戦場に必要なのは/ブレイブウィッチーズ10話感想
- CATEGORY: Wisp-Blog
- TAG: アニメ_2016年秋アニメ

似ているがゆえに。
ブレイブウィッチーズ 第10話「姉と妹と。」
©2016 島田フミカネ・KADOKAWA/第502統合戦闘航空団



ネウロイの巣、グリゴーリを叩くフレイアー作戦の発令が決定された。それと同時に502へ復帰した孝美にひかりは喜ぶが……日の暮れる時、第10話。今回は不屈のタフガールとして描かれてきたひかりの心を折るために、彼女が「勝てない」フィールドへ誘導する展開が巧妙。
かつてロスマンはひかりに「あなたはお姉さんにはなれないわ」と語りましたが、フレイアー作戦と残留をかけた勝負はひかりにそれを許しません。作戦概要で502の面々が誤認するほどに孝美とひかりが求められる役割は等しく、故にその前哨戦である今回も勝負も2人に方向性の違いを認めない。冷静な集中で正確に座標軸を読み取る孝美と、果敢な突撃で「ここです!」と敵の急所に銃口を突き立てるひかりの違いは、正確さと速度で一直線に並べられてしまう。であるならば、孝美の出撃を前提にした作戦でひかりが孝美の代役に――「孝美になれる」道理がないのです。たとえそこにどれだけの努力が積み重ねられても、どれだけの信頼が背を押しても。
この挫折を描くにあたって、ひかりに慢心や過信で道を誤らせるのではなく、状況がひかりに正しい道を歩ませないというのはシビアさのよく出た筋書きでした。ひかりを思わず応援してしまう502の皆の心情はこれまでの描写が納得させうるところだし、孝美にしてもひかりの成長を見ていないわけではなく、知ってなお思いを揺るがせない。だから、これだけ手を尽くしてもひかりが勝てないことに反論できない歯がゆさがある。
ですが、振り返ってみればひかりはそもそもが「姉の代役として」502への加入を希望したわけで、彼女がこれまで歩んできた道は巨視的にはやはり「姉になろうとする」道だったとも言えます。ならばそこから解き放たれたひかりが再び502に加わる時は、今度こそ彼女自身(ロスマン言うところの「あなたはあなたになりなさい」)として502の一員になる時ということなのでしょう。コアを破壊されたはずの今回のネウロイのように、ひかりはどのように「再生」するのか。これまでの話でも触れた彼女の「生き延びる力」、他者を「活かす力」は最終局面でどのように発揮されるのか。佳境を迎える今後がとても楽しみです。
関連:
ブレイブウィッチーズ 感想リスト
映画感想(「ストライクウィッチーズ O.V.A. Vol.1 サン・トロンの雷鳴」)
ブレイブウィッチーズ 第1話「佐世保の魔法少女?」
ブレイブウィッチーズ 第2話「羽ばたけチドリ」
ブレイブウィッチーズ 第3話「第502統合戦闘航空団」
ブレイブウィッチーズ 第4話「戦いたければ強くなれ!」
ブレイブウィッチーズ 第5話「極寒の死闘」
ブレイブウィッチーズ 第6話「幸運を」
ブレイブウィッチーズ 第7話「聖なる夜に」
ブレイブウィッチーズ 第8話「君の瞳にぶどうジュース」
ブレイブウィッチーズ 第9話「ブレイクウィッチーズ」

にほんブログ村
【言及】
http://tiwaha.cocolog-nifty.com/blog/2016/12/tokyomx121410-d.html
http://natusola.blog105.fc2.com/blog-entry-5671.html
http://norarincasa.blog98.fc2.com/blog-entry-5432.html
http://izan499.blog.fc2.com/blog-entry-1817.html
http://riksblog.fool.jp/public_html/mt5/anime/now/2016/12/sw3-10.html
http://kira47.blog58.fc2.com/blog-entry-4183.html
http://animegane1216.blog.fc2.com/blog-entry-4748.html