だから僕は覚えてたんだ/Re:CREATORS 5話感想
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眼鏡少年と眼鏡っ娘の等列。
Re:CREATORS(レクリエイターズ) 第5話「どこよりも冷たいこの水の底」
© 2017 広江礼威/小学館・アニプレックス



旧知のシナリオライター・中乃鐘昌明から連絡を受け彼の下へ向かった颯太達は、「無限神機モノマギア」の主人公・鹿屋瑠偉に遭遇する。そして更にそこには……?
本作の感想で僕は度々「等列」という言葉を使ってきましたが、今回の話は特にその色合いが強い印象を受けました。一見して今回行われているのは「事態の現実化」です。これまで登場したのは物分りの良い被造物が多かったですが、鹿屋みたいにすぐに事態を理解してくれなければ逆ギレもする厄介さんだって当然いるし、松原はアニメをしっかりチェックできているわけではなく「無限神機モノマギア」の録画が溜まってしまっている。自衛官の長ったらしい役職紹介やズラッと並ぶ会議メンバーの役職、松原やまりねの「本名」は彼らを現実的なものとして認識させる。白眉はもちろんメテオラの武器無断使用・建造物破壊に対する指摘であり、これに彼女はぐうの音も出ません。鹿屋の家屋破壊も含め、創作のこうした行動に対するツッコミは視聴者がよく行うところですが、それを実際に(劇中の現実の登場人物ではなく、劇中の創作の登場人物に)行ってしまうのはなんともメタいシーンでした。
しかし、これは本当に「事態の現実化」なのでしょうか。現実の登場人物が現実に現れた創作上の人物に手を伸ばす――それは言い換えれば、現実が創作としての性質を取り込んだと言うことです。政府が立ち向かわなければならないのはアニメや漫画の人物がそのままの能力で表れるという現実離れした事態であり、「世界を救う」という現実の人間が口にすれば失笑ものの危機なのですから。「深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いている」と引用すれば少しキザになりますが、この5話によって作中の現実世界は創作に足を突っ込んでいる。事態を現実化しているというより「等列化」しているのです。そう考えると、菊地原は「現実世界のメテオラ」として相対化される存在なのですね。彼女とメテオラが仲良くなる、等列になるのは必然であると言えます。
そして、対策会議の保護下に入るのは例外ではないとされた――松原やセレジアと「等列化」された颯太は、軍服の姫君の正体によって自身もまたクリエイターとして「等列化」される存在であることを自覚します。同時にここで行われているのは、一次創作と二次創作の「等列化」でもある。検索結果で示されているのは星の名前という現実と創作キャラの名前の「等列化」でもある(なんだか艦名で検索すると艦これの画像ばかり出てくるのを思い出すなw)。ぐいぐいと物語が広がっていくのが感じられる回でした。
関連:
Re:CREATORS 感想リスト
Re:CREATORS 第1話「素晴らしき航海」
Re:CREATORS 第2話「ダイナマイトとクールガイ」
Re:CREATORS 第3話「平凡にして非凡なる日常」
Re:CREATORS 第4話「そのときは彼によろしく」

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