いつか、また/ドラゴンボール超67話感想
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ドラゴンボールって泣ける話でもあったよな、と再認識する回でした。
ドラゴンボール超 第67話「新たなHOPE!!を胸に さらばトランクス」
© バードスタジオ/集英社・フジテレビ・東映アニメーション



みんなの力を借りることで、ついに合体ザマスを撃破したトランクス。しかしザマスは最後に異形に变化し……? 未来あれ、第67話。
半年に渡って繰り広げられた「“未来”トランクス編」の最後となる今回は、壮大なスケールでお送りするビターな結末。宇宙そのものになったザマスによって未来世界の人々は結局死に絶え、更に全王様によって世界そのものが破壊されるという終りを迎えます。未来ブルマや界王神の死亡といった状況は現在でスーパードラゴンボールでも使わなければどうにもならないのでは……と思っていましたが、むしろそれは世界を終わらせるための下準備だったのでしょう。そしてそれを悪とは言えない立場で実行するギミックこそが全王様だった、というのも驚きでした。
ですが、未来世界は滅びてしまっても未来そのものが消えてしまったわけではない。トランクスとマイが時間移動を行う事で新たに世界は生まれる。それはトランクスとマイが世界を生み出すということですが、それ以上に「一緒に戦った皆を生み出す」ということです。ブルマが孫が生まれるかもなんて茶化しましたが、2人は新しい世界の最初の人間、アダムとイブになったと言っていいでしょう。17年の時間差がある現代ではトランクスもマイも現代の自分達とは別個人として埋没できますが、新たな未来ではもう1人の自分達とほぼ同じ彼らはむしろ異物としての性質を保持され続ける。そしてだからこそ、彼らは消えてしまった未来が確かに存在した証人になれるのです。
ビルスは去り際にトランクスに「おい、未来」と呼びかけました。大地はなくとも、そこにいた人間が生き続ければ、子孫を残していけばその世界はなかったことにはならない。トランクスとマイそのものが未来である、というこの呼びかけは至言であると思います。時間を移動した故にこのような事態に陥ったトランクスの伴侶が、自分の肉体的時間を移動したマイであるというのも運命的だなあ……
ただ、そのようにスケールの壮大な話は、世界を守れなかったというトランクスの悔いを消してはくれません。できるならあの未来を皆と過ごしたかった。それが彼の偽らざる思いでしょう。そんな彼に最後に声をかけるのが「守れなかった未来」の象徴である悟飯であるというのはとても優しい別れであったと思います。修行をやり直して少しだけ精悍になった悟飯の顔は未来悟飯の幻となり、そんな彼の「お元気で」という言葉は、未来悟飯からの、未来の人々からの、「守れなかった人々からの」許しであり祝福となる。それが、トランクスの心に刺さったトゲを抜いてくれるのです。
未来トランクス再登場と聞いた時は正直「今更?」って気もしましたが、終わってみればその登場の重さにしっかりと耐えきる本当に素晴らしい内容でした。うーん、終わりまで含めてこれまでの「ドラゴンボール超」では1番の出来だったな。お話自体はまだまだ続くわけですが、スタッフの皆様、一区切りお疲れ様でした!
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