fc2ブログ
Welcome to my blog

Wisp-Blogは移転しました

ARTICLE PAGE

私も信じたい/機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096 15話


 ゼータプラスもたいがいだけど、ジェガンのバリエーションの差異まで把握するのは僕にはちょっと無理。



機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096 第15話「宇宙で待つもの」
©創通・サンライズ
160724_03.jpg
160724_04.jpg
160724_05.jpg
 宇宙へと上がるガランシェールだが、エンジンの不調により十分な高度が出せない。ネェル・アーガマの射出したケーブルと接続すべく、バナージはガランシェールを引っ張りあげ……理想と現実と「それでも」と、第15話。
 今週は再び舞台が宇宙に戻り作品開始当初の面々がおおよそ揃うわけですが、それによってこれまでのおさらいや本作の縮図を描いているのが印象的。まずもって最初のテザーケーブル接続におけるバナージの奮闘は本作の理想を描いた場面と言え、連邦のネェル・アーガマとジオンのガランシェールをユニコーンガンダムが繋ぐというのは「私達、ネオ・ジオンと連邦の人達が本当に上手くやっていけるか」という後のオードリーの言葉を体現しています。それは機体が裂けかねないほど、バナージを引き裂きかねないほどの負荷を強いるものだけど彼はそれに屈しない。そんな彼に力添えするのが、かつてその死がバナージを怒りと悲しみの重力の井戸に叩き落としたダグザとギルボアというのは実に優しかったなあ……等価の喪失だけでなく、等価の救済としてまで機能するのは、繰り返しになるけど優しい。
 けれど現実はそこだけで展開されるわけではなく、両船は既に連邦とネオ・ジオンの双方のくくりから外れてきている。連邦のゼネラル・レビルは全てを謀殺しにかかるし、ネオ・ジオン(袖付き)のフル・フロンタルは情ではなく利を持ってそれを妨害する(殺さないのもバナージとは異なり、あくまで心証のためだ)。バナージがもたらした温かな敵味方共存という状況が、冷徹さだけでできた共食いや共闘によって上書きされるというのはなんとも残酷です。
 「それでも」、バナージとオードリーは箱の開放という目的を諦めない。当初は訳の分からない箱なんてと思っていたバナージと、箱は再び封印すべきと考えていたオードリーが、それぞれ全く違う経験をしてきたのに同じ方向へ向かうのは、それだけで「上手くやっていく」ことへの希望を感じさせるし、2人が異なる過去を共有していく様も美しい。

 同時に今回は、様々なものの立場が変わる回でもあります。これまでバナージは連邦とジオン双方を敵や味方と区別しておらず、その色彩はどちらかと言えばバナージに明示的な影響を与えたジンネマンのガランシェールにも見えるものでしたが、今回ガランシェールは囮に使われ沈む。一方でネェル・アーガマはゼネラル・レビルに狙われたことで印象論ではなく連邦とジオンのどちらが敵とも言いがたい状況に陥ってしまう。あくまでも一個人であるバナージと異なり、集団であるネェル・アーガマが彼の本拠になるにはこういう立場が必要になってくるのですね。バナージが繋いだからこそ、役割がガランシェールから引き継がれたという風にも読めますが。
 また、ミネバに決定的に振られたリディはロンド・ベルからも離れ、ビスト財団のバンシィへとその映し身を変える。この辺り色の変化がよく使われていて、好青年だった当初は青のリゼル、バナージへの反感を育ててゆく時期は灰色のデルタプラス、憎しみもあらわな現在は黒のバンシィというのはちょっとできすぎなくらいではあるwww 同時に箱の守護者、ユニコーンの対と、リディはこれまで持っていなかった力でのバナージとの三角関係を手に入れたわけでもあり。彼のままならない思いが何をもたらしていくのかは、今まで以上に目が離せません。

関連:
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 感想リスト
機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096 感想リスト

機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096 第1話「96年目の出発」
機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096 第2話「最初の血」
機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096 第3話「それはガンダムと呼ばれた」
機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096 第4話「フル・フロンタル追撃」
機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096 第5話「激突・赤い彗星」
機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096 第6話「その仮面の下に」
機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096 第7話「パラオ攻略戦」
機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096 第8話「ラプラス、始まりの地」
機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096 第9話「リトリビューション」
機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096 第10話「灼熱の大地から」
機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096 第11話「トリントン攻防」
機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096 第12話「個人の戦争」
機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096 第13話「戦士、バナージ・リンクス」
機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096 第14話「死闘、二機のユニコーン」


にほんブログ村 アニメブログ アニメ感想へ
にほんブログ村

【言及】
http://natusola.blog105.fc2.com/blog-entry-5218.html
http://riksblog.fool.jp/public_html/mt5/anime/now/2016/07/guctv-15.html
http://magi111p04.blog59.fc2.com/blog-entry-2643.html
http://animegane1216.blog.fc2.com/blog-entry-4185.html
http://mizuho-diary.seesaa.net/article/440420996.html
このエントリーをはてなブックマークに追加

4 Comments

MITSUKI  

ゼネラル・レビルはZガンダムに登場したドゴス・ギア級2番艦で
全長630mという、宇宙世紀ガンダムでも最大級の戦艦ですが
それとそのMS隊をたった1機で手玉にとるフロンタルさんw

2016/07/24 (Sun) 20:39 | EDIT | REPLY |   

闇鍋はにわ  

他の艦と一緒に映らないので分かりづらいですが、随分な大きさですよね。
オマケにやられた小隊の名前はゲームの主人公と同名という……
過去の資産を徹底的に使ってやるぜって感があります。

2016/07/25 (Mon) 21:40 | EDIT | REPLY |   

ロゴ  

安心してください、ジェガンバリエーションは自分も識別しきれません。
昔ならもうちょっと出来たと思うんですが、最近こういうの増えすぎで。
買ってない模型誌やゲーム初出の機体まで知るか、ってところです。

ゼネラル・レビルのミサイル発射のシークエンスが無駄にかっこいい。
久しぶりに杜王町から出張してきたアンジェロさんとフロンタルの暴れっぷりに完全にかすんでしまいますが。
リゼル・ディフェンサーも高性能機なんですが相手が悪すぎる。
リゼルはシナンジュの相手が多くてどうもヤラレメカの印象が付いてしまいますな。
悲運の名機だなぁ。

さてさて、いよいよ僕らの知ってるリディさんが登場しました。
もうほとんど出世魚ですね。

2016/07/25 (Mon) 22:12 | EDIT | REPLY |   

闇鍋はにわ  

>ロゴさん

>安心してください、ジェガンバリエーションは自分も識別しきれません。
 ジェガンの場合、名称上の差異が型番に留まるものが多いのも原因でしょうかね。ザクみたいに○○型とあればもうちょっと分かりやすいんですが。スタークジェガンも増えてるし。

>ゼネラル・レビルのミサイル発射のシークエンスが無駄にかっこいい。
 スカーレット隊ほど様にならないわけではないですね、本当に相手が悪い。アンクシャもそうですが、リゼルは他の作品で何か救済の欲しいなと思います。デザインラインはだいぶ好み。

>さてさて、いよいよ僕らの知ってるリディさんが登場しました。
>もうほとんど出世魚ですね。
 ジェガン派生→ガンダムもどき→ガンダムですもんね。心情の変遷としてもふさわしいんじゃないかと。

2016/07/26 (Tue) 23:30 | EDIT | REPLY |   

Leave a comment

5 Trackbacks

Click to send a trackback(FC2 User)
この記事へのトラックバック
  •  機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096 第15話「宇宙で待つもの」
  • 機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096の第15話を見ました。 第15話 宇宙で待つもの 地球軌道上のネェル・アーガマはテザー推進でガランシェールを回収するためにバリュートを展開し、熱圏上層に接近していた。 戦闘により機体が損傷して大気圏離脱が困難なガランシェールを救出するため、ネェル・アーガマから射出されたテザー・ケーブルとガランシェールのグラップル・ブームを繋ぐ作...
  • 2016.07.24 (Sun) 12:04 | MAGI☆の日記
この記事へのトラックバック
この記事へのトラックバック
  •  機動戦士ガンダムUC RE:0096 第15話 『宇宙(そら)で待つもの』 ユニコーン真の覚醒!サイコフレームが赤から緑へ!!
  • それは嘗てアムロが放った光。アクシズを超自然的な力で動かして、地球への降下を阻止した謎の力。この現象を後の連邦では「アクシズ・ショック」と名付けた模様です。感慨深げに見るのはブライト。逆に戦慄しているのはマーサとアルベルト。ニュータイプの持つ得体のしれない力の象徴だからでしょうか。 辛くもネェル・アーガマとランデブーしたガランシェール。連邦とジオンの船が協力するという一種異様な光景。しかし感...
  • 2016.07.24 (Sun) 15:25 | こいさんの放送中アニメの感想
この記事へのトラックバック
この記事へのトラックバック
  •  【機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096】第15話『宇宙(そら)で待つもの』キャプ付感想
  • 機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096 第15話『宇宙(そら)で待つもの』 感想(画像付) 宇宙に帰ったバナージたちをゼネラル・レビルが襲う! ピンチを救ったのはフル・フロンタル。 なんというシナンジュの無双w 赤い彗星の再来ですね。 一方、ガンダム憎しに染まったリディはバンシィに乗り込む!? マスクする姿がVガンのクロノクルみたいで、すでに敗北フラグしか見えないw...
  • 2016.07.27 (Wed) 00:04 | 空 と 夏 の 間 ...