その気持ちはとっても大事/うらら迷路帖5話感想
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警ら隊も白無垢でやればいいのに……などと無茶を考えたが、たぶん十番地隊員の多くが行動不能に陥るなw
>拍手返信:雪光さん
>>物事は捉え方次第、今回の反転の物語はノノが主役を務めるからこそ、振れ幅が大きく効果的に映るというのは然りですなぁ。
実際「こうかはばつぐんだ!」な感じで、4話で猛烈にノノがかわいく感じました。いや小梅の方がまだ1歩リードしてるけど。サービスシーンの意味付けはストーリーのある作品ならではで、楽しみながらも感じ入る所も多くて上手いこと照れを相殺してくれています。大島と塩沢は2人なので感情や価値基準を上手く折半できている感があって、こちらもよくできた配置だなと。読んですっきりしていただけたなら嬉しいです。
うらら迷路帖 第5話「花嫁と神様、時々はっくしゅん」
©はりかも・芳文社/うらら迷路帖製作委員会



迷路町では白無垢祭りが開かれ、千矢達は花嫁衣装に身を包んでいた。しかし千矢はなんと酒の匂いだけで酔っ払ってしまい……? 特別な場所でうららが見るもの、第5話。主要登場人物それぞれを目立たせる話を一巡りして、今回は再び千矢と紺にスポットを当てた回。
「時に薬、時に毒」「時に女神、時に魔女」OP前のナレーションでは占いやうららの力が一面的なものではない事が語られていますが、この5話でも様々な要素が両面あるいは多面的な要素を持つものとして描かれています。うららとは何か、と言えば「本作における占師」というのがこれまでの定義でしたが、それすら今回の例外ではありません。なにせ白無垢祭りによってうららには「神の花嫁候補」という定義が追加されているのですから。うららばかりが済む迷路町はこの時期、占師の町から花嫁の町へと姿を変えているのですね。警ら隊もナンパ男の捕物という仕事が主になるw
それなりに住み慣れたはずの迷路町は白無垢によってあたかも初めて訪れた町のように姿を変え、千矢も酒によって動物を魅了し町を駆け飛び佐久を赤面させたりとまるで1話に戻ったかのような行動を見せます。言ってみれば白無垢祭りと酒の香りは擬似的に時間を巻き戻しているのであり、それゆえに千矢は山にいた頃に戻ったかのような懐かしさを覚えるのですね。ただ、それは本当に時間が巻き戻ったのではない。千矢が遊んだのはあくまで迷路町であり、そして山にいた頃より楽しいのは皆と過ごすお祭りのような時間です。こうした時間と感覚の揺らぎ(多面性)の中で千矢が得体の知れない何かと出会うのは、Aパートの時間自体が降霊の儀式的な力を持っているからだと言ってもいいのかもしれません。
そして、時間と感覚はBパートで再び擬似的に巻き戻ります。千矢は酒ではなく風邪で意識を朦朧とさせ、花嫁衣装ではなく寝間着として着物を着、酒ではなく生姜湯で体を温める。普段と打って変わって大人しい様子ですが、その行動はAパートをしっかり反復したものです。皆と一緒にいるのが楽しい、というのも看病してもらう形で具現化し今度は寂しがりすらする。ただ、今度は彼女だけが巻き戻っているわけではありません。Bパートで山へ行っているのは、千矢ではなく紺なのですから。
皆と一緒にいることで千矢が知ったのはより楽しい気持ちでしたが、紺が知ったのは自分の負けず嫌いな気持ち。白無垢を着た千矢と暗色の上掛けを羽織った紺は対照的ですが、紺が山へと登ったのが夜ではなく夕方であるように、彼女の抱いた感情はけして日の光を当てられないべきものではありません。ただ、動物と語れる千矢と異なり1人で勉強してきた紺には話し相手がいる。得体の知れない何かではなく、きちんと思いを吐き出せる相手がいる。彼女の前で鳥居をくぐるのが千矢の見たのと同じ何かではなくニナであったのは、必然であり幸運でもあったのだなと思います。ノノが想像した神様がニナそっくりなのも、ことこの場に置いてはけして外れではないのでしょうw 人や思いというのは固定されたものではなく、複数の定義を抱えることはけして非難されることではない。ニナ自身が先生であると同時にうららであるという両面性をもって紺を励ますのは、とても納得のいく姿でした。
感覚的な千矢と論理的な紺。AパートとBパートの反復。対照的な構成が効果的な回であったと思います。
<追記>
うらら迷路帖はお腹や胸や背中で「飾らない心の内」をさらしてきたわけだけど、その文脈からすると「まだ染まっていない白無垢」にも意味を当てはめられるのかな。今回は千矢の本質に1歩迫る回でもあったわけだし。#urara #うらら迷路帖 pic.twitter.com/5W04I0VhvG
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2017年2月4日
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うらら迷路帖 感想リスト
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