考えといた方がいいよ/クロムクロ13話感想
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かつてふんどしにされたのと同じマークのついたハンカチを今度は渡す、というのが距離感の縮まりを感じさせてなんともこそばゆい。
クロムクロ 第13話「祭囃子に呼ばれて」
©クロムクロ製作委員会



危険が迫っているからこそ、と文化祭が開かれることになった立山国際高校 。由希奈達のクラスはエフィドルグに関する討論会を行うことにしたのだが……新たな鬼の驚愕のおもて、第13話。今回はソフィーの言う「ハレとケ」=「非日常と日常」が印象的。しかもそれが完全に二分されているわけではないのが面白い。
文化祭をソフィーは「ハレ」=「非日常」としていますが、茉莉奈は「日常」=「ケ」としています。つまり、今回の主な舞台である文化祭は非日常と日常両方の性質を持たされているのですね。
そして、この交錯は冒頭の戦闘から既に示されています。ショッピングモールとムエッタという組み合わせは日常と非日常が一緒に映っている場面だし、ロボ戦の舞台が「市街地」というのも同様。また、襲撃開始が省かれたことで敵の襲撃の特別さ、すなわち「非日常」性も薄れています。由希奈にしても怯える様子は見せないし、剣之介も街を壊さないということを既に心得ているしで、言わば戦いという「非日常」は彼らの「日常」となりつつあるわけです。
また、文化祭を回る由希奈と剣之介もドキドキの進展イベントがあるのではなく、そこでのやりとりは2人の会話のバックで流れるものに留まります。ある意味こちらはイチャイチャの日常化と言うかwww
ここまでくると日常と非日常が同一化しているというよりは逆転しているとすら言え、そしてそれに1番当惑しているのは剣之介だったりします。

剣之介「俺から見れば、この世界は毎日が祭りのようだ」
戦が日常、平和が非日常の世界から、平和が日常、戦が非日常の世界へ。戦いが終わったら死ぬという考えこそ改めたものの、剣之介にはその後で自分がどうしたいというような考えは定まっていない。討論会で彼が「俺は鬼を斬る。ただそれだけだ」とソフィーに言われたことを繰り返し喋るのもコミカルではありますが結構深刻で、実際剣之介にはそれ以外に言葉がないわけです。


由希奈「だって、これからも剣之介はこのお祭りみたいな世界で生きていくんだよ」
そういう剣之介を見守る「平和が日常、戦が非日常の世界」のヒロインが由希奈であり、「戦が日常、平和が非日常の世界」に引きずり戻すのが雪姫そっくりのムエッタであるというのは、彼に求められる選択がドラマチックに結びついていて嫌でも今後の興味をかき立てられるなあ……もちろん、日常と非日常の溶け込みという点で今回のテーマに繋がるムエッタのラーメン屋や学祭入場口での行動が、進行のスマートさと滑稽さを兼ね備えているのも素直に上手い。次週が待ち遠しいです。

しかし7話で出ていた委員長が再登場して良かった……! 彼女が座るど真ん中最前列の席は先週武隈先生に隠れて見えなかったから、もしかしたら帰国・疎開組なんじゃないかと……!( ´Д`)=3
関連:
クロムクロ 感想リスト
クロムクロ 第1話「鬼の降る空」
クロムクロ 第2話「黒き骸は目覚めた」
クロムクロ 第3話「城跡に時は還らず」
クロムクロ 第4話「異国の味に己が境遇を知る」
クロムクロ 第5話「学び舎に来た男」
クロムクロ 第6話「神通の川原に舞う」
クロムクロ 第7話「東雲に消ゆ」
クロムクロ 第8話「黒鷲の城」
クロムクロ 第9話「岩屋に鬼が嗤う」
クロムクロ 第10話「不遜な虜」
クロムクロ 第11話「闇に臥したる真」
クロムクロ 第12話「黒部の夏に地獄を見る」

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