漫画感想「艦隊これくしょん ‐艦これ‐ コミックアラカルト 舞鶴鎮守府編」13巻
「艦隊これくしょん ‐艦これ‐ コミックアラカルト 舞鶴鎮守府編」を読了。今井哲也による、太陽と風を背中に立つ艦娘達の表紙がまぶしい。
ビスマルク（プリンツ）、ローマ、アイオワと海外艦の料理対決が見られるのはわたのれの「海外艦クッキングバトル！」。金剛がウォースパイトをエレガントにエスコートしてあげる夏見こまの「Walk together」、ドイツ艦のプリンツとイタリア艦のザラの交流を描いた森永ミキの「クリスマスの贈りもの」もそうですが、こういう多国籍な話が作れるのはコンテンツとしての充実を感じます。審査員が赤城という時点で審査結果は想像できるのですが、その上で納得の仲良しな着点も○。
鬼怒が出来心で間宮さんの羊羹を食べてしまって……というのはみずのの「羊羹騒動」。羊羹が加賀さんの分だと聞いての鬼怒の動揺ぶりはもちろん、どちらかと言えば控えめな由良が、羊羹を食べられてしまったことでキャラクター性を崩すことなく自己主張しているのが楽しい。
軽巡姉妹話でおなじみのあららの短編は、今回はちょっと目線を変えて潜水艦寮の「いごぶ」。新人の伊26をリアクション役に、これまでとはちょっと違った集団生活が目にできます。あと目立ってないけど伊8の上着のはだけ具合が素晴らしくエロい。
今回も五月雨ちゃんを主軸に描くのはふでちんの「初冬の朝は」。彼女をメインにしておきながらドジっ子要素無し！冬服もあってひたすら彼女の良い子ぶりが堪能できます。ああ僕も焼き芋食べたい。冬の贅沢な時間。
いつでもツンツンな隼鷹の髪の秘密に迫るのはいくそつの「髪型のひみつ」。ネタそのもの以上に、それに迫るのが龍驤と熊野であることに組み合わせの新鮮さがあって楽しい。熊野はお嬢様系キャラと本作の龍驤のおっさんっぽい（？）キャラ付け、合わせてみると不思議な味わいがあります。作中でも言われているように、育ちで言えば隼鷹こそ正しくお嬢様でもありますしね。
この他、艦娘が未実装・未配属の他艦娘に呼びかけるシステム的な穴をネタに朝潮型をコミカルに描いた大山芋の「朝雲のいない鎮守府」、青葉の写真をシリアス方向できっちりまとめたハジメの「青葉一枚」、珍しく余裕のない卯月が見られるたなかあひるの「対抗心」、初雪が明日から本気を出せないヒロの「初雪、特訓する」などなど。どちらかというとじんわりくる楽しみ方が素敵な1冊だったなと思います。
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