あんたがいてよかった/響け!ユーフォニアム2 4話感想
- CATEGORY: Wisp-Blog
- TAG: アニメ_2016年秋アニメ

そう言ってあげられるのは。
響け!ユーフォニアム2 第4話「めざめるオーボエ」
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会



関西大会まであとわずか。しかしある日、希美がみぞれに話しかけてしまい……あふれて、第4話。「順番」と「順位」を混ぜ込んだ内容がえげつなくも美しい。
この4話は冒頭で演奏の「順番」が発表され、強豪校の直後であることに尻込みする部員に橋本先生が「そんなの関係ない」とハッパをかけるわけですが、これ演奏に限ったことじゃないのですよね。優子は傷ついたみぞれの側にずっといて、今回は誰より「先に」素直な思いをぶつけたのに、「後から」素直に話した希美にみぞれの思いを持って行かれてしまう。それはまさに順番に関係なく順位が決まってしまった瞬間です。影から光へとみぞれを連れ出す演出、山岡ゆりの吐き出しっ放しの演技でラスト前とは思えぬ盛り上がりを見せて、直後に東山奈央のあくまで普段通りの演技の希美に対してみぞれが感情を溢れさせてしまう……というのはなんとも残酷でした。そう、みぞれは希美にとって特別な順位の人間でないことに苦しんでいたけど、自分も優子に同じような扱いをしているのですね。それはあすかに言わせれば「ずるい」し、先週の優子の言葉を借りれば「超理不尽」なことです。
ただ一方で「順番」は「順位」に否定されて消えるものでもなくて。希美に誘われたから始めて希美のために演奏し結局そこへ帰るみぞれの心にだって確かに関西大会への喜びはあったし、彼女が今回希美と話すのは優子の言葉なくしてはできなかった。希美に勝てないと嘆く優子を慰めるのが、オーディションでも復帰の手助けでも負け続けの夏紀であるのは本当に優しい。彼女の言葉は、「言っていいのは勝者だけ」「ポジティブに捉えたい」という先週の麗奈の言葉の裏写しなのですから。
そんなわけで、今回のお話は関西大会の前に人間関係を「コンクールにかける」ことで両者の相似性を描き出し、反響させるものであったように思います。オーディションでみぞれが1人勝ち状態だったのは、人間関係への悩みの釣り合いでもあったんだなあ……
そして、人間関係とコンクールを重ねるならば、一見すると話が飛んでいるようにも思えるあすかの「みぞれのずるさへの指摘」と「全国大会への思い」もけして離れたものではないのでしょう。それはひょっとしたら、あすかにとっては音楽が1位で、音楽にもあすかを1位に選ばせてみせる……という、強烈な愛の告白なのかもしれません。さてさて、次の曲やいかに。
関連:
響け!ユーフォニアム2 感想リスト
響け!ユーフォニアム 第1話「ようこそハイスクール」
響け!ユーフォニアム 第2話「よろしくユーフォニアム」
響け!ユーフォニアム 第3話「はじめてアンサンブル」
響け!ユーフォニアム 第4話「うたうよソルフェージュ」
響け!ユーフォニアム 第5話「ただいまフェスティバル」
響け!ユーフォニアム 第6話「きらきらチューバ」
響け!ユーフォニアム 第7話「なきむしサクソフォン」
響け!ユーフォニアム 第8話「おまつりトライアングル」
響け!ユーフォニアム 第9話「おねがいオーディション」
響け!ユーフォニアム 第10話「まっすぐトランペット」
響け!ユーフォニアム 第11話「おかえりオーディション」
響け!ユーフォニアム 第12話「わたしのユーフォニアム」
響け!ユーフォニアム 第13話(最終回)「さよならコンクール」
響け!ユーフォニアム2 第1話「まなつのファンファーレ」
響け!ユーフォニアム2 第2話「とまどいフルート」
響け!ユーフォニアム2 第3話「なやめるノクターン」

にほんブログ村
【言及】
http://natusola.blog105.fc2.com/blog-entry-5504.html
http://ylupin.blog57.fc2.com/blog-entry-9913.html
http://riksblog.fool.jp/public_html/mt5/anime/now/2016/10/eupho2-4.html
http://animegane1216.blog.fc2.com/blog-entry-4520.html
http://magi111p04.blog59.fc2.com/blog-entry-2749.html
http://tiwaha.cocolog-nifty.com/blog/2016/10/2tokyomx102604-.html
http://forestinthemountains.blog.fc2.com/blog-entry-255.html
http://norarincasa.blog98.fc2.com/blog-entry-5294.html
http://guutaranikki.blog4.fc2.com/blog-entry-13601.html
http://aiba.livedoor.biz/archives/52351088.html
http://kira47.blog58.fc2.com/blog-entry-4112.html
http://ai-mugi.blog.eonet.jp/aimugi/2016/10/post-3276.html
http://izan499.blog.fc2.com/blog-entry-1748.html
http://renpounasu.blog.fc2.com/blog-entry-2072.html
http://mikihara.blog70.fc2.com/blog-entry-3858.html
http://diconoir.blog94.fc2.com/blog-entry-1781.html