あとはお前しだい/クロムクロ17話感想
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クロムクロの背中に翼、剣之介の背中に由希奈。これが重なってると考えるのはロマンチックが過ぎるかしらんw
クロムクロ 第17話「雲中に鬼が舞う」
©クロムクロ製作委員会



監視カメラの映像から、ムエッタが刺されたことを知った剣之介。心中穏やかならぬ彼は、クロムクロで捜索に出るのだが……新たな力、17話。
不自由を描いた前回と対象的に、今回は様々な形で「自由」を描いているのが印象的。なにせ荷物を運んでくるのが「自由の国」アメリカの輸送機w キャッチコピーに違わず彼らは到着時刻やその連絡も杓子定規から外れてとても自由だし、受け入れ側の由希奈の母もそのあたりおおざっぱで、どころか整備班との約束を忘れすらする。由希奈にしても、皆が剣之介が敵か味方かと考えている中で1人ジュースを飲んだりスマホをいじったり、レーダーで見つけた熊に和んだりとそうした緊張感からはある程度解き放たれています(もちろん不真面目というわけではなく、切り替えができているというのが正しい)。2人の剣之助への態度は、由希奈の母は「それはそれ、これはこれ」で剣之助を信頼していること、由希奈はソフィーと違って利敵行為じみた剣之助のムエッタへの行動を見ていないことが大きいのかな。
こうした自由は敵にも言えることで、ヨルバはムエッタが死んでいても回収しようとする一方、ミラーサに対しては「死んだらかわいがってやるよ」ととんでもないことを言い出す。彼はちょっと奇妙なところで「生死に対して自由」なわけです。操るブルーバードも落下コースを変えることすら可能で、人の姿からも重力からも自由。
そしてそれを相手取るクロムクロは、今回ろくに動くことができません。なぜって、ムエッタと姫の謎に縛られる剣之介のように宙空で自由を奪われているからです。今回の戦闘は、迷う剣之介の心が戦況にも投影されているわけですね。最終的にクロムクロは新たに得た翼でブルーバードを撃退するわけですが、まだ合体は謎の力であってそれをものにしたわけではありません。なにせ剣之介自身が現状、さきほど言ったような心を囚われた状況から脱せたのではないわけですから。
ただ、一時であれクロムクロが飛べたーー自由を手にできたのだから、剣之介にだって今心を捕えているものから脱することができる可能性はある。そしてそれは姫のことに限らず、鬼が鷲羽の家を滅ぼしたという考えすら「捕えているもの」の内なのかもしれない。そう言う可能性を示したのが今回の話だったのではないかな、と思います。さてさて、剣之介とクロムクロが自らの意思で翼を手にするのはどんな時なのでしょう。
関連:
クロムクロ 感想リスト
クロムクロ 第1話「鬼の降る空」
クロムクロ 第2話「黒き骸は目覚めた」
クロムクロ 第3話「城跡に時は還らず」
クロムクロ 第4話「異国の味に己が境遇を知る」
クロムクロ 第5話「学び舎に来た男」
クロムクロ 第6話「神通の川原に舞う」
クロムクロ 第7話「東雲に消ゆ」
クロムクロ 第8話「黒鷲の城」
クロムクロ 第9話「岩屋に鬼が嗤う」
クロムクロ 第10話「不遜な虜」
クロムクロ 第11話「闇に臥したる真」
クロムクロ 第12話「黒部の夏に地獄を見る」
クロムクロ 第13話「祭囃子に呼ばれて」
クロムクロ 第14話「祭に踊る羅刹」
クロムクロ 第15話「追分の果て」
クロムクロ 第16話「再会は水に流れて」

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