私じゃなくてもいいんだ/サクラクエスト 4話感想
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(将来の)夫婦喧嘩は犬も食わない。
>拍手返信:と~しきさん(漫画感想「十 ~忍法魔界転生~」10巻)
魔界転生に影響を受けたであろうサムスピの天草四郎はラスボスですから、こちらでのあっさりした退場には僕もびっくりした記憶があります。お品の最後をよりドラマティックに仕立てたこともあって、妙味の感じやすい内容ですよねえ。残りの転生衆との対決、何を裏返して十兵衛が勝利するか僕も楽しみです。
サクラクエスト 第4話「孤高のアルケミスト」
©2017 サクラクエスト製作委員会



町おこしに協力するため、早苗もシェアハウスへと引っ越すことになった。その際、由乃は古民家の欄間が間野山の彫刻である事を知り町おこしに活かせないかと考えるが……?
5人の主要メンバーが町おこしをする形ができた前回では、それぞれ役職を……なんて話がありましたが、それらはいずれもへんちくりんなものばかりです。ガテン(合点)大臣、IT(アイテー)大臣、UMA(馬)大臣……このご時世の日本に政策決定力のある国王なんて本来いないように、早苗達の役職もまた本来存在し得ないもの。だから由乃が本当に国王になるための一歩を踏み出すのに時間を要したように、他の娘達も本当に○○大臣になるために話数がいる。この4話はその始まりであるように感じました。実際、早苗は由乃と別人ながらも近しい要素を見出すことができます。います。東京から来たこと、間野山を全然知らないこと、自分は誰かに必要とされている(唯一無二とされている)わけじゃないということ、などなど。
また、近しいのは個人に限りません。単独でコミュニティを形成できる木彫り「村」は言ってみれば間野山を縮小再生産したようなものであり、住人が変化を望んでおらずよそ者の無理解を指摘する構図は前回由乃が突きつけられた間野山の現実そのものです。「伝統と最新テクノロジーのコラボ」は換言すれば「老人と若者のコラボ」。「若い人もやってくるが途中でやめちゃう人もいる」のは今回5人から早苗が離脱を宣言した現状。「一点もので量産が効かない」のは成功例を丸コピできない町おこしにも通じる理屈。そして逆に言えば、間野山彫刻の現状を少しでも解決できるのならそれは間野山全体、引いては由乃のあり方についても何らかの端緒となりえる。経歴的に由乃ともっとも近い早苗を中心とした出来事だからこそ、物語を周縁へと拡げていけるのです。
由乃が覚悟を決めたのが東京のアパートを引き払った後だったように、早苗もまた古民家を引き払った後で自分の道を問い直すことになる。シェアハウスは地域共同体たる間野山のマトリョーシカなのでしょう。早苗の問題をどのように解決するのか、残り3人の「クエスト(試練)」を通じてどのように物語を深めてゆくのか。これからが楽しみです。

なお伝統(エプロン)と最新テクノロジー(美少女)のコラボの成功例がこちらになります。
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