちの際にカップルを見て微笑んですらいる。孫竹の言葉は笑美の言葉を上書きするのに矛盾する言葉ではないけど、事実ではない=誤解なわけです。

 こんな具合で超人課はデビロの言葉の力に特殊性や危険性を当てはめたり(孫竹は再び「超人の能力に決まっている」とか決めつけちゃうw)、国家公共保安部は侵略だと断定し、爾朗は侵略を止めようとしたり超人課がデビロを保安部との取引に利用するつもりだと勘ぐったり、登場人物は誤解を重ねていきます。騒ぎの発端であるデビロの能力ですら誤解と思える描写は多く、輝子が言うようにデビロは普通のことしか口にしておらず、デビロは喋る時にエフェクトがあるわけではない。彼についていった一般人も途中で雑談していて、いわゆる催眠状態的な表現は排除されている。
 他にも横に動くエレベーター、新宿西口「通路」(この場所は「反戦フォークゲリラ事件」なるものの結果として公的には広場から通路になったのだそうです)、まばたきしたと受け取られる「新宿の目」、ジャガーがデビロをくわえたと思ったら変わり身の術、赤光の足下にいるのはいるのは危険な超人ではなくズナマン、ポスターだと思っていた所から現れるニンジャもとい公共保安部etc……この回は大量の誤解に満ち溢れています。白眉と言えるのはデビラ達の肉体で、人型であることや直後の笑美達のマントル旅行でてっきり大きさも人間並みだと思ってしまうわけですが……

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 はいゴメンナサイ誤解してましたwww しっぽが大きくなって足がなくなる状態こそ1人前の姿であること、地下に住んでいるがそれは地下を「海として」住んでいるというというのもまた誤解ですね。その説得力にナマズモチーフの生物を持ってくるというのがまたすごく上手いなあ……

 誤解というのは決めつけであり、決めつけというのは「決まり」なわけですが、デビロはそんなものは無いと言う。宇宙を股にかける大きさの彼らにかかれば、それまで作中で何度か言われた「かわいい」という言葉も地球にまで適用できてしまう。今回は宇宙というスケールを使った肉体的な自由で、心の自由を描いたお話であったように思います。
 デビロの言葉の中で人の集まりは鳥や花に例えられるけれど、人は鳥や花になることはできない。僕は他人に、ましてデビロになることはできない。けれど、同じ場所に住むことができる。人がデビロと同じ宇宙に行けるかもしれないように、僕もデビロと同じ視座に立つことはできるかもしれない。うわあ、ホントなんて壮大なんだ……!

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コンクリート・レボルティオ~超人幻想~ 第8話「天弓ナイトをだれもしらない」
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コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜THE LAST SONG 第16話「花咲く町に君の名を呼ぶ」

漫画感想(「コンクリート・レボルティオ~超人幻想~」1巻)

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Posted on 2016/05/02 Mon. 22:45 [edit]

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コメント

ミスリードのオンパレードという見方は面白かったです。
デビロの言葉にしても、一般人が普通についていってるように見える一方、赤光の目からハイライトが消えるという「やっぱり特殊能力なんじゃないか」と思わせる描写もあって、結局どっちなんだよと。
弟のおつきがナマズだったのは、地震以上に「ひょうたんなまず」という意味合いがあるのかもしれません。
こういうスケールが大きくて抽象度の高いお話は、7~80年代SFのにおいがとても濃く、懐かしくて心地よいです。

#JdUD/Bzk | URL | 2016/05/03 05:43 * edit *

>デビロの言葉にしても、一般人が普通についていってるように見える一方、赤光の目からハイライトが消えるという「やっぱり特殊能力なんじゃないか」と思わせる描写もあって、結局どっちなんだよと。
そういえば、あそこは一瞬心を奪われたような表現でしたね。デビロの最後の言葉に1番動揺していたようにも見えますが、彼、どう思ったのだろう。

>弟のおつきがナマズだったのは、地震以上に「ひょうたんなまず」という意味合いがあるのかもしれません。
おおー、瓢鮎図は知っていましたが、そこから転じて「とらえどころのない人(物)」を指すというのは初めて知りました。勉強になりました。何重にもすごいんですねえ、この設定……
7~80年代のSFも詳しくないのですが、そこに重ねているというのはまたすごいことだなと思います。

闇鍋はにわ #dvQckJnQ | URL | 2016/05/03 16:31 * edit *

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