褒められるよりも嬉しいこと/セイレン12話感想 

170324_02_02.jpg
 恋をすることの意味とは。

>拍手返信:雪光さん
>>こうして見ると今日子がスカートの上からパンツを履いているように見せていたことにもちゃんとした意味があるように思える不思議wいや、実際にあるのでしょう!
 12話終わってみると実際、今日子自身の意識にもとても意味のあるシーンでしたねー。ホント、この作品どうやったらそんな発想が出るんだというシチュエーションに意味が重ねられているのが恐ろしい……そしてそれ故に、まっすぐな正一と今日子の恋愛の結末が映える最終回でした。ラストに相応しい、ストレートと変化球のほどよく混ざった章であったと思います。できれば続きをまた一緒に語りたいですねー。



セイレン 第12話(最終回)「ハツコイ」
©高山箕犀/セイレン製作委員会
170324_03.jpg
170324_04.jpg
170324_05.jpg
 いよいよ創設祭の日がやって来た。手作りケーキを売る今日子の前に、真剣な表情の正一が現れ……? 今回の副題は「ハツコイ」――初恋という幼馴染との恋愛でよく聞くフレーズではありますが、正一と今日子の恋愛はその定形とは少し異なっているのではないでしょうか。だって「幼馴染の初恋」って、どちらか片方がずっと相手を思い続けてきたというパターンがもっとも多いように思うからです。同系列で言えば「アマガミ」の桜井梨穂子はその典型ですね。でも正一は「幼馴染の女の子をそんな風に見るのが、とてもいけないことのような気がしたんだ」と語り、今日子も同じ心境だった事を語る。2人の恋愛の過程は過去に在るのではなくほとんどが画面に描かれており、視聴者はその全てを目にしているのです。
 正一と今日子の関係の変化は互いを子供として見ないようになることであり、それは同時に、相手をそのように見る自分も子供でなくなるということ。そこにあるのは相手の成長であると同時に、自分の成長でもあります。第9話の感想で僕は「今日子にしても大人っぽい女の子になりたいのはそれが目的(結果)なのかあるいは過程なのか。」と書きましたが、そもそも少年少女の恋愛というのは「大人になる過程」の出来事でもあったのでした。進路を明確にした耀や透と異なりエピローグの今日子が「母親」としてのみ描かれたのは、成長そのものをもっとも重要なポイントとして描くためであったのかな……と思います。同時にそれは、正一が追いつけなかった耀や追い続けた透と異なり、2人で成長し合った今日子編にこそ相応しいと言えるのかもしれません。

 ただ、子供っぽさや稚気といったものは成長に伴って捨てさるべきものとして描かれているわけでもありません。ミスサンタコンテストではお色気たっぷりの耀トナカイではなく、透の子供っぽいイナゴマスクコスが優勝し、かつての今日子のように「ケーキを3人で食べて」あるいは「成長を褒められて」喜ぶるいせの妹・りんは徹底して愛らしく描かれる。更に最後に正一と今日子の娘がクリスマスにおでんを食べたいなどと言い出しても、それは否定される事はありません。何より、その娘の言うことを尊重してあげるのは正一です。高校生になっても魔法少女ものを読み、恋人になった今日子に対してサンタを信じると語った彼が、(魔法少女ものの)漫画編集を職業としているのは、彼が自分なりにその稚気との付き合い方を見出した結果であるように感じました。成長することは、子供っぽさを失うということとイコールではないのです。

 僕なりに考えた「本作がどういう作品と言えるのか」については稿を改めて語らせてもらいたいと思いますが、何よりもまず、とても楽しませてくれた事に感謝の言葉を。スタッフの皆様、素敵な作品をどうもありがとうございました。ブルーレイ、買います!

<追記>


関連:
セイレン 感想リスト

セイレン 第1話「ケツダン」
セイレン 第2話「ヤマオク」
セイレン 第3話「オトコユ」
セイレン 第4話「ホシゾラ」
セイレン 第5話「コウカン」
セイレン 第6話「タイセン」
セイレン 第7話「ブラコン」
セイレン 第8話「モフモフ」
セイレン 第9話「カテイブ」
セイレン 第10話「オサガリ」
セイレン 第11話「カクセイ」


にほんブログ村 アニメブログ アニメ感想へ
にほんブログ村

【言及】
http://nijiirosekai.blog55.fc2.com/blog-entry-6022.html
http://tarasite.blog.fc2.com/blog-entry-1766.html
  このエントリーをはてなブックマークに追加

Posted on 2017/03/24 Fri. 23:39 [edit]

CM: 0
TB: 5

top △

« スクールガールストライカーズ12話ツイート感想  |  甘口でやんす/小林さんちのメイドラゴン11話感想 »

コメント

top △

コメントの投稿

Secret

top △

トラックバック

トラックバックURL
→http://craft89.blog105.fc2.com/tb.php/2274-717be937
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

セイレン 桃乃今日子編 第4話[終]

セイレン 桃乃今日子編 第4話[終] 『ハツコイ』 ≪あらすじ≫ 輝日東高校伝統のクリスマスパーティ「創設祭」でもその実力を如何なく発揮する家庭部。そこで頑張る今日子の前に、意を決した正一が姿を見せて…。 ≪感想≫ 最後にしてオーソドックスなギャルゲーっぽい正統なヒロインとそのエンディングという感じ。 幼馴染にして初恋の相手を、互いに互いを少しずつ異性として意識し...

刹那的虹色世界 | 2017/03/25 16:52

セイレン 桃乃今日子 最終章 『ハツコイ』

鹿のコスプレをする常木耀。 常木耀は、なんだかんだ言って鹿三昧のセイレンでした。 串焼きの作り方が常木耀にしか、分からないと言う高遠由貴恵。 なんですと! そんなことでは、お嫁に行けません。 常木耀の下僕となって働くべし! そんな高遠由貴恵に助人が! 変態紳士、嘉味田正一参上! その串焼きを上崎真詩が試食する! え...

奥深くの密林 | 2017/03/26 21:30
ゴマーズ GOMARZ | 2017/03/27 22:26

セイレン 第12話(終) 桃乃今日子 第4章 『ハツコイ』 古き良き王道ラブコメだった!エピローグは綾辻編にそっくり。

お互いしか眼中にないのにくっつきそうでくっつかない。幼馴染という最も近い位置にいるせいでその殻をぶち壊せない。仲良かったのに思春期になると気恥ずかしい。そんな「お前ら早くくっつけよ、見ていてイライラするんだよ!」と言いたくなる甘酸っぱい恋愛模様でした。あと冒頭の正一が無茶苦茶イケメンで「作画パワーアップしてる!」と思ったら冒頭だけだった。 サンタコンテスト(鹿)。口からでまかせだったのに、シ...

こいさんの放送中アニメの感想 | 2017/03/28 01:17

アニメ感想 『セイレン』第12話「桃乃今日子 最終章 ハツコイ」

『セイレン』、最終話まで観終わりました。 『アマガミ』と(そして『キミキス』とも)世界観を共有しながらも単純な続編ではなく、随所に“アマガミ味”を利かせながら新境地も… アマガミスト大満足の楽しい作品でした(^^)

たらさいと | 2017/04/06 02:05

top △