注がれた思い/機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096 20話感想
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器がMSに思いを注いで更には敵にも思いを注ぐ。
機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096 第20話「ラプラスの箱」
©創通・サンライズ


メガラニカ内部にて、ビスト財団創始者サイアム・ビストと対面するバナージとオードリー。果たしてラプラスの箱の正体とは……明かされる秘密、新たな秘密、第20話。今回はラプラスの箱の正体が明らかになるわけですが、箱のもたらしたこと自体はリディが語っているのが印象的。祈りであった筈の宇宙世紀憲章の最後の一文が呪いに変わる……というのはなんともねじれた話ですが、ねじれたのはリディも同じだから彼が語るのが最適なのですね。彼は別に最初からバナージを憎んでいたわけじゃない。ミネバに拒絶されるようなことをしていたわけでもない。でも、彼は道を誤った。「守ると言いながら、俺は守る相手を信じていなかった」という言葉は、全滅戦争を起こさず人々を守ろうとしたかつての連邦の人々にだって言えることなわけです。リカルド・マーセナスの末裔であることと合わせて、彼は箱の正体のもう1人の語り部たる資格を得る。サイアム・ビスト役に永井一郎を配したこともそうですが、「誰が語るか」によって言葉の重みが変わってくるのを実感できるなあ……

そしてもう1つ、ラプラスの箱の秘密と入れ替わりに視聴者には新たな謎が提示されています。それは「フル・フロンタルの中にあるのは何か?」という謎です。彼は自らを器と規定し、あえて空っぽになることで己の存在を確立させてきた。そんな彼が「ここへ踏み入り、この目で箱の正体を確かめたい」と願い、そしてそれはやはり彼のものではない。それは無論、彼が常々代表であると任じているスペースノイドのものでもない。彼が生まれたのではなく「作られた」のならば、内容がどんなものであれそこには「祈り」があったはずだけれど、そこには何か別のものが注がれている。物語においてはそれはきっと「呪い」なのでしょうが、はて、さて。
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