その笑い方/マクロスΔ25話感想
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入院中のマキナをレイナが世話するというシチュだけで妄想が捗る。「しっかり食べなきゃ駄目」とか言ってるマキナが立場逆転してるに違いないんだぞ、ルンがピカってファイヤーしないわけがないのだ。
マクロスΔ 第25話「星の歌い手」
©2015 ビックウエスト/マクロスデルタ製作委員会



美雲を奪われマキナを傷つけられ、撤退せざるを得なかったΔ小隊。彼らは美雲がどういう存在なのかを改めて知らされることとなり……決戦前、第25話。これでTV版だけで終わるのか……というツッコミは先週したのでさておき、今回は連鎖する様々な対比が心地いい。
ウィンダミアに次元兵器が投下された事件の真相は「ライトの意思に反して新統合軍がVF-22を遠隔操作した」というもの。ライトの事情などはほとんど描かれませんでしたが今回は「操作した」というのが肝で、これはウィンダミア側の報復手段と一緒なのですね。ヴァール化は無理やり人を操るものなわけですから。その事はモブではなく視聴者に人格を持って認知されている美雲を操り「次元兵器を自爆させる」ことでより鮮明になる。断ち切ると言いつつ、ウィンダミアは連鎖に組み込まれている。
またこうした結果をもたらすこと、目的を持って作られた存在であるという美雲の出自は「歌は兵器」というベルガーの持論を証明するわけですが、一方でカナメとアラドは戦争と関係なく歌いたい、飛びたいという夢を語り合い誓い合います。そうなんですよね、マクロスの歌は兵器だろ!というのは過去のシリーズでさんざん視聴者が内心ツッコんできたことではありますが、そうであっても、歌はただ人を傷つけるものじゃない。歌は人に元気を与えてくれる。それは兵器そのものであるはずのバルキリーの「飛ぶ」ということがパイロットに、そして視聴者にも心地よさを見せてくれることが逆説的に証明してくれています。
この両面性はハヤテの父ライトにだって言えることで、彼があちこちを飛び回っていたのは特務諜報員、スパイだったからという薄暗い性質を持っていたからである一方、その途上において彼は様々なものを見聞きし、感じることができた。彼がハヤテに残した手紙の数々はシンプルで、そしてそれ故にその1つ1つの事象の本質と素晴らしさを伝えてくれる。
本質であることは自分であることであり、ゆえにハヤテはメッサーのVF-31FからかつてのVF-31Jに乗り戻し、自分を取り戻す。老化が始まり不自然な笑い方をしてしまっていたフレイアは、ハヤテの言葉にいつもの笑い方を取り戻す。きっとそれはとても「ホッとする」ことなのです。
さて、ともに自分の大切なものを守りたいと願いながらも「銀河などどうでもいい」キースと、「ついでに銀河も守る」ハヤテの決着は、物語の終着は。次回はいよいよ最終回です。
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