漫画感想「せっかち伯爵と時間どろぼう」5,6巻(完) 

せっかち伯爵と時間どろぼう(6)<完> (講談社コミックス)

 久米田康治の「せっかち伯爵と時間どろぼう」5,6巻を読了。作者本人がネタにする打ち切り作品、それを完結から2年に渡って積んでいたわけですが、今になってようやく読んでみれば、その遅れたことに意味も感じられる不思議な代物でした。

 久米田康治作品に見られる特徴の1つとして時事ネタの多用があり、それは後になってから読んだ時に意味を分かりにくくしたりもする欠点があります。例えば時間移動を繰り返せる伯爵は2014年から2013年に飛んで「(笑って)いいともがまだやってる!」なんて驚いたりもするわけですが、2017年の今となってみれば終わってるのが当然て感覚ではあるし。このネタを見た時は「ああ、やっぱり2年前の作品だな」などと思ったものです。
 が、最後まで読んでみれば本作は終わっていなかった。いや2015年で連載は終わっているし伯爵もミチルも死んでいるのですが、2人は死ぬ前に許された時間を使ってその後の時間にもやってくる。毎年毎年9月15日に5分だけ、2015,16年はおろか2017年にも2018年にも、その先にもずっと。そう、作中の時間は僕が今読んでいる時間よりも先を行っていたのです。

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あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
「おれは 過去の作品を読んでいたと
思ったら いつのまにか未来の作品を読んでいた」
な… 何を言っているのか わからねーと思うが
おれも 何をされたのか わからなかった…

 読んだ時の僕の気持ちですw

 (20XX年の範囲内で)9月15日が訪れる度、「せっかち伯爵と時間どろぼう」は最新の作品と化す。作品というのはどれだけ不朽の名作であれ時代の影響をまぬがれないものですが、それにもっとも敏感であろう久米田康治作品でこんなトンチのきいた回答を見せられるとは思いもしませんでした。というかむしろ、その時代その年を作品にガッツリと差し込ませているこの作者だからこそできたものなのかもしれません。
 はなはだ奇妙な感覚に陥る本作の終わり、既に読んだ方も次の9月15日に読み返してみると面白いのではないでしょうか。

関連:
漫画感想(「せっかち伯爵と時間どろぼう」1巻)
漫画感想(「せっかち伯爵と時間どろぼう」2巻)
漫画感想(「せっかち伯爵と時間どろぼう」3巻)
漫画感想(「せっかち伯爵と時間どろぼう」4巻)


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Posted on 2017/01/21 Sat. 22:16 [edit]

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