こんなところにしまってたんだ/アクティヴレイド2nd 10話感想

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アクティヴレイド -機動強襲室第八係- 2nd 第10話「訣別の宴」
©創通・フィールズ・フライングドッグ／ACTIVERAID PARTNERS



　稲城とバードが繋がっているというミュトスの推測に苛立ちを隠せない黒騎。一方、凛も同様の疑いを抱いており……訣別、第10話。
　今回は稲城が一連の事件の黒幕の1人であったことを明かすにあたって、視聴者に謎解きの興奮よりも未練を感じさせる作りが印象的。彼がバードと繋がっていたことは早々も早々に描かれるのですが、それは全てを裏で掌握していた真の悪役といった形で描かれるわけではありません。彼の関与が発覚する場面は協力者のバードに唐突にコンタクトを取られたり監視されていたり、むしろ振り回されている面の方が強く出ています。完全に愉快犯のバードを悪魔呼ばわりすらすることで、彼なりの良心すら見える。
　そしてその上で黒騎がいつもの彼らしくなく感情的に否定する姿や、ボスとかつて結婚寸前だったという過去が明かされるわけで、これがなんとも「痛い」んですよね。味方サイドと思っていた人物が敵だったというだけで辛いことなのに、それが劇中の人物にとってもいかに辛いことなのかが加算されてくわけですから。その最たるものがウェディングドレスを着たボスの稲城への問いかけで、本人は2回もプロポーズしてくれた人を疑う自分は酷い女だと言うけれど、本来幸せの象徴のはずの衣装をそんなことに使わなければならないことで、「理性的な痛み」がひしひしと伝わります。なにせ、視聴者目線だと既に答えは分かっているわけですから。最終的には黒騎によって「感情的な痛み」も爆発するわけだけれど、種明かしのようにではなく小出しにジワジワと彼らの前に疑惑の要素が出揃っていくのは見ていて苦しかったなあ……1期から引っ張った部分を見せるに当たって、それまでのなんだかんだ笑えるのと異なり後味の悪さが強かった小針さん回が文字通りのアイコンとして機能しているのも上手かったなと思います（更に事前にバードのアイコンを出して記憶を喚起しているのが二重に上手い）。
　さて、オロチを奪われた1期とはまた違ったこの危地。残り2話はどう展開されるのでしょうか。

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