辻褄を合わせる/Re:CREATORS 4話感想
- CATEGORY: Wisp-Blog
- TAG: アニメ_2017年春アニメ

道理の、心の、行うべきことの辻褄を。
Re:CREATORS(レクリエイターズ) 第4話「そのときは彼によろしく」
© 2017 広江礼威/小学館・アニプレックス



自分のゲームの製作者へと会いに行く事ができたメテオラ。しかしその製作者は事故で亡くなっており……?
グイグイと作品の視覚を引っ張ってきたバトル要素はお休み。今回は各被造物達が鎧を脱いで語る回でした。厳密に鎧を脱いでいるのはアリステリアだけですが、セレジアやメテオラ、それにまみかも「戦装束」という鎧は身につけることなく過ごしています。隠していた事を明かすメテオラやまみかとアリスの交流に代表されるように、この4話は鎧を脱ぐ事で彼らが胸の内を明かし合うものなのでしょう。
颯太サイドが現実世界の揺らぎを危惧し、軍服の姫君サイドは揺らぎを誘発させようとする。今回の両者の描写は等列で裏表。それはどちらでも食事風景が描かれる事からも見る事ができます。かたやわさびの有無に文句を言える豪勢な食事、かたや1つの皿でレトルトを分け合う貧相な食事。けれど後者が不幸せな食事かと言えばそうではないのでしょう。「あーん」とか「アリスちゃん」と言った距離感はあの食事風景ならではだし、まみかは自分のカレーを「すっごく美味しい」と無邪気に喜ぶ。製作者に対するメテオラとアリステリアにの態度表明からも見えるように、どう受け取るかは軍服の姫君の言うところの「それぞれの裁量」なのです。まみか達が食べたのが、描写された食べ物の中で暖かさを1番感じさせる食べ物を持ってきたのは上手いセレクトだったなあ……
また、今回は現実世界に辻褄合わせの修正力があるという推測が語られましたが、それは作品内の現実の登場人物(ややこしいなこれ)からも見出す事ができます。今回はメテオラの語りの比重が大きい関係もあり、颯太達は多くの場合聞き手に回っています。続きを促したり、空白の部分を推測したり。つまりそれは「辻褄を合わせようとする」ということです。顕著なのは松原で、メテオラの言葉を積極的に咀嚼したり、夕飯を決めるのではなくビピザでいいかと問い合わせたり、久しぶりの相手から突然かかってきた怪しい電話にも即対応してみせたりする。最も年齢を重ねているであろうキャラに相応しい貫禄でもありました。
そしてもちろん、「本作の登場人物」としては等列であるメテオラ達もまた辻褄を合わせようとする。彼女が一晩かけて世界を救い、己の心の辻褄を合わせるのはなんとも「現実的」なあり方だったのではないかと思います。
さて、巨大ロボという鎧を脱ぎ、今は1人で弁当を食べる新たな被造物がどんな動きを見せてくれるのか。次回も楽しみです。
関連:
Re:CREATORS 感想リスト
Re:CREATORS 第1話「素晴らしき航海」
Re:CREATORS 第2話「ダイナマイトとクールガイ」
Re:CREATORS 第3話「平凡にして非凡なる日常」

にほんブログ村
【言及】
http://natusola.blog105.fc2.com/blog-entry-6044.html
http://aimugi.blog.jp/archives/15102249.html
http://guutaranikki.blog4.fc2.com/blog-entry-14171.html
http://gomarz.blog.so-net.ne.jp/2017-04-30
http://renpounasu.blog.fc2.com/blog-entry-2473.html