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漫画感想「実は私は」20巻

実は私は 20 (少年チャンピオン・コミックス)
 増田英二の「実は私は」20巻を読了。これまで本編には未来人が何人か登場していましたが、今回は朝陽が過去に飛ぶ話。過去話と言えば回想が定番ですが、そうではなく朝陽が直接体験することになる、というのが良いですね。葉子の父である源二郎が正体を隠し通せなかったてん末を、朝陽は伝聞するのではなく経験することができる。源二郎の悔しさ、哀切を朝陽自身の血肉とすることができる。だから朝陽が強く決意する原動力になる。
 そして更によくできているのはこの過去世界の登場人物が現代の朝陽達によく似ていることで、言ってみればこれは、今回の過去編がなければ朝陽達が迎えているであろう「未来」の模倣でもあるのですね。3人のダメ親友、委員長の父、獅穂の母、華恋。朝陽が飛んだ過去より前の時期にも、彼らが友人になるまでの過程がそれこそ20巻くらいあったはずで。でも、それは源二郎の正体がバレることであっけなく壊れてしまう。そして未来の委員長からも、現代の葉子達がいずれ同じ道をたどる事が語られる。

 「過去を変えられなかった過去は変えられない」けど「未来人の手を借りても未来は変えられる」。それは言葉遊びのようでもありますが、本作が――というより、増田英二の作品が訴え続けているであろうテーマでもあります。大切なのはいつだって現在であり、過去に負けないことで未来は開かれる。どこまでも等身大の少年である朝陽にこうした形で過去を付加することは、クライマックスに向けてキャラを崩さない良いジャンプ台であったなと思います。過去の描写のつなぎ合わせ方と言い、アホアホやりながら巧みに本筋を進めてるな……
 あと個人的には源二郎の「実は私は」が「人間になりたかった」であったところ、「普通の人間になりたかった」と読み替えることができてなんとも切ない気持ちになりました。特殊な能力や才能に限った問題ではなく、自分が「普通の人からズレている」ことを感じる人間には突き刺さる言葉ではないでしょうか。願わくば、現代を生きる朝陽の仲間たちがそのままで受け入れられる結末が待っていますよう。


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