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漫画感想「うしおととら」文庫版第15巻

うしおととら (15) (小学館文庫)

 藤田和日郎の「うしおととら」文庫版15巻を読了。今回収録されているのは第四十一章「獣群復活」の後半、第四十二章「三日月の夜」、第四十三章「風が吹く前」、そして第四十四章「季節石化」の途中まで。
 ついに来た、ついに風が吹いてしまった……! というか鏢と紅煉の再会って、原作ではうしおととらの記憶が皆から消えるより前だったのですね。アニメ版で省略はともかく入れ替えがあったというのは驚きました。まあアニメの再開第1話でどっちの方がインパクトあるって言ったら、間違いなく風を吹かせた方が強烈だろうなと思います。アニメ版の感想で書いたように日常を愛しむ形で終わった1期から、それそのものがいきなりなくなっちゃうわけですから。あと主役が誰かと言う問題や、字伏の正体の一端について触れる説明的な要素を考えてもアニメ版はあの方がいい。

 原作の話に戻りますと、記憶を失った皆のやりとりを見て感じたのは、改めて麻子は日常の象徴なんだなと言うことでした。

ut15_01.jpg
「あたし、あの、うしおがいいよう。」

 かつてうしおが槍に魂を食われた時に言ったこの言葉は記憶を失っても貫かれていて、真由子が「槍の人」の話をしても麻子は全く思い出す素振りを見せません。三角関係だと言われて譲るとすら言う。極めつけに、灼熱の炉に飛び込もうとした時に自分の気持ちを思い出した麻子はこう語ります。

ut15_02.jpg
「ねえ真由子…あなたの好きな槍の人が…私を好きだって言ったわよね…」
「安心して…その人じゃなくて…」
「私は……あいつが好き…」


 記憶を失った結果ではあるのですが、この時うしおという人間は麻子の中で2人に分かれているのですね。
 真由子にとってうしおは、「泥なんてなんだい」に象徴される、強さを教えてくれた少年。
 麻子にとってのうしおは、口が悪くてケンカっぱやくて、落ちつきもないけど、嘘がキライで、涙もろくて、まっすぐな等身大の少年。同じ「好き」でも見ているものは違っていて、だから上述したような台詞が出てきたのではないかな……と思うのです。どちらが正しいと言うのでなく。
 そんな2人も否応なく巻き込んで、いよいよ白面の者との決戦は近づく。いや、しかしやっぱりこのあたりは読んでて辛い……!orz
 次週は文庫版の感想をお休みし、小説版の感想を書きたいと思います。

関連:
うしおととら 第1話「うしおとらとであうの縁」
うしおととら 第2話「石喰い」
うしおととら 第3話「絵に棲む鬼」
うしおととら 第4話「とら街へゆく」
うしおととら 第5話「符咒師 鏢」
うしおととら 第6話「あやかしの海」
うしおととら 第7話「伝承」
うしおととら 第8話「ヤツは空にいる」
うしおととら 第9話「風狂い」
うしおととら 第10話「童のいる家」
うしおととら 第11話「一撃の鏡」
うしおととら 第12話「遠野妖怪戦道行~其の壱~」
うしおととら 第13話「遠野妖怪戦道行~其の弐~」
うしおととら 第14話「婢妖追跡~伝承者」
うしおととら 第15話「追撃の交差~伝承者」
うしおととら 第16話「変貌」
うしおととら 第17話「カムイコタンへ」
うしおととら 第18話「復活~そしてついに」
うしおととら 第19話「時逆の妖」
うしおととら 第20話「妖、帰還す」
うしおととら 第21話「四人目のキリオ」
うしおととら 第22話「激召~獣の槍破壊のこと」
うしおととら 第23話「永劫の孤独」
うしおととら 第24話「愚か者は宴に集う」
うしおととら 第25話「H・A・M・M・R~ハマー機関~」
うしおととら 第26話(最終回)「TATARI BREAKER」
うしおととら 第27話「風が吹く」
うしおととら 第28話「もうこぼさない」
うしおととら 第29話「三日月の夜」
うしおととら 第30話「不帰の旅」
うしおととら 第31話「混沌の海へ」
うしおととら 第32話「母」
うしおととら 第33話「獣の槍破壊」
うしおととら 第34話「とら」
うしおととら 第35話「希望」
うしおととら 第36話「約束の夜へ」
うしおととら 第37話「最強の悪態」
うしおととら 第38話「最終局面」
うしおととら 第39話(最終回)「うしおととらの縁」

漫画感想「うしおととら」文庫版第1巻
漫画感想「うしおととら」文庫版第2巻
漫画感想「うしおととら」文庫版第3巻
漫画感想「うしおととら」文庫版第4巻
漫画感想「うしおととら」文庫版第5巻
漫画感想「うしおととら」文庫版第6巻
漫画感想「うしおととら」文庫版第7巻
漫画感想「うしおととら」文庫版第8巻
漫画感想「うしおととら」文庫版第9巻
漫画感想「うしおととら」文庫版第10巻
漫画感想「うしおととら」文庫版第11巻
漫画感想「うしおととら」文庫版第12巻
漫画感想「うしおととら」文庫版第13巻
漫画感想「うしおととら」文庫版第14巻


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4 Comments

towa  

こんばんは!突然失礼いたします。towaです。
麻子のことが書いてあったのでコメントせずにはいられませんでした!w


>真由子が「槍の人」の話をしても麻子は全く思い出す素振りを見せません
>麻子にとってのうしおは、口が悪くてケンカっぱやくて、落ちつきもないけど、嘘がキライで、涙もろくて、まっすぐな等身大の少年。

これがもう、まさにそうだなあって!麻子ってこういう部分が少年漫画のメインヒロインとしてはなかなか「受けにくい」キャラクターだと自分は思っているのですが、闇鍋さんはこういう部分をサッと把握されてしまうのがいつも凄いです。

麻子って「獣の槍(の潮)」をほぼ「認識」していないキャラですよね。潮が槍を持って変身していても「いつもの潮」としか思っていない、というか。
私の場合はハマー編で特にそう思うんですが、彼女よりずっと大きな力を持っている筈の「獣の槍の潮」に対しても「対等に」助け合う(あるいは助け合える筈だ)、という意識が常にある気がします。これが真由子なら、ちゃんと潮を「獣の槍」込みで考えたうえで助け合うという意識になると思うのですが(「宴」でのとらとの絡みからしても)。
ハマー編の麻子って潮に対して出来ることが無くなると途端におろおろし出すんですよね。さらに潮に頼らざるを得ない状況になると「あたしのせいだ」となる。潮を全く「ヒーロー」として認識していないキャラだと思います。だから仰るとおり、「麻子は日常の象徴」なのでしょうね。
今回の闇鍋さんの感想を拝見して、ハマー編で自分の感じた事がこの炉のシーンとも通じているんだなあと新しい発見をさせていただきました。「槍の潮」なんて彼女の頭の中にはいないんだろうなと改めて。

そこが少年漫画のヒロインとしては致命的なんですけどね!男の子を素直に頼る真由子より人気が出るはずが無いw勿論私はそこが好きなんですけど!w
はっきり言って真由子超可愛いんで「潮は何故麻子一択なのか」をかなり真面目に考えた事がありますが、結局のところこの「何があっても自分を特別扱いしない=日常を捨てざるを得ない潮にとっての日常」+「オカン体質」が決め手なんじゃないかなあと自分は考えております・・・話が逸れてすみませんw


いつも共感したり興味深い感想を拝見させていただいております!
お忙しいでしょうがご無理なさらず!それでは。

2016/10/15 (Sat) 01:56 | EDIT | REPLY |   

闇鍋はにわ  

>towaさん

>こんばんは!突然失礼いたします。towaです。
 いえいえありがとうございます!

>これがもう、まさにそうだなあって!麻子ってこういう部分が少年漫画のメインヒロインとしてはなかなか「受けにくい」キャラクターだと自分は思っているのですが、闇鍋さんはこういう部分をサッと把握されてしまうのがいつも凄いです。
 いや、なんでアニメ見てる段階で気付かなかったんだろうかと僕としては首を傾げてるのですが(;´∀`)
 towaさんのハマー編の麻子に対するご意見こそ、正にその通りだなと思います。逃げ遅れた人を見捨てようとするヘレナ達にうしおと麻子が「いいかげんにしろ!(して!)」と一緒に怒るシーンがとても好きだったのですが、理由がなんとなく分かりました。こういう風に刺激しあえるのって嬉しいなあ……

>はっきり言って真由子超可愛いんで「潮は何故麻子一択なのか」をかなり真面目に考えた事がありますが、結局のところこの「何があっても自分を特別扱いしない=日常を捨てざるを得ない潮にとっての日常」+「オカン体質」が決め手なんじゃないかなあと自分は考えております・・・話が逸れてすみませんw
 いえいえw 僕もヒロインの中では麻子が1番好きです。こういう娘と一緒にいられる強いやつでありたかったなー、という思いを刺激される娘というか……まぶしいうしおをまぶしがらない彼女がまぶしくないわけがない。

 こちらこそコメント、励みになります。嬉しいです。小説を挟んでうしおととらの感想もいよいよ終盤ですが、お付き合いくださいませ。
 

2016/10/15 (Sat) 15:12 | EDIT | REPLY |   

tara  

小説版…
存在は知っていましたが、読んでないし持ってないです;

アニメにおける「風が吹く」前後の順序組み換えは巧みでしたよね。
初見時「おや?」と思いましたが、再開3話目の「三日月の夜」まで観た段階で納得というか感心しました(^^)

ただ…「麻子さんとしたことがねー」のセリフを聴けなかったのは痛恨の極み!(^^;)

2016/10/16 (Sun) 00:21 | EDIT | REPLY |   

闇鍋はにわ  

>taraさん

>小説版…
>存在は知っていましたが、読んでないし持ってないです;
 ガガガ文庫で復刊されたのがアニメで再版……て感じでAmazonにもまだ若干在庫がありますのでぜひ。キャラに対する違和感の無さは保証します。

>アニメにおける「風が吹く」前後の順序組み換えは巧みでしたよね。
 皆に一瞬忘れられるうしお、という伏線がないのですごくショッキングでしたね。理解するとともに、なんてことしやがったんだ白面の者はー!?って気持ちになれました。

>ただ…「麻子さんとしたことがねー」のセリフを聴けなかったのは痛恨の極み!(^^;)
 確かに、あれは見たかった……脳内再生で我慢してます(´・ω・`)

2016/10/16 (Sun) 08:57 | EDIT | REPLY |   

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