それでもいい?/響け!ユーフォニアム2 3話感想
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レンズ1枚隔てた向こうにあるもの。
響け!ユーフォニアム2 第3話「なやめるノクターン」
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会



希美の復帰を認めない理由をあすかに問う久美子。果たしてあすかの答えとは……語れること、語れないこと。第3話。今回久美子はあすかに「聞いたら黄前ちゃんが辛くなるよ?」と前置きされ、事実聞いたところで答えを欲する当人には伝えづらい事実を知っていくわけですが、それらを通して「知ること」と「知らないこと」を重ねていく作りに心を打たれました。
滝先生が男やもめであることやみぞれのトラウマという秘密を久美子が抱えてしまったように、「知ること」は必ずしも幸せな気持ちをもたらしてくれるわけではありません。滝先生が新山先生と交際していないことしか知らない麗奈はとても幸せそうだし、なぜ復帰を認めてもらえないのかと悩む希美と夏紀は、みぞれのトラウマを知れば今以上に苦しむことになる。彼女達の言葉は真摯なものである一方で、真相を知らないからこそ語れることです。これは麗奈のコンクールに対する姿勢にも言えることで、音楽に関する挫折を知らない彼女は良くも悪くもその立場でしか上を目指すことについて語れません。挫折が見えたら彼女だって動揺することは、音楽ではなく恋愛でくじけそうになった先週や今週の様子を見て分かる通り。
ですが、ならば知らない方が良い結果をもたらすのかと言えばそうでもない。南中時代のコンクールとソローディションでの推しで敗北を重ねた優子は麗奈とは違った目線で上を目指すことについて(知っているからこそ)語れるし、今週のやりとりによって久美子は優子の心の中を知り、ぎこちない関係の続いていた彼女に心からの笑顔を向けることができたのですから。
*コンクールに対する絶対的ではない肯定や同じ秘密を抱えるという意味で、久美子は優子に共感すら覚えていそうなのがまた上手い。
これらは登場人物目線で言える「知ることで得たもの」ですが、物語を俯瞰できる僕達視聴者は、今回の話で更に多くのものを知り得ることができます。
例えば、花火の最中の滝先生のものまね。部員目線では「ひどいこと言われたよな」とギャグで済まされるこの時の滝先生は、実際には妻を失って抜け殻のようだった状態から抜け出して間もなかったことを僕達は今週知りました。
例えば、今回回想された香織がトランペットが好きだと語るシーン。1期の時は彼女のトランペットへの純粋な思いを表わすシーンだったわけですが、今回の優子の昔語りによって、それが吹奏楽部をやめようか悩んだ優子への強い励ましになっていたことを僕達は今週知りました。
人の行動は純粋にそれらを見ただけでも分かることもある。けれど、背景を「知る」ことはよりその行動への理解を深めてくれます。それが、痛みを伴うものなのかということは別にして。では、1番僕らが知っているようで「知らない」少女、あすかが抱えているものは、一体どんなものなのでしょうね?
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