話数単位で選ぶ、2016年TVアニメ10選 

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 「新米小僧の見習日記」さんでまとめられている 「話数単位で選ぶ、2016年TVアニメ10選」企画、昨年に続き参加させていただきます。ルールは以下の通り。

・2016年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。
・1作品につき上限1話。
・順位は付けない。


*並び順は放送シーズン順です




<No.1:ディメンションW 第4話「八十神湖に潜む謎」>
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当時の感想
 科学万能の時代に、腕一本で生きる男と人間的過ぎるくらいのロボット少女が織りなすバディものの快作からは、SFホラー前編の第4話を。
 進んだ科学によってロジカルに構築される恐怖の図式……という原作の良さもさることながら、単行本1冊200ページ分の分量を立体的に再構築した脚本こそはこの回のMVPです。物語の端や中を省略して切り詰めるのではなく、パズルのようにバラバラにして繋ぎ直すことで30分の枠に収まるように――というよりジャストフィットさせている。こんなアニメ化の形があるのかとうならされました。
 当時の感想でも書きましたが、どう再構成しているのか詳説するのは無理!というわけでみんな原作買おう!(ダイマ)




<No.2:無彩限のファントム・ワールド 第4話「模造家族」>
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当時の感想
 現実と幻影の入り交じる奇作からは、そのカラーがはっきり現れた第4話を。
 理由については以前ツイートしているので、これを引用させてもらいますね。返信形式でつぶやいたため、見づらくなっていてすみません……





















<No.3:アクティヴレイド -機動強襲室第八係- 第3話「アリーナからの挑戦」>
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当時の感想
 近未来の特撮的警察アニメの快作からは、花咲里が歌って踊っちゃう第3話を。
 アイドル、コスプレ、ゲームコントローラーによる遠隔操作などなど様々な「仮想」に満ちているのがこの回の面白いところですが、何より素晴らしいのはダイハチとミュトスが映像の主導権を争うのが神明天夢という「男の娘の映像」であること。
 事件の進行として、この子が男の娘である必要性は全くありません。ですがこの3話を「仮想と現実の狭間の話」として捉え直した場合、「女の子にしか見えない男の子」である男の娘ってものは正に仮想と現実の申し子であり、その頂点としてコンサート場面に立つのはむしろ必然になるわけです。そして、そんなこと考えなくとも腹を抱えて笑ってしまうくらいこの回は楽しい。
 毎週手を変え品を変え楽しませてくれた本作は多くの話が10選に入れたくなるくらい面白かったのですが、「1作に1本」であればこの3話は不動の選択でした。




<No.4:機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ第19話「願いの重力」>
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当時の感想
 地べたをはいずる少年たちの物語からは、大気圏へ降り立つ第19話を。
 「願いの重力」と副題を銘打たれた話の始まりに、アトラが荷物の「重さ」に関わる話をする……というワンシーンが強烈に記憶に残っています。面白い作品は、往々にして台詞や状況や行動にキャラ自身が自覚しえない脚本上の意味を内包している。本筋と全く関係ないように思える部分に、しばしばその回の重要な要素が仮託されている。そういう事を明確に意識した、僕の感想の書き方にとても大きな変化を与えてくれたこの回は10選から絶対に外せないものでした。
 あと、彼らの物語が成功に向かって走っていくものだという皮が、かろうじて剝がれずにいられた最後の回だからというのもありますかね。この後で鉄華団はビスケットを失い、正に血みどろの戦いに向かっていったわけで。今回選出するまで、どうしても見直すのが怖かった回でもありました。




<No.5:コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜THE LAST SONG 第19話「推参なり鐵假面」>
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当時の感想
 昭和とは違う日本で繰り広げられる超人たちの物語からは、300年前の英雄が現れる第19話を。
 本筋からはもっとも離れた話である一方、それゆえに単独の話としての完成度が高く、最終話とは別の形で本作のテーマの1つを明確に表現していることが鮮やかに記憶に残りました。昔を生きた人間を現代に持ってくることでむしろ「昔は良かった」をバッサリと否定する手法、それを可能とする影胡摩の魅力的なキャラクター性、そして彼女を主役とした話をなめらかに成立させるこれまでの諸要素。それらの末に、浅岡雄也による井上陽水の「東へ西へ」のカバーをバックに流れてゆくラストの時間があてどなくも美しい。全てが帰結する最終回とどちらを選ぶか悩みましたが、話数単位ということを重視するならとこちらに軍配を上げました。
 なお、BDオーコメ聞いてたら「昔は悪の組織は最後の1人まで殺すのが当たり前だった」という例示に鋼○ジ○グを挙げていて爆笑。OPの歌詞のインパクトが強烈だからね、分かりやすいね。




<No.6:クロムクロ 第25話「鬼の見た夢」>
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当時の感想
 時を越えた愛の物語からは、静かに急転直下を迎える第25話を。
 前回で先遣隊を撃破し「あと2話もどうするんだ?」と思わせてから「あと1話でどう終わらせるんだ?」と視聴者をやきもきさせる単純な巧さもさることながら、人が現実を見、鬼は夢を見、両者の立場がぐるりと回転することで「現実を越える物語(夢)」が姿を現したことに舌を巻きました。このテーマ、僕にとって特別な名作である上記コンレボにも通じるところです。
 第1話ではクロムクロの活躍がちゃんとは描かれなかった事に不満を覚えた僕ですが、この回は本作がそういう作品――「ロボットアニメ」ではなく「ロボットが出てくるアニメ」であることが、心から納得できた回でもありました。この25話と26話があるからこそ、本作は傑作たりえるのだと思います。




<No.7:機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096 第5話「激突・赤い彗星」>
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当時の感想
 宇宙世紀100年の歴史へ手向けられる物語からは、新たなガンダムと赤い彗星の再来がぶつかる第5話を。
 理屈で動く世界とそこに生きるミネバにバナージが突き刺す人間性、ファーストガンダムをほうふつとさせるユニコーンとシナンジュの対決と前半の燃え所も抜群なのですが、それ以上に素晴らしいのが戦闘後のリディとミネバの会話。本作のもう1人の主人公とも言える彼が持つ「青年」「連邦軍人」「名家の御曹司」という複雑な三面性を、それぞれの面の時に無重力の宇宙船内を移動させることで描き分けた一連のシーンには感嘆する他ありませんでした。舞台演劇か。もちろんこれまでの4話だってすごかったのですが、この5話によって本作の情報密度のリッチさを明確に認識することができたのです。よく考えられるなあ、こんなの……




<No.8:響け!ユーフォニアム2 第4話「めざめるオーボエ」>
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当時の感想
 吹奏楽部という枠を舞台に、少女達の悩み進む姿が描かれる物語からは第4話を。
 関西大会を前にして「人間関係がコンクールにかけられる」という、「なぜ吹奏楽部が全国を目指す話でドロドロした内容を描くのか」に対する1つの答えが、残酷にも美しくも描かれるのが鮮烈でした。全てが終わった後のあすかの言葉も、彼女の事情が分かった今だと別のものが見えてきて面白い。
 あと正直、関西大会より後の話は僕の手には余ってる感があるのも一因です。




<No.9:ブレイブウィッチーズ 第4話「戦いたければ強くなれ!」>
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当時の感想
 新たな魔女たちが飛び、戦う物語からは開花の第4話を。
 第1、2話で、「生き延びる力」、第3話で仲間を「生かす力」と、首の皮一枚つながる状況の裏側で輝きを増していたひかりの底力が、ロスマンを指導者として再起動させる「活かす力」にまで達する。これまで僕の想像を超え続けてきたひかりの姿が1つの頂点に至り、彼女が502の一員として認められるこの回は気持ちよさと解放感に満ちたものでした。直球を投げるために丹念に描写を塗り込めていく本作で、僕が選ぶべくして選んだ回です。




<No.10:ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第34話「7月15日(木) その4」>
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当時の感想
 日常と非日常が隣接する1999年の物語からは、濃厚過ぎる7月15日の最後を飾る第34話を。
 「鉄塔に相撲に住もう」「エニグマの少年」「ぼくのパパはパパじゃない」「チープ・トリック」の4章を同日の出来事として再構成したのは尺の配分の自由度、「アナザーワン バイツァ・ダスト」での時間表示の前準備といった戦略的な意味もあるでしょうが、ことこの第34話においては「スタンドに取り憑かれて見せられない背中」と「息子に見られてはいけない殺人者の背中」を重ねることで原作にない意味を付加している戦術的な効果が素晴らしい。踏み込んで言えばラストに映るのも早人の背中であり、この回は「背中で語る回」なんじゃないかなと思います。単純なパワーが効かない、あるいは敵わないチープ・トリックや吉良相手に露伴と早人が笑えるくらいの行動で必死に立ち向かっているのもいい。本アニメにおける「攻め」が特に上手く機能していた話でした。




<選外>
無彩限のファントム・ワールド 第9話「幕末ファントム異聞」
アクティヴレイド -機動強襲室第八係- 第6話「夢は、彼方の黄昏」
コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜THE LAST SONG 第24話(最終回)「君はまだ歌えるか」
機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096 第22話(最終回)「帰還」
ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第16話「「狩り(ハンティング)」に行こう!」





 以上の10本となります。2度目の参加となる今年は最初から心の隅に留め置いて見ていたのですが、その甲斐あってか選定に困ることはありませんでした。特に「無彩限のファントム・ワールド」「アクティヴレイド」「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」は冬に見た時点で「あ、これを選ぶことになるだろうな」と強く予感し、実際その通りの結果になっています。去年は「まだ今年未放送の回もあるのに選んでいいんだろうか」と悩みましたし、今年もまだ何本かは残っていますが、おそらくこの10話はそれらよりも感慨深いでしょう。これらの多くが「その作品を特に好きになったきっかけ」の回でもありますので。……まあそう言いつつ、選外に最終回が2本入ってたりするんですが。
 そういうこともあって、作品自体はけして高評価ではないものも入っていた昨年と異なり、今年の10話はどれも作品自体を高評価しているものです。というか、頭を抱えるような作品はほとんどなかったというのが実情でもある。今年は全体に、多くの作品から安定した楽しみを得ることができました。
 さて、来年はどの10話を選ぶことになるのか。その背後にどれだけの話を見ることになるのか。年が明けるのが楽しみです。

【関連】
話数単位で選ぶ、2015年TVアニメ10選

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Posted on 2016/12/23 Fri. 22:12 [edit]

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コメント

アニメ10選ですか。なるほど。

(ここ数年の)ロボットアニメ10選ってのもあったらどうなんでしょう(苦笑)
自分でしたらガンダムシリーズ以外ではクロムクロ、マジェプリ、クロスアンジュ、アルジェヴォルン・・・
辺りがノミネートするでしょうか。

良い所もあったけどもったいない枠だったらアルドノア・ゼロとかかな。

ちょっとがっかり、不満枠ではキャプテン・アース、レガリア、そして殿堂入りのコメルシw

来年もまたロボを含めて面白いアニメに出会えることを願って。

MITSUKI #QuoW6Suk | URL | 2016/12/24 16:39 * edit *

お久しぶりです。コメットルシファーの視聴が途中で止まったままになっている22歳の社会人見習いです。

(今年はそんなにアニメを観ていない。)と思っていましたが、ノルンノネット・コンレボ・ジョーカーゲーム・人形劇のサンダーボルトファンタジーなどいろいろ観てたことを忘れてました(笑)

今年のアニメは「キャラクターの心の闇に振り回されるのが嫌だから視聴が止まってしまったり・途中まで観たのに録画を削除した。」という出来事が多かった年でした。

いつか父に頼んでコンレボ最終巻のDVDを購入としたいと思っています。よいお年を!!!

シンジン #- | URL | 2016/12/24 22:16 * edit *

>MITSUKIさん

>アニメ10選ですか。なるほど。
 ロボットアニメだとポケ戦、マジェプリ、レイズナーが入りますね。

>(ここ数年の)ロボットアニメ10選ってのもあったらどうなんでしょう(苦笑)

http://seesaawiki.jp/w/ebatan3/d/%A5%ED%A5%DC%A5%C3%A5%C8%A4%CE%CA%FC%B1%C7%C7%AF

 放映年表を見つけましたが、結構対象範囲に入りますね。候補に挙げておられる作品はどれも好きです。ヴヴヴやエウレカセブンAO、キャプアスあたりは今の視点で見返してみたい作品になるでしょうか。
 娯楽作品!って感じのマジンカイザーSKLとかもいいなあ。

 来期は鉄血以外ロボットアニメはありませんが、そのあとまた増えるのを期待して。来年も良いアニメに出会いたいものです。

闇鍋はにわ #dvQckJnQ | URL | 2016/12/24 23:16 * edit *

>シンジンさん

 お久しぶりです、お元気そうで何よりです。
 僕が見ていない作品もいろいろとご覧になっていますね、うらやましい。個人的には途中で止めるのはあまりしたくありませんが。
 シンジンさんもよいお年を。

闇鍋はにわ #dvQckJnQ | URL | 2016/12/24 23:26 * edit *

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