fc2ブログ
Welcome to my blog

Wisp-Blogは移転しました

ARTICLE PAGE

どうしてあなたは/うらら迷路帖6話感想


 おいなりさん食べたくなってきた。

>拍手返信:雪光さん
>>時間の揺らぎに着目して後半の紺ちゃんパートに繋げてみると本当にすっきりと一本の筋が通りますなぁ。感覚的な千矢と論理的な紺。両者の性質を反映した各パートの対照性が本当に効果的な回であったのだと感想を読んで思えました。
 対照的な千矢と紺が友達でありライバル、という関係性の共存はストーリーの連続性が強い本作ならではですね。それでいてほんわかかわいらしい雰囲気もきちんと維持されているんだからよくできている。毎週とても感想の書き甲斐があるので、喜んでもらえて嬉しいです。ツイートへの反応もありがとうございました。



うらら迷路帖 第6話「恋と追跡、時々よーしよしよし」
©はりかも・芳文社/うらら迷路帖製作委員会
170210_06.jpg
170210_07.jpg
170210_08.jpg
 いつも世話になっているニナに運命の相手を見つけられないかと占いを試みる小梅達。果たして振り子の示す先は……? 5話は心と関係の多面性を描いたお話でしたが、6話は逆に多様な条件から唯一性を導き出すお話。

 今回は小梅が「ああ、千矢。どうしてあなたは千矢なの」と「ロミオとジュリエット」の台詞を千矢に投げかけ、作品を知らない紺が「何それ、哲学書?」と問いかけるところから始まります。恋慕の表現として定型的に引用されるこの台詞ですが、そのイメージのフィルターを取っ払ってみると確かに哲学的ですよね。千矢が悩んでしまったように、「人は何をもってその人足り得るのか」という根源的な問いかけがここには含まれている。
 そしてその台詞を投げかけられる「理想の王子様」「運命の人」はそのままでは抽象的ですが、ニナの運命の人が「なぜその人はニナの運命の人なのか」というロミジュリ的な問いかけには今回はっきり答えが出ています。「私の大切なものを大事にしてくれる人かしら」「家族やうららの仕事、そして、かわいい私の生徒たちのことをね」……逆に言えばこれ以外の条件は無く、性別を含めた他のあらゆる要素は揺らぐことができるわけです。佐久がニナの運命の人であるのは物語的に予想可能なことですが、彼女が変装によって自らの性別を一時的にあいまいにした上で条件をもっとも満たす人間であるというのが見出される……というのは納得の経過でした。劇中で「運命の人」の定義自体が「特別仲良し」レベルまで揺らいでいるので、ガチ百合なお話に解釈しなくても構わないのも程よい塩梅ではある。

 また「人は何をもってその人足り得るのか」というのはBパートでも描かれているところで、これはコックリさんが憑依し紺が紺の姿をした別の存在になってしまうことでなされます。「姿形は同じだし、中身が違ってもそんなに変わらなかろう?」と紺を乗っ取ったコックリさんは言うわけですが、千矢はそれをきっぱり否定します。「紺はもっと真面目で、賢くて、恥ずかしがり屋だけど頑張りやのいい娘だもん!」……千矢に「紺はどうして紺なの?」と問いかけたら、きっと返ってくるであろう言葉に相当するものがこれなわけですね。もちろん「紺は私達の大事な友だちだもん」もそう。この6話ではABパートの両方で、最初の問いかけに対する回答がされているのです。


 千矢は変装した佐久の正体や小梅と(それに憑依した)コックリさんの区別を匂いでつけるわけですが、その匂いとは詰まるところこれまで述べた「人は何をもってその人足り得るのか」という個々人の本質であり、今回はそれを描くために様々な皮を取っ払うお話であったようにも思います。大人の恋愛という言葉の皮を取っ払うと子作りになる。ニナから先生の皮を取っ払うと乙女になる。コックリさんから霊体という皮を取っ払う(肉体を持たせる)と顎撫でに弱い狐になる。 お帰り願う祝詞から仰々しさを取っ払うと土下座になる。お腹や胸や背中や白無垢で心の内をさらけ出してきた本作ですが、今週は外面性をまるごと取っ払うことでそれに連ねてきたのは驚かされました。相変わらず出来の安定した作品です。

関連:
うらら迷路帖 感想リスト

うらら迷路帖 第1話「少女と占い、時々おなか」
うらら迷路帖 第2話「探し物と夢、時々甘味」
うらら迷路帖 第3話「仲間と友達、時々ライバル」
うらら迷路帖 第4話「良いこと悪いこと、時々くすぐったい」
うらら迷路帖 第5話「花嫁と神様、時々はっくしゅん」


にほんブログ村 アニメブログ アニメ感想へ
にほんブログ村

【言及】
http://nikkananilog.blog.fc2.com/blog-entry-1193.html
http://natusola.blog105.fc2.com/blog-entry-5823.html
http://aimugi.blog.jp/archives/12181547.html
http://forestinthemountains.blog.fc2.com/blog-entry-335.html
http://tiwaha.cocolog-nifty.com/blog/2017/02/tbs20906-1b00.html
http://gomarz.blog.so-net.ne.jp/2017-02-10-2
http://kira47.blog58.fc2.com/blog-entry-4267.html
このエントリーをはてなブックマークに追加

2 Comments

ロゴ  

それは私のおいなりさんだ。

今回はまだ3回しか見ていません。(もうダメだ

ニナ先生、あんなにかわいいのにお相手いないんだなぁ。
まあ、近づく男は片っ端から海岸に浮かぶからな…。

佐久隊長は変装というモノが分かってない。
いいか、古来より変装するときは槍と変態マスクが必要不可欠でな(懐かしい流れ
最近日曜夕方で使ってない目のところがカシャカシャ開く変態マスクを付けて出てこられても…あのズーレー部下二人なら問題ないのかもしれん。

一つ分かった。
ほっぺの柔らかさは 千矢>小梅だ。(二話比)
あれよく伸びてたよなぁ。

予告の先が気になる。
次回は小梅回だよ-。

2017/02/11 (Sat) 19:16 | EDIT | REPLY |   

闇鍋はにわ  

>ロゴさん

>それは私のおいなりさんだ。
 人がせっかく自制したというのに!(;^ω^) まあ3回でも5回でも見てください。

>ニナ先生、あんなにかわいいのにお相手いないんだなぁ。
 迷路町は相手探しには向いてなさそうですよね。結婚相談所とかニーズありそうな気がする。

>いいか、古来より変装するときは槍と変態マスクが必要不可欠でな(懐かしい流れ
 シーズン的にはもう5クール前ですか、早いものですね(遠い目

>最近日曜夕方で使ってない目のところがカシャカシャ開く変態マスクを付けて出てこられても…あのズーレー部下二人なら問題ないのかもしれん。
 そこへ現れるフルフェイスマスクの謎のかやのん声!(もう滅茶苦茶

>ほっぺの柔らかさは 千矢>小梅だ。(二話比)
>あれよく伸びてたよなぁ。
 言われて見返すと顔の幅が2倍くらいになってますね。これはほんとよく伸びる……(手わきわき

>次回は小梅回だよ-。
 OPのホウキもついに登場ですねー。 楽しみです。

2017/02/11 (Sat) 21:21 | EDIT | REPLY |   

Leave a comment

7 Trackbacks

Click to send a trackback(FC2 User)
この記事へのトラックバック
この記事へのトラックバック
  •  うらら迷路帖 TBS(2/09)#06
  • 六占 恋と追跡、時々よーしよしよし 小梅は月刊倫敦の愛読者で今月号はロミジュリ特集。自習時間にニナ先生は恋占いをするのが日課らしい。ニナ先生の理想の相手は大切なものを大事にしてくれる人。大切なのものとは生徒たち。 ニナ先生の理想の相手を占いで探そう、恩返ししようと言うが本心は興味本位で探してみたいだけの小梅。3人を適当に言いくるめる、ちょろいわね。振り子占い、ハーフのユレールちゃんと名付けて...
  • 2017.02.11 (Sat) 17:32 | ぬる~くまったりと
この記事へのトラックバック
この記事へのトラックバック
  •  うらら迷路帖 六占 『恋と追跡、時々よーしよしよし』
  • シェイクスピアごっこ? ああ、ロミオとジュリエットだったのね。 そこから、恋バナに展開するとは。 占いは、恋占いが多いからなのか? 日頃の行いが悪い人には、運命の人は来ません。 そっか。そっか。 性格も悪し、犯罪行為を平気でするような輩は お嫁に行けません! 行けず後家ですね。 小梅の運命に人は、明らかに怪しい...
  • 2017.02.11 (Sat) 20:56 | 奥深くの密林
この記事へのトラックバック
この記事へのトラックバック
この記事へのトラックバック
  •  【うらら迷路帖】 第6話『恋と追跡、時々よーしよしよし』 キャプ感想
  • うらら迷路帖 第6話『恋と追跡、時々よーしよしよし』 感想(画像付) キツネの憑いた紺ちゃんに千矢ちゃんもタジタジw 狐霊の占いは危ないね。 4人とも他に人がいないとこでの痴態でよかったよねw 憑依されると体も柔らかくなるのか、さすが狐フレンドだね♪
  • 2017.02.14 (Tue) 23:21 | 空 と 夏 の 間 ...